自社の経営資源を評価する手法とSWOT・PPMの違い
ITパスポート試験 令和7年度 問4 / 経営戦略マネジメント › 経営戦略手法
過去問にチャレンジ
投資の優先度などの経営の戦略を策定するために,経済価値,希少性,模倣困難性及び組織の四つの要素で評価することによって,自社のもつ資源を分析する手法として,最も適切なものはどれか。
- ア
4P
- イ
PPM
- ウ
SWOT分析
- エ
VRIO分析
会話形式の解説
講師今回は、自社がもつ経営資源を分析する手法の名前を問う問題です。問題文に並んでいる四つの評価要素が、いちばんの手がかりになります。
受験者経済価値、希少性、模倣困難性、組織の四つですね。選択肢はアルファベットの略語が多くて、私にはどれも似て見えてしまいます。
講師では、四つの要素を英語にしてみましょう。経済価値はValue、希少性はRarity、模倣困難性はInimitability、組織はOrganizationです。頭文字を並べるとどうなりますか。
受験者V、R、I、Oで、VRIOです。手法の名前が、そのまま評価要素の頭文字になっているんですね。
講師そのとおりです。VRIO分析は、自社の内部資源をこの四つの観点で評価して、その資源が競争優位、つまり他社に対する強みの源泉になるかを判断する手法です。問題文の説明と完全に一致するので、これが正解です。
受験者4Pも「四つの要素」なので、最初はこちらかと迷いました。
講師4Pは、製品・価格・流通・販促の四要素を組み合わせて考えるマーケティングミックスの枠組みです。売り方を設計するための考え方なので、資源を価値や希少性で評価するものではありません。「四つ」という数だけで選ばないことが大切です。
受験者PPMは経営資源をどの事業に配分するかを決める手法だったと思います。問題文にも「投資の優先度」とあるので、こちらも当てはまりそうに見えます。
講師紛らわしい点です。PPMは、市場成長率と市場占有率の二軸で事業を花形・金のなる木・問題児・負け犬に分類し、全社で資源配分を判断する手法です。資源を配分する手法ではありますが、評価の軸は市場の成長率とシェアで、資源の希少性や模倣困難性を評価するものではありません。
受験者SWOT分析にも「強み」があるので、自社の資源を見る点では同じではないでしょうか。
講師SWOT分析は、内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理する手法です。評価の軸が問題文の四要素とは違いますし、外部環境も対象に含むので、自社の資源だけを評価する手法とはいえません。
受験者整理すると、4Pは売り方の設計、PPMは市場成長率と占有率で事業を分類、SWOTは内部と外部の両方を整理、VRIOは自社資源を四つの観点で評価、ということですね。
講師よくまとまっています。補足すると、VRIO分析はJ.B.バーニーが提唱した資源ベース理論に基づく考え方で、一般に四つの要素をすべて満たす資源が持続的な競争優位の源泉になるとされます。同じく内部を見る手法でもSWOTの強み・弱みとは軸が違うので、問題文のキーワードで見分けるのが確実です。
まとめ
VRIO分析は、経済価値(Value)・希少性(Rarity)・模倣困難性(Inimitability)・組織(Organization)の四つの観点で自社の経営資源を評価し、その資源が競争優位の源泉になるかを判断する手法です。4Pは製品・価格・流通・販促から成るマーケティングミックスの枠組みです。PPMは市場成長率と市場占有率の二軸で事業を分類し、資源配分を判断する手法です。SWOT分析は内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理する手法です。問題文に評価要素が並んでいるときは、頭文字と分析の軸を手がかりに見分けると確実です。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
自社の経営資源を「経済価値・希少性・模倣困難性・組織」の四つの観点で評価する分析手法の名前を問う問題です。よく似た経営戦略のフレームワークと区別できるかが問われています。
解き方の考え方
問題文に並んだ四つの評価要素が最大の手がかりです。経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)の頭文字を並べるとVRIOになります。あわせて、各選択肢が「何を」「どの軸で」分析する手法かを思い出せば、自社の資源そのものを評価する手法はVRIO分析だけだと絞り込めます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 4P4Pは、製品・価格・流通・販促の四要素を組み合わせて考えるマーケティングミックスの枠組みです。売り方を設計するための考え方なので、自社の資源を価値や希少性で評価する手法ではありません。「四つの要素」という共通点だけで選ばないよう注意が必要です。
- ×イ PPMPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、市場成長率と市場占有率の二軸で事業を花形・金のなる木・問題児・負け犬に分類する手法です。全社レベルで経営資源をどの事業に配分するかを判断するときに使います。資源を配分する手法ではありますが、資源の希少性や模倣困難性を評価するものではありません。
- ×ウ SWOT分析SWOT分析は、内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理する手法です。評価の軸が問題文の四要素とは一致しません。また、外部環境も分析の対象に含むため、自社の資源だけを評価する手法ともいえません。
- ○エ VRIO分析VRIO分析のVRIOは、経済価値・希少性・模倣困難性・組織の頭文字です。自社の内部資源をこの四つの観点で評価し、その資源が競争優位をもたらすかどうかを判断します。問題文の説明と完全に一致するので、これが正解です。
補足
VRIO分析は、J.B.バーニーが提唱した資源ベース理論に基づく考え方です。一般に、四つの要素をすべて満たす資源が持続的な競争優位の源泉になるとされます。同じ「内部」を見る手法でもSWOT分析の強み・弱みとは評価の軸が違うので、問題文に出てくるキーワードで見分けるのが確実です。
POINT
- VRIO分析は、経済価値・希少性・模倣困難性・組織の四つの観点で自社の経営資源を評価する手法です。
- VRIO分析は自社の内部資源に焦点を当て、その資源が競争優位の源泉になるかを判断します。
- PPMは、市場成長率と市場占有率の二軸で事業を四つに分類し、資源配分を判断する手法です。
- SWOT分析は内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理する手法です。
- 4Pは製品・価格・流通・販促から成るマーケティングミックスの枠組みです。
