マナビング基本情報技術者

直列システムの稼働率をMTBFとMTTRから2段階で求める

基本情報技術者試験 平成29年度秋期 午前 問15 / システム構成要素 › システムの評価指標

過去問にチャレンジ

平成29年度秋期 午前 問15

MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。

  1. ア

    0.81

  2. イ

    0.90

  3. ウ

    0.95

  4. エ

    0.99

会話形式の解説

講師講師
この問題は二つの手順で解きます。まずMTBFとMTTRから装置1台の稼働率を出し、次に2台を直列につないだときのシステム全体の稼働率を求めます。直列と並列で計算の仕方が違うところに注目してください。
受験者受験者
MTBFとMTTRはどちらも時間ですよね。名前が似ていて、どちらがどちらだったか迷ってしまいます。
講師講師
MTBFは故障せずに動いている平均時間、MTTRは故障してから修理が終わるまでの平均時間です。稼働率は全体の時間のうち動いている時間の割合なので、MTBF÷(MTBF+MTTR)で求めます。この装置の場合はどうなりますか。
受験者受験者
45÷(45+5)なので、45÷50で0.9です。選択肢に0.90がありますが、これが答えではないのですね。
講師講師
そうです。0.90は装置1台だけの稼働率です。問われているのは2台を直列につないだシステムなので、ここで止めると引っかかります。直列のシステムが動いているのは、どんなときでしょうか。
受験者受験者
直列は一列につながっているので、2台のどちらか一方でも止まるとシステム全体が止まります。つまり2台とも動いているときだけ稼働します。
講師講師
その通りです。2台とも動いている確率は、それぞれの稼働率の掛け算で求めます。0.9×0.9はいくつになりますか。
受験者受験者
0.81です。1台のときより下がるのですね。それなら、0.95も1台の0.9より大きいので、直列の答えにはならないと考えてよいですか。
講師講師
はい。直列にすると稼働率は1台の値以下になるので、0.9を上回る0.95は直列の結果としてあり得ません。そもそも与えられた数値から計算しても出てこない値です。
受験者受験者
0.99も大きい値ですが、これは何か計算で出てくるのでしょうか。
講師講師
0.99は2台を並列につないだ場合の稼働率です。並列はどちらか1台が動いていれば稼働するので、1から「2台とも同時に止まっている確率」を引きます。1−(1−0.9)2=1−0.01=0.991 - (1 - 0.9)^{2} = 1 - 0.01 = 0.99です。本問は直列なので当てはまりません。
受験者受験者
整理すると、1台の稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で0.9、直列は掛け算で0.81、並列なら0.99ということですね。直列は1台の値以下、並列は1台の値以上になると覚えておけば、答えの見当もつけられそうです。
講師講師
よく整理できています。補足すると、稼働率を掛け合わせられるのは、各装置が互いに影響せず独立に故障すると考えているからです。また、一定時間故障せずに動き続ける確率を表す「信頼度」は稼働率とは別の考え方なので、混同しないように気をつけてください。

まとめ

装置1台の稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で求め、この問題では45÷50=0.9になります。2台を直列につなぐと、両方が動いているときだけシステムが稼働するので、稼働率は0.9×0.9=0.81です。0.90は1台分の値、0.99は並列にした場合の値なので、どちらも直列の答えにはなりません。直列の稼働率は1台の値以下、並列は1台の値以上になると押さえておくと、計算結果の確認にも使えます。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

MTBFとMTTRから装置1台の稼働率を求め、その装置を2台直列につないだシステム全体の稼働率を計算する問題です。

解き方の考え方

二つの手順で解きます。まず1台の稼働率を、MTBF÷(MTBF+MTTR)の式で求めます。45÷(45+5)=45÷50=0.9です。次に、直列のシステムは2台がどちらも動いているときだけ稼働するので、2台の稼働率を掛け合わせます。0.9×0.9=0.81となり、正解のアと一致します。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  0.81
    アの0.81は、1台分の稼働率0.9を2台分掛け合わせた値です。直列の場合は両方の装置が同時に動いている必要があるので、各稼働率の積がシステム全体の稼働率になります。
  2. ×イ  0.90
    イの0.90は、45÷50で求めた装置1台だけの稼働率です。問われているのは2台を直列につないだシステムの稼働率なので、もう1台分を掛けなければなりません。
  3. ×ウ  0.95
    ウの0.95は、与えられたMTBFとMTTRで計算しても出てこない値です。1台の稼働率は0.9で、直列にすると0.81まで下がります。直列にした結果が1台の稼働率を上回ることはありません。
  4. ×エ  0.99
    エの0.99は、2台を並列につないだ場合の稼働率で、1−(1−0.9)21 - (1 - 0.9)^{2}と計算した値です。本問は直列接続なので、この値は当てはまりません。

補足

稼働率を掛け合わせて計算できるのは、各装置が互いに影響せず独立して故障すると考えているからです。また、一定時間故障しないで動き続ける確率を表す「信頼度」は、稼働率とは別の考え方なので、混同しないように注意しましょう。

POINT

  • 稼働率は、MTBF÷(MTBF+MTTR)で求めます。
  • MTBFは故障しないで動いている平均時間、MTTRは故障してから修理が終わるまでの平均時間です。
  • 直列システムの稼働率は各装置の稼働率の積になるので、どの装置の稼働率よりも低くなります。
  • 並列システムの稼働率は「1−(全装置が同時に止まっている確率)」で求めるので、1台の稼働率よりも高くなります。

※出典:平成29年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問15