マナビング基本情報技術者

スクラムの4つのイベントを「いつ行うか」で見分ける

基本情報技術者試験 令和6年度 問12 / ソフトウェア開発管理技術 › 開発プロセス・手法

過去問にチャレンジ

令和6年度 問12

アジャイル開発手法の一つであるスクラムで定義され,スプリントで実施するイベントのうち,毎日決まった時間に決まった場所で行い,開発チームの全員が前回からの進捗状況や今後の作業計画を共有するものはどれか。

  1. ア

    スプリントプランニング

  2. イ

    スプリントレトロスペクティブ

  3. ウ

    スプリントレビュー

  4. エ

    デイリースクラム

会話形式の解説

講師講師
今回はアジャイル開発のスクラムで、スプリントの中で行うイベントの違いを問う問題です。スプリントは、開発を繰り返すときの1回分の期間のことです。注目したいのは、問題文の「毎日決まった時間に」という部分です。
受験者受験者
選択肢の名前がどれもカタカナで似ているので、覚えるのが大変だと感じていました。でも「毎日」と書いてあるなら、名前に「デイリー」が付いているデイリースクラムでしょうか。
講師講師
そのとおりで、正解はデイリースクラムです。ただ、名前だけで決めずに、ほかのイベントがいつ行われるかも確かめておきましょう。各イベントを「いつ・どのくらいの頻度で行うか」で分けると、迷わずに絞り込めます。
受験者受験者
スプリントプランニングは、名前からするとスプリントの最初に計画を立てるイベントですか。
講師講師
はい。スプリントの開始時に、スプリントの目標、取り組むバックログ項目、作業の進め方を決めます。バックログ項目は、やるべき作業や機能の一覧に並んだものだと考えてください。スプリントごとに1回なので、毎日ではありません。
受験者受験者
スプリントレビューとスプリントレトロスペクティブは、どちらも終わりに行うものでしょうか。違いがよく分かりません。
講師講師
どちらもスプリントの終了時に1回行うので、混同しやすいところです。見分けるには、何を検査するのかに注目します。スプリントレビューは成果物、つまりプロダクトを検査する場で、ステークホルダー(利害関係者)に成果を見せてフィードバックをもらい、今後の方針を調整します。スプリントレトロスペクティブは振り返りという意味で、チームの進め方、つまりプロセスを見直して、次のスプリントに向けた改善策を話し合います。
受験者受験者
レビューは作ったものを見て、レトロスペクティブは作り方を見直すのですね。どちらも日々の進捗を共有する場ではないということですか。
講師講師
そうです。対象はスプリント全体の成果や進め方なので、毎日の作業とは目的も頻度も違います。一方、デイリースクラムはスプリント中に毎日、ふつうは同じ時間・同じ場所で短く行い、スプリントゴールに向けた進捗を確かめて次の作業計画を調整します。問題文の説明にそのまま当てはまります。
受験者受験者
整理すると、開始時がプランニング、終了時がレビューとレトロスペクティブ、毎日がデイリースクラムですね。
講師講師
よくまとまっています。補足すると、デイリースクラムはふつう15分程度と時間を区切って行います。上司への進捗報告会ではなく、チームの中で状況をそろえるための場だという点も押さえておきましょう。進め方の例として、各自が「昨日やったこと・今日やること・困っていること」を話す形がよく使われてきました。
講師講師
なお、現行のスクラムガイドでは「開発チーム」という呼び方がなくなり、「開発者」と呼ぶようになっています。デイリースクラムも主に開発者のためのイベントとされています。先ほどの3つの質問は、もともと例として挙げられていた形式で、現行版ではその記述がなくなり、進め方はチームが選べます。問題文は出題当時の用語のままなので、本番で古い言い方が出ても慌てないようにしましょう。

まとめ

スクラムのスプリントで行うイベントは、スプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブの4つです。プランニングはスプリントの開始時に、レビューとレトロスペクティブは終了時に1回ずつ行い、毎日行うのはデイリースクラムだけです。デイリースクラムはふつう毎日同じ時間・同じ場所で短く行い、スプリントゴールに向けた進捗を確かめて作業計画を調整します。レビューは成果物を、レトロスペクティブはチームの進め方を検査する、という違いで見分けると混同しにくくなります。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

スクラムでスプリントの中に行うイベントのうち、毎日同じ時間・同じ場所でチーム全員が進捗と作業計画を共有するものはどれかを問う問題です。

解き方の考え方

各イベントを「いつ・どのくらいの頻度で行うか」で分けると、すぐに絞り込めます。スプリントプランニングはスプリントの開始時に1回、スプリントレビューとスプリントレトロスペクティブは終了時に1回行うイベントです。問題文の「毎日」に当てはまるのは、名前に「デイリー」が付くデイリースクラムだけです。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  スプリントプランニング
    アのスプリントプランニングは、スプリントの開始時に行う計画のイベントです。スプリントの目標、取り組むバックログ項目、作業の進め方を決めます。スプリントごとに1回行うもので、毎日行うものではありません。
  2. ×イ  スプリントレトロスペクティブ
    イのスプリントレトロスペクティブは、スプリントの終了時にチームの進め方を振り返るイベントです。次のスプリントに向けた改善策を話し合う場で、毎日の進捗共有とは目的も頻度も違います。
  3. ×ウ  スプリントレビュー
    ウのスプリントレビューは、スプリントの終了時に成果物を検査するイベントです。ステークホルダーに成果を示し、フィードバックをもらって今後の方針を調整します。対象は日々の作業ではなく、スプリント全体の成果です。
  4. ○エ  デイリースクラム
    エのデイリースクラムは、スプリント中に毎日行う短時間のイベントで、ふつうは毎日同じ時間・同じ場所で開きます。チームのメンバーがスプリントゴールに向けた進捗を確かめ、次の作業計画を調整します。問題文の説明にそのまま当てはまります。

補足

デイリースクラムは、ふつう15分程度と時間を区切って行います。上司に進捗を報告する会ではなく、チームの中で状況をそろえるための場です。昔からよく使われてきたのは、各自が「昨日やったこと・今日やること・困っていること」を話す進め方です。レビューとレトロスペクティブはどちらもスプリントの終わりに行うので混同しやすく、何を検査するのか(成果物か、進め方か)で見分けるのがよいでしょう。
※現行のスクラムガイドでは「開発チーム」という呼び方がなくなり、「開発者」という言い方になりました。デイリースクラムも主に開発者のためのイベントとされています。また、「昨日・今日・障害」の3つの質問は必須の形式ではなくなり、進め方はチームが選べます。問題文は出題当時の用語のまま載せています。

POINT

  • スプリントは、スクラムで開発を繰り返すときの1回分の単位です。
  • スプリントの中のイベントは、プランニング、デイリースクラム、レビュー、レトロスペクティブの4つです。
  • プランニングは開始時に、レビューとレトロスペクティブは終了時に行い、毎日行うのはデイリースクラムだけです。
  • レビューは成果物(プロダクト)を検査し、レトロスペクティブはチームの進め方(プロセス)を振り返ります。

※出典:令和6年度 基本情報技術者試験 科目A 問12