情報システム戦略の責任者を役割の範囲から見分ける
ITパスポート試験 令和5年度 問7 / システム戦略 › 情報システム戦略
過去問にチャレンジ
経営戦略に基づいて策定される情報システム戦略の責任者として,最も適切なものはどれか。
- ア
CIO
- イ
基幹システムの利用部門の部門長
- ウ
システム開発プロジェクトマネージャ
- エ
システム企画担当者
会話形式の解説
講師この問題は、情報システム戦略の責任者を誰が務めるかを問うものです。問題文にある「経営戦略に基づいて」という言葉に注目してください。
受験者経営戦略に基づくということは、会社全体を見て判断できる立場の人が責任者になる、ということでしょうか。
講師そのとおりです。あとは各選択肢の役割が全社に及ぶのか、特定の部門やプロジェクト、実務に限られるのかを見分けます。
受験者CIOは聞いたことがあるのですが、似た略語が多くて、何の略だったか自信がありません。
講師CIOはChief Information Officerの略で、日本語では最高情報責任者といいます。経営戦略と整合する情報システム戦略をつくり、その実現に責任を負う役職です。IT投資計画の策定や、投資効果を最適化することも担っています。
受験者経営とITをつなぐ立場なのですね。基幹システムの利用部門の部門長も、システムに詳しい責任者のように感じたのですが、違いますか。
講師利用部門の部門長は、自部門での運用業務、業務要件の整理、利用管理に責任を持つ立場です。役割は自部門の範囲にとどまるので、全社の情報システム戦略を統括する立場ではありません。
受験者システム開発のプロジェクトマネージャも責任者ですが、扱うのは一つのプロジェクトということでしょうか。
講師はい。プロジェクトマネージャは個別の開発プロジェクトの責任者で、品質・コスト・納期などを管理してプロジェクトを成功させるのが役割です。全社の戦略策定や経営判断は、その役割の外にあります。
受験者システム企画担当者は、戦略をつくる作業そのものに関わりそうなので、少し迷いました。
講師企画担当者は、調査をして構想や計画を作成する実務担当者です。戦略づくりの作業に関わることはあっても、最終的な責任者ではありません。選択肢の中で、経営とITを結び付ける経営層の役職はCIOだけなので、正解はCIOです。
受験者利用部門長は自部門、プロジェクトマネージャは個別プロジェクト、企画担当者は実務、CIOは全社の経営レベル、と範囲で分けると整理しやすいですね。
講師よく整理できています。選択肢にはありませんが、似た略語のCTOとの違いも補足します。CTOは主に製品や技術開発の技術面を担当する役職で、情報システム戦略の責任者として問われるのはCIOです。また、CIOを置いていない組織では、社長や役員などの経営層がこの責任を担うことがあります。
まとめ
経営戦略に基づいて策定する情報システム戦略の責任者は、全社を見渡して経営判断ができる立場の人が担う必要があります。選択肢の中でこれに当たるのは、最高情報責任者であるCIO(Chief Information Officer)です。CIOは情報システム戦略の策定と実現に加えて、IT投資計画の策定や投資効果の最適化にも責任を持ちます。利用部門の部門長は自部門、プロジェクトマネージャは個別プロジェクト、システム企画担当者は実務を受け持つ立場なので、全社の戦略の責任者ではありません。なお、技術面を担当するCTOとは区別して覚えておきましょう。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
経営戦略にもとづいて策定する情報システム戦略について、その責任者はだれが適切かを問う問題です。全社のIT戦略を担う役職としてCIOを知っているかを確かめています。
解き方の考え方
「経営戦略に基づいて」という言葉に注目すると、責任者には全社を見渡して経営判断ができる立場が必要だとわかります。そのうえで、各選択肢の役割が全社レベルのものか、それとも特定の部門・プロジェクト・実務に限られたものかを見分けます。経営とITを結び付ける経営層の役職はCIOだけなので、アが正解になります。
選択肢ごとの解説
- ○ア CIOCIOはChief Information Officerの略で、日本語では最高情報責任者と呼ばれます。経営戦略と整合する情報システム戦略を策定し、その実現に責任を負う役職です。IT投資計画の策定や投資効果の最適化も担い、経営とITを結び付ける立場にあります。
- ×イ 基幹システムの利用部門の部門長基幹システムの利用部門の部門長は、自部門での運用業務や業務要件の整理、利用管理に責任を持つ立場です。役割は自部門の範囲にとどまり、全社の情報システム戦略を統括する立場ではありません。
- ×ウ システム開発プロジェクトマネージャシステム開発のプロジェクトマネージャは、個別の開発プロジェクトの責任者です。品質・コスト・納期などを管理してプロジェクトを成功させることが役割で、全社の戦略策定や経営判断は役割の外にあります。
- ×エ システム企画担当者システム企画担当者は、調査を行い、構想や計画を作成する実務担当者です。戦略づくりの作業に関わることはあっても、戦略の最終責任者ではありません。
補足
似た略語のCTOとの取り違えに注意しましょう。CTOは主に製品や技術開発の技術面を担当する役職で、情報システム戦略の責任者として問われるのはCIOです。また、CIOを置いていない組織では、社長や役員などの経営層がこの責任を担うことがあります。
POINT
- CIO(Chief Information Officer)は最高情報責任者のことで、情報システム戦略の責任者です。
- 情報システム戦略は経営戦略と整合させる必要があるため、経営層の立場にある人が責任を持ちます。
- CIOはIT投資計画の策定や投資効果の最適化にも責任を持ちます。
- 利用部門長は自部門、プロジェクトマネージャは個別プロジェクト、企画担当者は実務というように、役割の範囲で区別すると解きやすくなります。
