事業部制組織の事例はどれ?4つの組織形態を見分けるコツ
ITパスポート試験 令和8年度 問30 / 企業活動 › 経営・組織論
過去問にチャレンジ
事業部制組織の事例はどれか。
- ア
AさんはX事業を実施している部門の購買組織に所属している。Y事業の購買はY事業を実施している部門の購買組織が担当している。
- イ
Bさんは複数の事業の人事機能を担当する組織に所属している。開発,生産,販売機能も同様に,それぞれ専門の組織が担当している。
- ウ
Cさんは地域Mで製品Xの販売を担当しており,地域Mの販売に責任をもつ上司と製品Xの販売に責任をもつ上司の,2人の上司の指示を受けている。
- エ
Dさんは新規事業の企画開発を目的として関係部署から横断的に人材を集めた組織に所属している。この組織は企画開発が終わり次第解散する。
会話形式の解説
講師今回は、組織のあり方を説明した文章を読んで、どれが事業部制組織に当たるかを見分ける問題です。注目するのは、組織をどんな単位で分けているかです。
受験者組織の名前は覚えたつもりでも、選択肢の文章からどれに当たるかを判断できるか不安です。
講師手がかりは4つです。事業ごとに分けて、その中に購買などの機能を持っていれば事業部制組織です。人事や生産のような機能ごとに分けていれば職能別組織です。上司が2人いればマトリックス組織、目的を果たしたら解散するならプロジェクト組織と考えます。
受験者そうすると、X事業の部門とY事業の部門がそれぞれ自分の購買組織を持っているAさんの例は、事業ごとに機能を持っているので事業部制でしょうか。
講師そのとおりで、これがこの問題の正解です。事業部制組織は、製品や地域などの単位で事業部を作り、それぞれの事業部の中に購買・開発・生産・販売といった機能を持たせる形です。
受験者Bさんの例にも「複数の事業」と書いてあるので、事業部制とどう違うのかが気になりました。
講師Bさんの例では、人事・開発・生産・販売という機能ごとに専門の組織があって、その組織が複数の事業をまとめて担当しています。これは機能ごとに部署を分ける職能別組織です。事業ごとに機能を持つ事業部制とは、分け方が逆になっています。
受験者地域Mの販売の上司と製品Xの販売の上司、2人から指示を受けるCさんの例は、上司が2人なのでマトリックス組織ですね。
講師合っています。指揮命令系統、つまり指示が伝わる流れが複数あって、一人に上司が複数いるのがマトリックス組織の特徴です。
受験者残りのDさんの例は、関係部署から人を集めて、企画開発が終わったら解散するので、プロジェクト組織だと思います。
講師そのとおりです。特定の目的のために部門を横断して作られ、目的を果たすと解散するのがプロジェクト組織です。ただし、事業部制組織の事例ではないので、この問題の答えにはなりません。
受験者事業の中に機能があるなら事業部制、機能ごとの部署が複数の事業を受け持つなら職能別、と区別すればよいのですね。
講師はい、その区別が一番のポイントです。あわせて長所と短所も押さえておきましょう。事業部制は各事業部が意思決定をして利益責任を負うので、事業ごとの成果がはっきりし、市場の変化にも対応しやすくなります。一方で、事業部ごとに同じ機能を持つため、購買などの機能が重複しやすいという短所があります。
まとめ
この問題は、事例の文章から事業部制組織に当たるものを選ぶ問題で、正解は事業ごとの部門がそれぞれ購買組織を持っている例です。事業部制組織は、製品や地域などの単位で事業部を設け、各事業部の中に購買・開発・生産・販売などの機能を持たせる形態です。機能ごとの部署が複数の事業をまとめて担当するのは職能別組織、上司が2人いるのはマトリックス組織、目的を果たすと解散するのはプロジェクト組織です。事業部制は事業ごとの成果が明確になり市場の変化に対応しやすい反面、機能が重複しやすいという短所もあります。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
選択肢に書かれた組織の様子が、事業部制組織・職能別組織・マトリックス組織・プロジェクト組織のどれに当たるかを見分ける問題です。
解き方の考え方
まず、組織をどの単位で分けているかに注目します。事業ごとに分けて、その中に購買などの機能を持っていれば事業部制組織です。人事や生産など機能ごとに分けていれば職能別組織と判断します。上司が2人いればマトリックス組織、目的を果たしたら解散する一時的な組織ならプロジェクト組織です。この手がかりを各選択肢に当てはめると、事業部制に当たるのはアだけだと分かります。
選択肢ごとの解説
- ○ア AさんはX事業を実施している部門の購買組織に所属している。Y事業の購買はY事業を実施している部門の購買組織が担当している。アでは、X事業とY事業がそれぞれ自分の部門の中に購買組織を持っています。事業部制組織は製品や地域などの単位で事業部を設け、各事業部の中に購買・開発・生産・販売などの機能を備える形態なので、この特徴に当てはまります。
- ×イ Bさんは複数の事業の人事機能を担当する組織に所属している。開発,生産,販売機能も同様に,それぞれ専門の組織が担当している。イは、人事・開発・生産・販売といった機能ごとに専門の組織があり、その組織が複数の事業を担当する形です。これは機能ごとに部署を分ける職能別組織の事例で、事業ごとに機能を持つ事業部制とは逆の分け方です。
- ×ウ Cさんは地域Mで製品Xの販売を担当しており,地域Mの販売に責任をもつ上司と製品Xの販売に責任をもつ上司の,2人の上司の指示を受けている。ウでは、地域Mの販売に責任をもつ上司と製品Xの販売に責任をもつ上司の2人から指示を受けています。指揮命令系統が複数あり上司が複数になるのは、マトリックス組織の特徴です。
- ×エ Dさんは新規事業の企画開発を目的として関係部署から横断的に人材を集めた組織に所属している。この組織は企画開発が終わり次第解散する。エは、関係部署から部門を横断して人材を集め、企画開発が終われば解散する組織です。特定の目的のために一時的に作られ、終わると解散するのはプロジェクト組織の特徴です。
補足
「事業ごとに機能を持つ」のか「機能ごとに部署があって、複数の事業をまとめて担当する」のかを区別することが、事業部制と職能別組織を見分けるポイントです。イの「複数の事業」という語句につられて、事業部制と取り違えないよう注意してください。また、事業部制では事業部ごとに同じ機能を持つため、購買などの機能が重複しやすいという短所もあわせて押さえておきましょう。
POINT
- 事業部制組織は、製品・地域・市場などの単位で事業部を設け、各事業部の中に購買・開発・生産・販売などの機能を持つ組織形態です。
- 事業部制では各事業部が意思決定を行い、利益責任を負うため、事業ごとの成果が明確になり、市場の変化にも対応しやすくなります。
- 職能別組織は、人事・開発・生産・販売などの機能ごとに部署を分ける組織形態です。
- マトリックス組織は指揮命令系統が複数あり、一人の社員に上司が複数いる点が特徴です。
- プロジェクト組織は、特定の目的のために一時的に作られ、目的を果たすと解散します。
