マナビング基本情報技術者

システム稼働率は予備装置をどう数えるか

基本情報技術者試験 平成31年度春期 午前 問14 / システム構成要素 › システムの評価指標

過去問にチャレンジ

平成31年度春期 午前 問14

図のように、1台のサーバ、3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて、サーバにあるデータをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるとき、このシステムの稼働率を表す計算式はどれか。ここで、クライアントは3台のうちどれか1台が稼働していればよく、プリンタは2台のうちどちらかが稼働していればよい。

平成31年度春期 午前 問14の図
  1. ア

    ab3c2ab^{3}c^{2}

  2. イ

    a(1−b3)(1−c2)a(1-b^{3})(1-c^{2})

  3. ウ

    a(1−b)3(1−c)2a(1 - b)^{3}(1 - c)^{2}

  4. エ

    a(1−(1−b)3)(1−(1−c)2)a(1 - (1 - b)^{3})(1 - (1 - c)^{2})

会話形式の解説

講師講師
まず、印刷するために各装置が何台動いている必要があるかを整理しましょう。
受験者受験者
サーバは1台なので必須です。クライアントとプリンタは、全部動いていなくてもよいのですね。
講師講師
はい。それぞれの組で少なくとも1台が動いていれば、必要な条件を満たします。
受験者受験者
クライアントが3台あるので、b3b^{3}を使うのかと思いました。
講師講師
b3b^{3}は3台すべてが稼働する場合です。プリンタのc2c^{2}も2台とも稼働する場合なので、両方を掛ける式は条件が厳しすぎます。
受験者受験者
では、1−b31 - b^{3}なら、クライアントが少なくとも1台動く確率になりますか。
講師講師
1−b31 - b^{3}は『3台すべてが稼働する』場合以外です。全台停止も含むので、求めたい確率にはなりません。プリンタの1−c21 - c^{2}も同様です。
受験者受験者
少なくとも1台が動く場合を求めるには、全台停止を除けばよいのですね。
講師講師
そのとおりです。クライアントの全台停止は(1−b)3(1 - b)^{3}、プリンタの全台停止は(1−c)2(1 - c)^{2}です。それぞれ1から全台停止の確率を引いて、少なくとも1台が稼働する確率に直します。
受験者受験者
すると、クライアントは1−(1−b)31 - (1 - b)^{3}、プリンタは1−(1−c)21 - (1 - c)^{2}ですね。
講師講師
はい。サーバも動く必要があるので、a(1−(1−b)3)(1−(1−c)2)a(1 - (1 - b)^{3})(1 - (1 - c)^{2})となります。これが正解の式です。
受験者受験者
全台停止の確率である(1−b)3(1 - b)^{3}と(1−c)2(1 - c)^{2}を、そのままaに掛ける式も違いますね。
講師講師
はい。その式は必要な装置群が停止している状態を使っています。複数台のうち1台でよいときは、まず『全台停止』を考え、1から引くのがポイントです。

まとめ

印刷には、サーバの稼働に加え、クライアントとプリンタがそれぞれ少なくとも1台稼働している必要があります。少なくとも1台が稼働する確率は、1から全台停止の確率を引いて求めます。したがって、システムの稼働率はa(1−(1−b)3)(1−(1−c)2)a(1 - (1 - b)^{3})(1 - (1 - c)^{2})です。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

一部の装置に予備があるシステムについて、全体の稼働率を求める問題です。

解き方の考え方

印刷にはサーバの稼働に加え、クライアントが少なくとも1台、プリンタも少なくとも1台稼働している必要があります。クライアントが全台停止する確率は(1−b)3(1 - b)^{3}なので、少なくとも1台が稼働する確率は1−(1−b)31 - (1 - b)^{3}です。同様に、プリンタ側は1−(1−c)21 - (1 - c)^{2}です。これらにサーバの稼働率aを掛けると、エの式になります。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  ab3c2ab^{3}c^{2}
    b3b^{3}はクライアント3台すべて、c2c^{2}はプリンタ2台すべてが稼働する場合を表します。問題では各装置群につき1台が稼働していればよいため、必要以上に厳しい条件で計算しています。
  2. ×イ  a(1−b3)(1−c2)a(1-b^{3})(1-c^{2})
    1−b31 - b^{3}は「クライアントが3台とも稼働する」場合の余事象です。少なくとも1台が稼働する場合とは一致せず、プリンタ側の1−c21 - c^{2}にも同じ問題があります。
  3. ×ウ  a(1−b)3(1−c)2a(1 - b)^{3}(1 - c)^{2}
    (1−b)3(1 - b)^{3}はクライアント3台がすべて停止する場合を表します。(1−c)2(1 - c)^{2}もプリンタ2台がすべて停止する場合なので、どちらもシステムの稼働に必要な状態とは逆です。
  4. ○エ  a(1−(1−b)3)(1−(1−c)2)a(1 - (1 - b)^{3})(1 - (1 - c)^{2})
    サーバが稼働し、クライアント群とプリンタ群のそれぞれで少なくとも1台が稼働する確率を掛けています。得られる式はa(1−(1−b)3)(1−(1−c)2)a(1 - (1 - b)^{3})(1 - (1 - c)^{2})で、正解と一致します。

POINT

  • 「少なくとも1台が稼働」は、「全台が停止」の余事象として求めます。
  • 台数分の稼働率をそのまま掛けると、全台の稼働を条件にしてしまいます。
  • システムが動くために必要なサーバと各装置群の条件を、先に整理します。

※出典:平成31年度春期 基本情報技術者試験 午前 問14(一部改変)