スクラムでプロダクトバックログの中身と順番を決めるのは誰か
基本情報技術者試験 令和7年度 問13 / ソフトウェア開発管理技術 › 開発プロセス・手法
過去問にチャレンジ
アジャイル開発手法の一つであるスクラムにおいて,プロダクトバックログアイテムの内容や並び順を決定する役割をもつのは誰か。
- ア
開発者
- イ
顧客
- ウ
スクラムマスタ
- エ
プロダクトオーナ
会話形式の解説
講師今回はスクラムの問題です。プロダクトバックログ、つまり製品に入れる機能や改善などの「やることリスト」について、中身と並び順を決めるのは誰かが問われています。スクラムで定められている立場は三つだけ、という点に注目してください。
受験者三つというと、開発者、スクラムマスタ、プロダクトオーナですね。そうなると、選択肢にある顧客はスクラムの立場には入らないということでしょうか。
講師そのとおりです。顧客は製品への要求を伝える利害関係者で、スクラムが定める責任の名称には含まれません。要望は出しますが、顧客という立場だけで、プロダクトバックログの内容や並び順を決める最終責任を持つことはありません。
受験者次はスクラムマスタです。名前に「マスタ」と付いていて一番偉そうに見えるので、優先順位も決めるのかと思っていました。
講師そこがよくある誤解です。スクラムマスタは、チームがスクラムを理解して実践できるように助ける立場です。チームの作業を妨げる障害を取り除く支援もします。ただ、プロダクトバックログの内容や順序を決める責任は持ちません。
受験者では開発者はどうでしょうか。実際に作る立場なので、何から作るかを決めても良さそうに思えます。
講師開発者が担うのは、製品の実装と、スプリントバックログの計画や更新です。スプリントバックログは、一定期間の開発サイクルであるスプリントの中で取り組む作業の計画です。製品全体のプロダクトバックログの中身と順番を決める最終責任は、開発者にはありません。
受験者そうなると、残るのはプロダクトオーナですね。製品の持ち主のような立場だから、何を優先するかを決めるのでしょうか。
講師はい。プロダクトオーナは製品の価値を最大化する責任を負います。そのため、プロダクトバックログアイテムの内容に責任を持ち、並び順も決めます。管理の作業を他の人に任せることはできますが、その場合も最終責任はプロダクトオーナに残ります。
受験者整理すると、プロダクトバックログはプロダクトオーナ、スプリントバックログは開発者、スクラムの実践と障害の解消の支援はスクラムマスタ、ということですね。
講師よく整理できています。二つのバックログは名前が似ていますが、管理の責任を担う人が違うので、区別して覚えておきましょう。なお、問題文では「役割」と書かれていますが、現在のスクラムガイドではこの三つを「責任」と呼んでいます。呼び方が変わっても、答えの考え方は同じです。
まとめ
スクラムで定められている責任は、開発者、スクラムマスタ、プロダクトオーナの三つで、顧客はこれに含まれません。プロダクトバックログアイテムの内容と並び順を決めるのは、製品の価値を最大化する責任を負うプロダクトオーナです。管理の作業を他の人に任せても、最終責任はプロダクトオーナに残ります。開発者は製品の実装とスプリントバックログの計画や更新を担い、スクラムマスタはスクラムの実践と障害の解消を支援します。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
スクラムで、プロダクトバックログアイテムの内容と並び順を決める責任を負うのは誰かを問う問題です。
解き方の考え方
スクラムで定められている責任は、開発者、スクラムマスタ、プロダクトオーナの三つです。まず、選択肢の中にこの三つに含まれないものがないかを確認します。次に、残った三者がそれぞれ何を担当するかを思い出します。プロダクトの価値を最大化する立場の人が、プロダクトバックログの中身と順序を決めます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 開発者開発者が担うのは、製品の実装と、スプリントバックログの計画や更新です。プロダクトバックログの内容や並び順を決める最終責任は、開発者にはありません。
- ×イ 顧客顧客は、製品への要求を伝える利害関係者です。スクラムが定める責任の名称には含まれません。顧客という立場そのものには、プロダクトバックログの内容や並び順を決める最終責任はありません。
- ×ウ スクラムマスタスクラムマスタは、チームがスクラムを理解して実践できるように助けます。また、チームの障害を取り除くための支援も行います。プロダクトバックログの内容や順序を決める責任は持ちません。
- ○エ プロダクトオーナプロダクトオーナは、製品の価値を最大化する責任を負います。そのため、プロダクトバックログアイテムの内容に責任を持ち、並び順も決めます。管理の作業を他の人に任せることはできますが、その場合も最終責任はプロダクトオーナに残ります。
補足
プロダクトバックログには、機能の追加や改善、修正などの項目が含まれます。管理の作業を他の人に任せても、最終責任はプロダクトオーナに残ります。プロダクトバックログとスプリントバックログでは、管理の責任を担う人が異なるため、区別して覚えましょう。
※問題文では「役割」と書かれていますが、現在のスクラムガイドでは、開発者、スクラムマスタ、プロダクトオーナを「役割」ではなく「責任」と呼んでいます。呼び方が変わっても、プロダクトバックログの内容と並び順に責任を負うのがプロダクトオーナである点は同じです。
POINT
- スクラムで定められている責任は、開発者、スクラムマスタ、プロダクトオーナの三つです。
- プロダクトオーナは製品の価値を最大化する立場で、プロダクトバックログの内容と並び順を決めます。
- 開発者は製品の実装を担い、スプリントバックログの計画と更新を受け持ちます。
- スクラムマスタはスクラムの実践と障害の解消を支援する立場で、プロダクトバックログの内容や並び順を決める最終責任は持ちません。
