財務報告の内部統制に関わる部門はどう決まるか
ITパスポート試験 令和2年度10月 問52 / システム監査 › 内部統制
過去問にチャレンジ
情報システム部門が受注システム及び会計システムの開発・運用業務を実施している。受注システムの利用者は営業部門であり,会計システムの利用者は経理部門である。財務報告に係る内部統制に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア
内部統制は会計システムに係る事項なので,営業部門は関与せず,経理部門と情報システム部門が関与する。
- イ
内部統制は経理業務に係る事項なので,経理部門だけが関与する。
- ウ
内部統制は財務諸表などの外部報告に影響を与える業務に係る事項なので,営業部門,経理部門,情報システム部門が関与する。
- エ
内部統制は手作業の業務に係る事項なので,情報システム部門は関与せず,営業部門と経理部門が関与する。
会話形式の解説
講師財務報告に係る内部統制では、財務情報がどこで生まれ、どう処理されるかをたどることが大切です。
受験者「財務報告」とあるので、経理部門と会計システムだけを考えていました。
講師受注情報は売上などの財務情報の基礎になります。受注システムを使う営業部門も関わります。
受験者では、会計システムに関わる部門だけに限る考え方では、営業部門を見落としますね。
講師そのとおりです。経理部門だけに限る考え方も、営業部門の受注業務とシステムによる処理を見落としています。
受験者情報システム部門は、両方のシステムを開発・運用しています。手作業ではない処理にも内部統制は必要ですか。
講師必要です。システム上の処理も統制の対象なので、情報システム部門を除く考え方は適切ではありません。
受験者財務報告に影響する業務を受注から会計までたどると、営業部門、経理部門、情報システム部門のすべてが関わりますね。
講師はい。その三つの部門が関与するとした記述が正解です。
受験者「財務報告」という言葉だけで経理部門に絞らず、情報の発生と処理を確かめればよいのですね。
講師その見方が要点です。会計システムだけに対象を狭めたり、手作業だけを対象と考えたりしないようにしましょう。
まとめ
財務報告に係る内部統制は、財務報告に影響する業務を対象にします。受注情報は売上などの財務情報の基礎になるため、営業部門も関与します。システム上の処理も統制の対象なので、両システムの開発・運用を担う情報システム部門も関わります。この問題の正解はウです。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
財務報告に係る内部統制に、どの業務と部門が関わるかを問う問題です。
解き方の考え方
会計システムだけでなく、財務報告の基礎となる情報がどこで作られ、どう処理されるかをたどります。受注情報は売上などの財務情報につながります。また、システムによる処理も統制の対象です。この二点から、関与する部門を判断します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 内部統制は会計システムに係る事項なので,営業部門は関与せず,経理部門と情報システム部門が関与する。会計システムに関わる部門だけに対象を限っている点が誤りです。営業部門が扱う受注情報も財務報告に影響するため、営業部門が関与します。
- ×イ 内部統制は経理業務に係る事項なので,経理部門だけが関与する。経理部門だけが関与するとしている点が誤りです。財務報告に関わる情報は、営業部門の受注業務からも生じ、情報システムでも処理されます。
- ○ウ 内部統制は財務諸表などの外部報告に影響を与える業務に係る事項なので,営業部門,経理部門,情報システム部門が関与する。財務報告に影響する業務を、受注から会計まで捉えています。営業部門、経理部門に加え、両システムの開発・運用を担う情報システム部門も関与するので、これが正解です。
- ×エ 内部統制は手作業の業務に係る事項なので,情報システム部門は関与せず,営業部門と経理部門が関与する。統制の対象を手作業に限っている点が誤りです。システム上の処理にも統制が必要なので、情報システム部門を除くことはできません。
補足
「財務報告」という言葉から経理部門だけを選ばないようにします。情報の発生から会計処理までをたどり、関わる部門を確認するのが解き方の要点です。
POINT
- 財務報告に係る内部統制は、財務報告に影響する業務を対象にします。
- 受注情報は売上などの財務情報の基礎になります。
- 手作業だけでなく、情報システムによる処理も統制の対象です。
