要配慮個人情報とは?人種・社会的身分との混同に注意
ITパスポート試験 令和4年度 問27 / 法務 › セキュリティ関連法規
過去問にチャレンジ
個人情報保護法で定められた、特に取扱いに配慮が必要となる“要配慮個人情報” に該当するものはどれか。
- ア
学歴
- イ
国籍
- ウ
資産額
- エ
信条
会話形式の解説
講師今回は、個人情報の中から「要配慮個人情報」に当たるものを選ぶ問題です。要配慮個人情報とは、不当な差別や偏見につながらないよう、特に配慮が必要な個人情報のことです。判断の基準は「重要そうかどうか」ではなく、「法律で決められた項目に入っているかどうか」です。
受験者選択肢はどれも他人に知られたくない情報に見えます。私は、漏れたときの被害が大きそうな資産額が一番それらしいと思いました。
講師資産額は個人情報にはなり得ますし、漏えいしたときの被害も大きいので、慎重に管理すべき情報です。ただ、要配慮個人情報の項目には入っていません。そのため、法律上の扱いは通常の個人情報になります。
受験者漏れると困るかどうかで決めてはいけないのですね。では、法律で決められている項目にはどんなものがありますか。
講師主な項目は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実です。個人情報保護法の第2条第3項に定められています。この一覧と選択肢を照らし合わせれば、答えが決まります。
受験者その中に信条があります。ただ、信条という言葉の意味がはっきり分かっていません。
講師信条は、宗教や政治的な信念など、個人の思想や信念のことです。法律にはっきり書かれている項目なので、信条が正解になります。
受験者国籍は人種に近い気がします。人種の一部として扱われないのでしょうか。
講師そこもよく混同されます。国籍と人種は別のもので、ガイドラインでは、単に国籍が分かるだけの情報は人種に含まれないとされています。国籍は個人情報にはなり得ますが、要配慮個人情報ではありません。
受験者学歴はどうですか。社会的身分という項目に当てはまるように思えます。
講師これも同じ種類の引っかけです。ガイドラインでは、学歴や職業上の地位は社会的身分に含まれないとされています。学歴は通常の個人情報です。
受験者まとめると、資産額は重要でも項目に入っておらず、国籍は人種と別で、学歴は社会的身分に含まれない、そして信条だけが法律の項目そのもの、ということですね。
講師その理解で合っています。補足すると、障害があること、健康診断などの結果、刑事手続や少年保護事件の手続を受けた事実も要配慮個人情報に入ります。また、要配慮個人情報を取得するときは、法令で認められた例外を除き、前もって本人の同意を得る必要があります。この点もあわせて押さえておきましょう。
まとめ
要配慮個人情報は、不当な差別や偏見を生まないよう特に配慮が必要な個人情報として、個人情報保護法第2条第3項で項目が定められています。主な項目は人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実で、この問題では信条が該当します。国籍は人種に、学歴は社会的身分に含まれないとされ、資産額は漏れると困る情報でも項目に入っていないため対象外です。判断の基準は「重要かどうか」ではなく「法律で決められた項目かどうか」です。要配慮個人情報を取得するときは、法令で認められた例外を除き、前もって本人の同意が必要です。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
個人情報の中から、法律で「特に配慮が必要」と決められた「要配慮個人情報」を選ぶ問題です。大事そうに見える情報ではなく、法律に書かれた項目かどうかで見分けます。
解き方の考え方
最初に、要配慮個人情報は法律で項目が決められた情報だと確かめます。不当な差別や偏見につながらないよう、特に配慮が必要とされているからです。次に、各選択肢を「重要か」「漏れると困るか」ではなく、法律の項目と照らします。項目は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実などです。この項目に入っている選択肢が答えになります。
選択肢ごとの解説
- ×ア 学歴アの学歴は通常の個人情報で、要配慮個人情報には当たりません。「社会的身分」と混同しやすいですが、ガイドラインでは学歴や職業上の地位は社会的身分に含まれないとされています。
- ×イ 国籍イの国籍は個人情報になり得ますが、要配慮個人情報の項目には入っていません。項目にある「人種」と国籍は別のもので、単に国籍が分かるだけの情報は人種に含まれないとされています。
- ×ウ 資産額ウの資産額は個人情報になり得ますが、要配慮個人情報の項目ではありません。漏えいしたときの被害が大きいので慎重に管理すべき情報ではありますが、扱いは通常の個人情報です。
- ○エ 信条エの信条は、法律にはっきり書かれている要配慮個人情報の項目です。信条とは、宗教や政治的な信念など、個人の思想や信念のことを指します。
補足
国籍を「人種」に、学歴や職業を「社会的身分」に当てはめないよう注意が必要です。また、資産額や年収のように漏れると困る情報でも、法律で決められた項目に入っていなければ要配慮個人情報にはなりません。
POINT
- 要配慮個人情報は、不当な差別や偏見を生まないよう特に配慮が必要な個人情報として、個人情報保護法第2条第3項で定められています。
- 主な項目は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実です。
- 障害があること、健康診断などの結果、刑事手続や少年保護事件の手続を受けた事実も要配慮個人情報に入ります。
- 要配慮個人情報を取得するときは、法令で認められた例外を除き、前もって本人の同意を得る必要があります。
