マナビング基本情報技術者

LAN間接続装置は動作する層と使うアドレスで整理する

基本情報技術者試験 令和6年度 問8 / ネットワーク › データ通信と制御

過去問にチャレンジ

令和6年度 問8

LAN間接続装置に関する記述のうち,適切なものはどれか。

  1. ア

    ゲートウェイは,OSI基本参照モデルにおける第1~3層だけのプロトコルを変換する。

  2. イ

    ブリッジは,IPアドレスを基にしてフレームを中継する。

  3. ウ

    リピータは,同種のセグメント間で信号を増幅することによって伝送距離を延長する。

  4. エ

    ルータは,MACアドレスを基にしてフレームを中継する。

会話形式の解説

講師講師
今回は、LAN同士をつなぐ4つの装置の問題です。リピータ、ブリッジ、ルータ、ゲートウェイについて、OSI基本参照モデルのどの層で動くのか、何を手がかりに中継するのかを組にして見ていきます。
受験者受験者
ブリッジとルータがどちらも「アドレスを見て中継する」というのは覚えています。ただ、どちらがMACアドレスでどちらがIPアドレスだったか、いつも迷ってしまいます。
講師講師
そこがこの問題の中心です。ブリッジはデータリンク層、つまり第2層の装置で、MACアドレスを見てフレームを中継します。ルータはネットワーク層、第3層の装置で、IPアドレスを使います。
受験者受験者
そうすると、ブリッジがIPアドレスを基に中継するという選択肢は誤りですね。IPアドレスは第3層の情報なので、ブリッジは使わないということですか。
講師講師
そのとおりです。ルータがMACアドレスを基に中継するという選択肢も、ちょうど逆になっているので誤りです。ルータは、IPアドレスとルーティングテーブル(宛先ごとの転送先をまとめた表)で転送先を決めます。
受験者受験者
でも、ルータもフレームを送り出すときにはMACアドレスを使いますよね。そこで「MACアドレスを基に」と言えてしまう気がします。
講師講師
いいところに気づきました。ルータは次の機器へ送るときに、MACアドレスを付けたフレームを作り直します。ただし、どこへ中継するかを判断する材料はIPアドレスです。何を基に中継するかを問われたら、IPアドレスと答えます。
受験者受験者
ゲートウェイが第1~3層だけのプロトコルを変換するという選択肢は、どう考えればよいですか。
講師講師
ゲートウェイは、プロトコル体系の違うネットワーク同士をつなぐために、プロトコルやデータ形式を変換する装置です。変換の対象は第1~3層に限られず、上位層も含みます。「だけ」と範囲を狭めているところが誤りです。
受験者受験者
残るのはリピータですね。同種のセグメント間で信号を増幅して、伝送距離を延ばすという説明でした。
講師講師
それが正解です。リピータは物理層、第1層の装置です。ケーブルを伝わるうちに弱くなった信号を増幅・整形して送り出します。アドレスは見ず、同じ種類のセグメント同士を接続します。
受験者受験者
整理すると、第1層がリピータで信号の増幅、第2層がブリッジでMACアドレス、第3層がルータでIPアドレス、上位層まで含めて変換するのがゲートウェイ、ということですね。
講師講師
よくまとまっています。この分野では、ブリッジとルータのアドレスを入れ替えた選択肢がよく出ます。「第2層=MACアドレス、第3層=IPアドレス」と組にして覚えておくと迷いません。ゲートウェイを下位層だけの装置として説明する選択肢も、よくある引っかけです。

まとめ

LAN間接続装置は、OSI基本参照モデルのどの層で動き、何を手がかりに中継するかで区別します。リピータは第1層で信号を増幅・整形して伝送距離を延ばし、ブリッジは第2層でMACアドレスを、ルータは第3層でIPアドレスを基に中継します。ゲートウェイはプロトコル体系の異なるネットワーク間で、上位層まで含めてプロトコルやデータ形式を変換します。ブリッジとルータのアドレスを入れ替えた選択肢や、ゲートウェイの変換範囲を狭めた選択肢は典型的な引っかけです。

解答・解説

正解はウです

この問題のテーマ

LAN同士をつなぐ装置(リピータ・ブリッジ・ルータ・ゲートウェイ)について、それぞれがOSI基本参照モデルのどの層で動き、何を手がかりに中継するのかを問う問題です。

解き方の考え方

まず4つの装置を、動作する層と中継の手がかりで整理します。リピータは第1層で信号を増幅するだけの装置です。ブリッジは第2層でMACアドレスを、ルータは第3層でIPアドレスを使います。ゲートウェイは上位層まで含めてプロトコルを変換します。この対応表と各選択肢を照らし合わせると、層やアドレスの組合せが入れ替わっている選択肢を順に外せます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  ゲートウェイは,OSI基本参照モデルにおける第1~3層だけのプロトコルを変換する。
    ゲートウェイが「第1~3層だけ」のプロトコルを変換するという説明は誤りです。ゲートウェイは、プロトコル体系が異なるネットワーク同士をつなぐため、プロトコルやデータ形式を変換する装置です。変換の対象は第1~3層に限られず、トランスポート層より上の層も含みます。
  2. ×イ  ブリッジは,IPアドレスを基にしてフレームを中継する。
    ブリッジが「IPアドレス」を基にフレームを中継するという説明は誤りです。ブリッジはデータリンク層(第2層)で動く装置で、MACアドレスを見てフレームを中継します。IPアドレスはネットワーク層(第3層)の情報なので、ブリッジは使いません。
  3. ○ウ  リピータは,同種のセグメント間で信号を増幅することによって伝送距離を延長する。
    リピータが同種のセグメント間で信号を増幅して伝送距離を延ばすという説明は正しいです。リピータは物理層(第1層)で動き、ケーブルを伝わるうちに弱くなった信号を増幅・整形して送り出します。アドレスは見ずに電気信号をそのまま再生するだけなので、つなげるのは同じ種類のセグメント同士です。
  4. ×エ  ルータは,MACアドレスを基にしてフレームを中継する。
    ルータが「MACアドレス」を基に中継するという説明は誤りです。ルータはネットワーク層(第3層)で動き、IPアドレスとルーティングテーブルを使って転送先を決めます。次の機器へ送り出すときにMACアドレス付きのフレームを作り直しますが、中継先の判断に使うのはIPアドレスです。

補足

この分野では、ブリッジとルータが使うアドレス(MACアドレスとIPアドレス)を入れ替えた選択肢がよく出ます。「第2層=MACアドレス、第3層=IPアドレス」と層とアドレスを組にして覚えておくと、迷わずに見分けられます。また、ゲートウェイを下位層の装置として説明する選択肢も、典型的な引っかけです。

POINT

  • リピータは第1層の装置で、信号を増幅・再生して伝送距離を延ばします。
  • ブリッジは第2層の装置で、MACアドレスを基にフレームを中継します。
  • ルータは第3層の装置で、IPアドレスを基に経路を選んで中継します。
  • ゲートウェイは、プロトコル体系の異なるネットワーク間で、上位層まで含めてプロトコルやデータ形式を変換します。

※出典:令和6年度 基本情報技術者試験 科目A 問8