ベンチマーキングは何と比較して評価するのか
基本情報技術者試験 平成31年度春期 午前 問55 / サービスマネジメント › サービスマネジメント
過去問にチャレンジ
サービスマネジメントのプロセス改善におけるベンチマーキングはどれか。
- ア
ITサービスのパフォーマンスを財務,顧客,内部プロセス,学習と成長の観点から測定し,戦略的な活動をサポートする。
- イ
業界内外の優れた業務方法(ベストプラクティス)と比較して,サービス品質及びパフォーマンスのレベルを評価する。
- ウ
サービスのレベルで可用性,信頼性,パフォーマンスを測定し,顧客に報告する。
- エ
強み,弱み,機会,脅威の観点からITサービスマネジメントの現状を分析する。
会話形式の解説
講師この問題では、評価の視点だけでなく、何と比較しているかに注目します。
受験者サービスの実績を測っていれば、ベンチマーキングと言えるのでしょうか。
講師測るだけでは足りません。ベンチマーキングは、自組織の業務を優れた業務方法と比べ、品質や成果の差を改善の検討に役立てます。
受験者では、業界内外の優れた業務方法を基準にして、サービス品質やパフォーマンスを評価する説明が当てはまりますね。
講師そのとおりです。比較する相手として、優れた実践が示されています。
受験者可用性や信頼性を測って顧客に報告する説明も、サービスの評価に見えます。違いは何ですか。
講師それはサービスの実績を管理し、共有する活動です。比較の相手となる優れた業務方法は示されていません。
受験者財務や顧客など、四つの視点から測る説明はどうでしょうか。
講師財務・顧客・内部プロセス・学習と成長の四つの視点は、バランススコアカードの枠組みです。戦略に沿った活動の評価であり、優れた業務方法との比較ではありません。
受験者強みや弱みを調べる説明も、比較する相手は出てきませんね。
講師はい。強み・弱み・機会・脅威で現状を整理するのはSWOT分析です。手法を見分けるときは、評価の視点に加えて、優れた実践を比較の基準にしているかを確かめましょう。
まとめ
ベンチマーキングは、自組織の業務を業界内外の優れた業務方法と比較し、サービス品質やパフォーマンスを評価する手法です。比較で把握した差を業務改善の検討に役立てます。四つの視点による評価はバランススコアカード、強み・弱み・機会・脅威による現状分析はSWOT分析です。サービスの実績を測って報告するだけでは、優れた業務方法との比較は示されません。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
サービスマネジメントのプロセス改善で用いるベンチマーキングを、ほかの評価・分析手法と区別する問題です。
解き方の考え方
ベンチマーキングは、自組織の業務を優れた業務方法と比べ、品質や成果の差を改善の検討に役立てる手法です。各選択肢が「何を基準に、何を評価しているか」に着目すると判断できます。
選択肢ごとの解説
- ×ア ITサービスのパフォーマンスを財務,顧客,内部プロセス,学習と成長の観点から測定し,戦略的な活動をサポートする。アの財務・顧客・内部プロセス・学習と成長という四つの視点は、バランススコアカードの枠組みです。戦略に沿って活動を評価する説明であり、優れた業務方法との比較を述べていません。
- ○イ 業界内外の優れた業務方法(ベストプラクティス)と比較して,サービス品質及びパフォーマンスのレベルを評価する。イは、業界内外の優れた業務方法を比較の基準にしています。その基準に照らしてサービス品質やパフォーマンスを評価するので、ベンチマーキングに該当します。
- ×ウ サービスのレベルで可用性,信頼性,パフォーマンスを測定し,顧客に報告する。ウの可用性などを測って顧客に報告する活動は、サービスの実績を管理・共有するものです。比較の相手となる優れた業務方法が示されていないため、ベンチマーキングの説明ではありません。
- ×エ 強み,弱み,機会,脅威の観点からITサービスマネジメントの現状を分析する。エの強み・弱み・機会・脅威という四つの観点は、SWOT分析に用います。サービスマネジメントの現状を整理する説明であり、優れた業務方法との比較ではありません。
POINT
- ベンチマーキングでは、比較する相手の優れた実践を基準にします。
- 比較によって把握した差を、業務改善の検討につなげます。
- 手法を見分けるときは、評価の視点だけでなく比較対象の有無を確認します。
