回線利用率の計算で制御情報とビット換算をどう扱うか
基本情報技術者試験 令和7年度 問7 / ネットワーク › ネットワーク方式
過去問にチャレンジ
1Gバイトの動画データを40Mビット/秒の回線を使用してダウンロードしたところ,5分掛かった。このときの回線利用率はおよそ何%か。ここで,ダウンロード時には動画データに20%の制御情報が付加されるものとする。
- ア
10
- イ
53
- ウ
67
- エ
80
会話形式の解説
講師今回は回線利用率の計算です。注目点は二つあります。データ量がバイト、回線速度がビットで書かれていることと、制御情報が付加されることです。
受験者回線利用率は、実際に送った量を回線が送れる最大量で割る、という理解で合っていますか。
講師合っています。同じ時間で比べるので、まず回線が5分間で送れる最大量から出してみましょう。
受験者5分は300秒なので、40Mビット/秒×300秒で12,000Mビットです。
講師そうです。次は実際に送った量です。1Gバイトをビットに直すとどうなりますか。
受験者1Gバイトは1,000Mバイトで、1バイトは8ビットなので8,000Mビットです。これを12,000で割ると約67%になりますが、これで答えでしょうか。
講師そこが引っかけです。67%は制御情報を考えずに動画本体だけで計算した値です。制御情報とは、通信を正しく行うためにデータに付け足される管理用の情報のことです。
受験者20%付加されるので、8,000の1.2倍で9,600Mビットですね。9,600÷12,000で0.8、つまり80%です。
講師正解です。念のためバイト単位でも検算しましょう。1.2Gバイトを300秒で送ったので実効速度は4Mバイト/秒、回線速度40Mビット/秒は8で割って5Mバイト/秒です。4÷5で同じく80%になります。
受験者53%はどこから出る値ですか。計算が苦手なので、どこで間違えやすいか知っておきたいです。
講師制御情報の20%を差し引いて、8,000×0.8=6,400Mビットとしてしまうと、6,400÷12,000で約53%になります。制御情報は上乗せされるものなので、減らすのは誤りです。
受験者10%のほうは、8倍の換算を忘れて1,000Mビットとしてしまったときの値でしょうか。
講師そのとおりです。1,000×1.2÷12,000で0.1になります。そもそも10%では12,000の1割、1,200Mビットしか送れず、動画本体の8,000Mビットにも届きません。
受験者まとめると、単位をビットにそろえて、制御情報で1.2倍し、時間を秒に直して最大転送量で割る、という手順ですね。
講師はい。誤りの選択肢は、8倍の換算忘れ、制御情報の差し引き、制御情報の無視というよくあるミスで出る値です。答えが選択肢にあっても安心せず、別の単位で検算すると確実です。また、この問題と同じ式を変形すれば、転送時間や必要な回線速度を求める問題も解けます。
まとめ
回線利用率は、実際の転送量を同じ時間に回線が送れる最大量で割って求めます。1Gバイトは8,000Mビットで、制御情報20%を加えると9,600Mビットになります。40Mビット/秒の回線が300秒で送れる最大量は12,000Mビットなので、利用率は80%です。誤りの選択肢の値は、8倍換算の忘れ、制御情報の差し引き、制御情報の無視で出てきます。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
制御情報が付加されたデータを転送したときの回線利用率を求める計算問題です。バイトとビットの単位換算が正しくできるかが問われています。
解き方の考え方
回線利用率は「実際に送った量 ÷ その時間に回線が送れる最大量」で求めます。まず単位をビットにそろえ、1Gバイト=1,000Mバイト=8,000Mビットとします。制御情報20%が付加されるので、実際の転送量は8,000×1.2=9,600Mビットです。40Mビット/秒の回線が5分(300秒)で送れる最大量は40×300=12,000Mビットなので、9,600÷12,000=0.8となり、利用率は80%です。検算としてバイト単位でも計算すると、実効速度は1.2Gバイト÷300秒=4Mバイト/秒、回線速度40Mビット/秒は40÷8=5Mバイト/秒なので、4÷5=0.8で80%となり、正解のエと一致します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 1010%のときに回線が送れる量は12,000×0.1=1,200Mビットだけで、動画本体の8,000Mビットにも届きません。1Gバイトを8倍せずに1,000Mビットとしてしまうと、1,000×1.2÷12,000=0.1となってこの値が出ます。バイトをビットに換算するときは8倍が必要です。
- ×イ 53制御情報20%を差し引いてしまい、8,000×0.8=6,400Mビットとすると、6,400÷12,000≒0.53となってこの値になります。制御情報は転送量に上乗せされるものなので、減らすのは誤りです。
- ×ウ 6767%は、制御情報を考えずに動画本体の8,000Mビットだけを12,000Mビットで割った値(約0.67)です。問題文には制御情報が付加されると書かれているので、転送量は1.2倍にして計算する必要があります。
- ○エ 80制御情報込みの転送量9,600Mビットを、300秒間の最大転送量12,000Mビットで割ると0.8になり、80%です。バイト単位で実効速度4Mバイト/秒を回線速度5Mバイト/秒で割っても、同じく80%になります。
補足
誤りの選択肢は、8倍の換算を忘れる、制御情報を差し引く、制御情報を無視する、というよくあるミスで出る値になっています。計算結果が選択肢にあっても安心せず、別の単位でもう一度計算して確かめると確実です。この問題のように、転送時間を求める問題や、必要な回線速度を求める問題も同じ式を変形すれば解けます。
POINT
- 回線利用率は、実際の転送量を、同じ時間に回線が送れる最大量で割って求めます。
- 1バイトは8ビットなので、計算の前に必ずどちらかの単位にそろえます。
- 制御情報が○%付加されるときは、転送量を(1+○/100)倍にします。
- 時間は秒に直し(5分=300秒)、回線速度(ビット/秒)と掛け合わせて最大転送量を出します。
