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他社の技術を短期間で補う手段とアライアンスの見分け方

ITパスポート試験 令和4年度 問26 / 経営戦略マネジメント › 経営戦略手法

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令和4年度 問26

自社が保有していない技術やノウハウを,他社から短期間で補完するための手段として,適切なものはどれか。

  1. ア

    BPR

  2. イ

    アライアンス

  3. ウ

    インキュベーション

  4. エ

    ベンチマーキング

会話形式の解説

講師講師
今回は、自社に足りない技術やノウハウを補うための経営手段を選ぶ問題です。問題文の「他社から」「短期間で」「補完する」の3つに注目してください。
受験者受験者
選択肢がカタカナ語と略語ばかりで迷いました。ベンチマーキングも他社を参考にする手法だった気がして、これも当てはまりそうに思えます。
講師講師
そこがいちばん紛らわしいところです。ベンチマーキングは、優れた企業の事例や指標と自社を比べて、その結果を自社の改善に活かす分析手法です。他社を参考にはしますが、他社の技術そのものを手に入れるわけではありません。
受験者受験者
比べて学ぶだけなので、技術を実際に補えるわけではないということですね。
講師講師
そのとおりです。ですから「短期間で技術を補完する手段」とはいえません。次にBPRですが、これは何を見直す手法か覚えていますか。
受験者受験者
業務の流れを根本から作り直す手法だったと思います。それなら社内の改革なので、他社は関係しないということでしょうか。
講師講師
はい。BPRは、既存の組織や業務プロセスを抜本的に見直して再設計する手法です。改革の対象は自社内部の仕組みなので、「他社から補完する」には当てはまりません。
受験者受験者
インキュベーションは、新しい事業を育てるようなイメージがあります。
講師講師
そのイメージで合っています。インキュベーションは、起業家や新規事業が育つように、施設や資金の提供、経営相談、ノウハウの提供などで支援する取組です。目的は事業を育てることにあるので、自社に足りない技術を他社から短期間で補う手段ではありません。
受験者受験者
残ったアライアンスは、企業同士が手を組むことですよね。
講師講師
はい。アライアンスは業務提携のことで、企業同士がそれぞれ独立したまま連携し、互いの強みを生かして事業を進めます。提携先の技術やノウハウを使えるので、自社で一から開発するより短い期間で不足を補えます。これが正解です。
受験者受験者
整理すると、外部と組んで実際に技術を得られるのがアライアンス、社内改革がBPR、事業の育成支援がインキュベーション、比較・分析がベンチマーキングということですね。
講師講師
よく整理できています。補足すると、アライアンスは合併しないまま資源を共有できるのが特徴で、合併に比べて費用やリスクを抑えやすい手段です。企業そのものを一体化させる合併・買収とは区別して覚えておきましょう。また、「他社を参考にする」という言葉だけでベンチマーキングを選ばないように注意してください。

まとめ

自社にない技術やノウハウを他社から短期間で補う手段は、企業間の業務提携であるアライアンスです。アライアンスでは、各社が独立したまま互いの強みを持ち寄るため、合併に比べて費用やリスクを抑えやすいのが特徴です。BPRは自社の業務プロセスを抜本的に見直す内部改革の手法、インキュベーションは起業家や新規事業の育成を支援する取組です。ベンチマーキングは優れた他社と比較して自社の改善点を見つける分析手法で、他社の技術を取得するものではありません。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

自社に足りない技術やノウハウを、他社の力を借りて短期間で補う経営手段を選ぶ問題です。アライアンスと、BPR・インキュベーション・ベンチマーキングという似た経営用語の違いを問うています。

解き方の考え方

問題文の要点は「他社から」「短期間で」「補完する」の3つです。まず外部の企業と組む手段かどうかで選択肢を絞り、次に技術やノウハウを実際に得られるかを確かめます。自社内部の改革である手法と、比較・分析にとどまる手法を外していくと、企業間の提携であるアライアンスが残ります。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  BPR
    BPRの説明は、既存の組織や業務の流れを根本から見直して作り直す手法です。改革の対象は自社内部の仕組みで、他社から技術を取り入れる手段ではありません。そのため、問題文の「他社から補完する」には当てはまりません。
  2. ○イ  アライアンス
    アライアンスは、企業同士がそれぞれ独立したまま連携し、互いの強みを生かして事業を進める業務提携です。提携先の技術やノウハウを使えるので、自社で一から開発するより短い期間で不足を補えます。合併しなくても資源を共有できるため、費用やリスクも抑えられます。
  3. ×ウ  インキュベーション
    インキュベーションの説明は、起業家や新規事業が育つように支援する取組のことです。支援内容は施設や資金の提供、経営相談、ノウハウの提供などです。目的は事業を育てることにあり、自社に足りない技術を他社から短期間で補う手段ではありません。
  4. ×エ  ベンチマーキング
    ベンチマーキングの説明は、優れた企業の事例や指標と自社を比べ、その結果を自社の改善に活かす分析手法です。他社を参考にはしますが、他社の技術そのものを手に入れる提携ではありません。そのため、短期間で技術を補完する手段とはいえません。

補足

アライアンスは、合併しないまま資源を共有できる点が特徴です。企業そのものを一体化させる合併・買収とは区別して覚えておきましょう。ベンチマーキングは他社を参考にしますが、比較して自社の改善に活かす手法であり、他社の技術を取得する提携ではない点で区別しましょう。

POINT

  • アライアンスは企業間の提携のことで、各社が独立性を保ったまま互いの強みを持ち寄ります。
  • 他社の技術やノウハウを短期間で補いたいときは、提携によって外部の力を借りるアライアンスが有効です。
  • BPRは、自社の業務プロセスを抜本的に見直して再設計する内部改革の手法です。
  • インキュベーションは、起業家や新規事業の育成を支援する取組です。
  • ベンチマーキングは、優れた他社と比較して自社の改善点を見つける分析手法です。

※出典:令和4年度 ITパスポート試験 問26