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ミッション・ビジョン・バリューの違いとビジョンの見分け方

ITパスポート試験 令和7年度 問29 / 企業活動 › 経営・組織論

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令和7年度 問29

企業経営の中核となる考え方を,ミッション,ビジョン,バリューの三つに分けて示す場合,ビジョンとして示すものとして,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    企業の存在意義や使命

  2. イ

    企業の存在意義や使命をふまえた,ある時点でのありたい姿

  3. ウ

    戦略を実現するために重要となる業績管理指標

  4. エ

    戦略を実現するために重要となる成功要因

会話形式の解説

講師講師
今回は、企業理念をミッション・ビジョン・バリューの三つに分けたとき、ビジョンにあたるものを選ぶ問題です。三つの言葉の役割の違いと、理念とは別の用語が選択肢に混ざっていないかに注目してください。
受験者受験者
私はミッションとビジョンの区別があいまいです。どちらも会社の目標のような意味だと思っていました。
講師講師
そこが一番迷いやすいところです。ミッションは企業の存在意義や使命で、「なぜ存在するのか」に答えるものです。ビジョンは、そのミッションを土台にして描く将来のありたい姿で、「どこを目指すのか」を示します。
受験者受験者
そうすると、「企業の存在意義や使命」とだけ書いてある選択肢はミッションの説明ですね。
講師講師
そのとおりです。存在の理由を示すだけで、将来の到達点までは描いていません。
受験者受験者
「存在意義や使命をふまえた、ある時点でのありたい姿」という選択肢にも「使命」が入っているので、ひっかけに見えました。
講師講師
使命という語は入っていますが、ポイントは「ふまえた」と「ありたい姿」です。使命を土台にして将来の理想像まで描いているので、これがビジョンの定義と一致します。これが正解です。
受験者受験者
残りの「業績管理指標」と「成功要因」は、理念の話とは違う気がします。
講師講師
よく気づきました。戦略を実現するために重要となる業績管理指標はKPI、つまり重要業績評価指標の説明です。月間の新規顧客数のように、進み具合を測る指標のことです。
受験者受験者
では、戦略を実現するために重要となる成功要因は、CSFのほうですか。
講師講師
はい。CSFは重要成功要因のことで、KSFとも呼びます。戦略を成功させるために押さえるべき要素です。KPIもCSFも戦略を実行するための道具なので、企業理念の構成要素であるビジョンとは違います。
受験者受験者
整理すると、ミッションは存在意義、ビジョンはミッションをふまえた将来のありたい姿、バリューは大切にする価値観ということですね。
講師講師
そうです。バリューは価値観や行動指針と覚えておくとよいです。あわせて、一般にはCSFを踏まえてKPIを設定することが多い、という関係も押さえておくと、戦略管理の問題にも対応しやすくなります。

まとめ

企業理念をミッション・ビジョン・バリューに分けると、ミッションは企業の存在意義や使命、ビジョンはそのミッションをふまえた将来のありたい姿、バリューは大切にする価値観や行動指針を表します。この問題の正解は「存在意義や使命をふまえた、ある時点でのありたい姿」です。「存在意義や使命」だけの説明はミッションにあたるので、将来の姿まで描いているかどうかで見分けます。業績管理指標はKPI、成功要因はCSFの説明で、どちらも戦略を実行するための用語なのでMVVには含まれません。

解答・解説

正解はイです

この問題のテーマ

企業理念をミッション・ビジョン・バリューの三つに分けたとき、ビジョンが何を表すかを問う問題です。KPIやCSFといった戦略管理の用語と区別できるかも確かめています。

解き方の考え方

まず、ミッション・ビジョン・バリューのそれぞれの意味を整理します。ミッションは存在意義や使命、ビジョンはミッションを土台にして描く将来のありたい姿、バリューは大切にする価値観や行動指針です。次に、選択肢の中にMVVではない用語の説明が混ざっていないかを確認します。業績管理指標や成功要因は戦略を実行するときの道具なので、理念の構成要素からは外れます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  企業の存在意義や使命
    企業の存在意義や使命という説明は、ミッションの定義です。企業が「なぜ存在するのか」を示すもので、将来の到達点を示すビジョンとは役割が違います。
  2. ○イ  企業の存在意義や使命をふまえた,ある時点でのありたい姿
    存在意義や使命をふまえて、ある時点でのありたい姿を示すという説明は、ビジョンの定義と一致します。ビジョンはミッションを土台にして、企業が「どこを目指すのか」という将来の理想像を表します。したがって、これが正解です。
  3. ×ウ  戦略を実現するために重要となる業績管理指標
    戦略を実現するために重要となる業績管理指標は、KPI(重要業績評価指標)の説明です。KPIは月間の新規顧客数のように進み具合を測る指標で、理念としてのありたい姿を示すものではありません。
  4. ×エ  戦略を実現するために重要となる成功要因
    戦略を実現するために重要となる成功要因は、CSF(重要成功要因、KSFとも呼びます)の説明です。CSFは戦略を成功させるために押さえるべき要素であり、企業理念の構成要素であるビジョンとは異なります。

補足

この問題では、アのミッションとイのビジョンの区別が一番の引っかけです。どちらも「存在意義や使命」という語を含みますが、その使命をふまえて将来の姿まで描いているかどうかで見分けられます。また、CSFを決めてから、その達成度を測るためにKPIを設定するという関係もあわせて覚えておくと、戦略管理の問題にも対応しやすくなります。

POINT

  • ミッションは企業の存在意義や使命を表し、「なぜ存在するのか」に答えるものです。
  • ビジョンはミッションを土台にして描く将来のありたい姿で、「どこを目指すのか」を示します。
  • バリューは企業が大切にする価値観や行動指針です。
  • KPIは重要業績評価指標、CSFは重要成功要因であり、どちらも戦略を実行するための用語で、MVVには含まれません。

※出典:令和7年度 ITパスポート試験 問29