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デジタルディスラプションとDXなど似た用語の見分け方

ITパスポート試験 令和6年度 問29 / 経営戦略マネジメント › 経営戦略手法

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令和6年度 問29

ある企業が,顧客を引き付ける優れたUX(User Experience)やビジネスモデルをデジタル技術によって創出し,業界における従来のサービスを駆逐してしまうことによって,その業界の既存の構造が破壊されるような現象を表す用語として,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    デジタルサイネージ

  2. イ

    デジタルディスラプション

  3. ウ

    デジタルディバイド

  4. エ

    デジタルトランスフォーメーション

会話形式の解説

講師講師
今回は「デジタル〇〇」という似た用語の区別を問う問題です。問題文の中で、どんな現象が起きているかを表す言葉に注目してみましょう。
受験者受験者
「従来のサービスを駆逐」とか「既存の構造が破壊される」と書いてあります。デジタル技術で何かを変える話なので、私はデジタルトランスフォーメーションかなと思いました。
講師講師
そこが迷いやすいところです。デジタルトランスフォーメーション、略してDXは、企業がデータやクラウド、AI、IoTなどのデジタル技術を使って自社の事業や組織を変え、競争上の優位を築く取組のことです。
受験者受験者
自社を変える取組ということは、ほかの業界の既存サービスを追い出す現象そのものを指す言葉ではない、ということですか。
講師講師
そのとおりです。DXは企業自身が変わることに重点がある言葉です。今回の問題文は「業界の構造が破壊される現象」を表す用語を聞いているので、ずれがあります。
受験者受験者
では「破壊」に当たる言葉を探せばよいのですね。デジタルディスラプションの「ディスラプション」がそれでしょうか。
講師講師
はい。英語のdisruptionは「破壊・崩壊・混乱」という意味です。デジタルディスラプションは、デジタル技術による新しいサービスやビジネスモデルが急速に広まり、既存のビジネスや業界の構造を壊してしまう現象を指します。優れたUX、つまり利用者が体験する使いやすさや心地よさで従来のサービスを駆逐する、という問題文の内容に合うので、これが正解です。
受験者受験者
ディスラプションとディバイドは、カタカナだと似ていて私はよく混ざります。デジタルディバイドは何でしたか。
講師講師
デジタルディバイドは、ITを使える人と使えない人の間に生まれる格差、つまり情報格差のことです。社会の問題を表す言葉なので、業界構造の破壊とは関係がありません。
受験者受験者
残りのデジタルサイネージは、駅などで見かける画面の広告のことでしょうか。
講師講師
そうです。ディスプレイに広告や案内を表示する電子看板のことです。情報を見せるための手段なので、こちらも現象を表す言葉ではありません。
受験者受験者
整理すると、サイネージは表示手段、ディバイドは格差、DXは自社の変革、ディスラプションは業界を壊す現象、ということですね。
講師講師
よくまとまっています。典型例としては、ネット書店が広まって街の書店が影響を受けたことや、動画配信サービスがレンタル店に取って代わったことがよく挙げられます。DXと混同しやすいので、「自社を変える取組」か「業界を壊す現象」かという視点で見分けるようにしましょう。

まとめ

デジタル技術による新しいサービスやビジネスモデルが既存の業界構造を壊してしまう現象は、デジタルディスラプションと呼ばれます。disruptionは「破壊・崩壊・混乱」を意味するので、問題文の「駆逐」「破壊」と結び付けると覚えやすくなります。似た用語は、デジタルサイネージが電子看板という表示手段、デジタルディバイドがITを使える人と使えない人の格差、DXが企業が自社の事業や組織を変える取組です。特にDXとの区別は「自社を変える取組」か「業界を壊す現象」かという視点で見分けましょう。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

デジタル技術を使った新しいサービスやビジネスモデルが既存の業界構造を壊してしまう現象を何と呼ぶかを問う問題です。「デジタル〇〇」という似た用語を区別できるかが試されます。

解き方の考え方

問題文で最も大事なのは「従来のサービスを駆逐」「既存の構造が破壊される」という部分です。英語の disruption は「破壊・崩壊・混乱」という意味なので、この語を含む用語を選べば答えにたどり着けます。そのうえで、ほかの選択肢がそれぞれ何を指しているか(表示手段、格差、企業の変革)を確かめ、どれも「破壊する現象」には当たらないことを確認すると確実です。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  デジタルサイネージ
    アのデジタルサイネージは、ディスプレイに広告や案内を表示する電子看板のことです。情報を見せるための手段であり、業界構造が壊される現象を表す言葉ではありません。
  2. ○イ  デジタルディスラプション
    イのデジタルディスラプションは、デジタル技術による新しいサービスやビジネスモデルが急速に広まり、既存のビジネスや業界の構造を壊してしまう現象を指します。優れたUXやビジネスモデルで従来のサービスを駆逐するという問題文の内容に合っているので、これが正解です。
  3. ×ウ  デジタルディバイド
    ウのデジタルディバイドは、ITを使える人と使えない人の間に生まれる格差のことです。情報格差という社会の問題を表す言葉なので、業界構造の破壊とは関係がありません。
  4. ×エ  デジタルトランスフォーメーション
    エのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業がデータやクラウド、AI、IoTなどのデジタル技術を使って自社の事業や組織を変え、競争上の優位を築く取組です。企業自身が変わることに重点がある言葉で、ほかの業界の既存サービスを駆逐する現象そのものを指すわけではありません。

補足

デジタルディスラプションの典型例は、新しく参入した企業が便利で安いサービスを出したことで、従来の事業者が市場を失うケースです。ネット書店が広まって街の書店が影響を受けたことや、動画配信サービスがレンタル店に取って代わったことなどがよく挙げられます。また、DXとデジタルディスラプションは混同しやすいので、「自社を変える取組」か「業界を壊す現象」かという視点で見分けましょう。

POINT

  • デジタルディスラプションは、デジタル技術による新しいサービスやビジネスモデルが既存の業界構造を壊す現象のことです。
  • ディスラプション(disruption)は「破壊・崩壊・混乱」を意味する言葉で、キーワードの「破壊」「駆逐」と結び付けて覚えると便利です。
  • デジタルサイネージは電子看板、デジタルディバイドはITを使える人と使えない人の格差を指します。
  • DXは企業が自らデジタル技術で事業や組織を変える取組であり、業界の破壊現象とは別の概念です。

※出典:令和6年度 ITパスポート試験 問29