マナビング基本情報技術者

並列ブロックを直列につないだ稼働率の式を読み解く

基本情報技術者試験 平成29年度春期 午前 問14 / システム構成要素 › システムの評価指標

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平成29年度春期 午前 問14

稼働率RRの装置を図のように接続したシステムがある。このシステム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで、並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく、直列に接続されている部分は両方の装置が稼働していなければならない。

平成29年度春期 午前 問14の図
  1. ア

    (1−(1−R2))2(1 - (1 - R^{2}))^{2}

  2. イ

    1−(1−R2)21 - (1 - R^{2})^{2}

  3. ウ

    (1−(1−R)2)2(1 - (1 - R)^{2})^{2}

  4. エ

    1−(1−R)41 - (1 - R)^{4}

会話形式の解説

講師講師
今回は直列と並列を組み合わせた構成の稼働率を、式で選ぶ問題です。図のつなぎ方を、内側と外側に分けて読めるかがポイントです。
受験者受験者
図では、Rの装置が上下2台で並列になったかたまりが左右に2つあって、その2つが横一列につながっていますね。選択肢の式がどれも似て見えて、迷ってしまいます。
講師講師
では内側から考えましょう。左のかたまり、つまり2台並列のブロックが止まるのは、どんなときですか。
受験者受験者
どちらか1台が動いていればよいので、2台とも止まったときだけです。1台が止まっている確率は1−Rなので、2台とも止まる確率は(1−R)2(1 - R)^{2}だと思います。
講師講師
そうです。各装置は独立に故障すると考えるので、掛け合わせて(1−R)2(1 - R)^{2}になります。ブロックの稼働率は、1からそれを引いた1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}です。
受験者受験者
そのブロックを1台の装置とみなすと、外側は2つが直列です。直列は両方が動いていないといけないので、稼働率を掛けて{1−(1−R)2}\{1 - (1 - R)^{2}\}の2乗になります。これは(1−(1−R)2)2(1 - (1 - R)^{2})^{2}の式と同じですね。
講師講師
正解です。ほかの選択肢がどのつなぎ方を表しているかも確認しておきましょう。まず(1−(1−R2))2(1 - (1 - R^{2}))^{2}の式です。括弧の中を整理するとどうなりますか。
受験者受験者
1−(1−R2)1 - (1 - R^{2})はR2R^{2}なので、全体はR4R^{4}です。4台すべてを直列にしたときの稼働率になりますね。図とは違います。
講師講師
そのとおりです。いちばん紛らわしいのは1−(1−R2)21 - (1 - R^{2})^{2}の式です。R2R^{2}が何を表しているかに注目してください。
受験者受験者
R2R^{2}は直列2台の稼働率です。それを1−(1−…)21 - (1 - \ldots)^{2}の形に入れているので、直列2台の組を2組並列にした構成ということですか。
講師講師
はい。図は並列ブロックを直列にした構成なので、つなぎ方が逆です。最後の1−(1−R)41 - (1 - R)^{4}はどうでしょう。
受験者受験者
4台が全部止まったときだけ停止する式なので、4台すべてを並列にした構成です。図では片方のブロックの2台が両方止まれば全体が止まるので、合いません。
講師講師
よく整理できています。覚え方としては、R2R^{2}は直列2台、1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}は並列2台を表すと押さえておくと、式からつなぎ方が読み取れます。
受験者受験者
計算に時間がかかるので、式を見ただけで構成が浮かぶのは助かります。式の形に自信がないときは、どう確かめればよいですか。
講師講師
具体的な数値を入れて比べる方法があります。R=0.9なら、並列ブロック1組は1−0.12=0.991 - 0.1^{2} = 0.99なので、正解の式は0.992=0.98010.99^{2} = 0.9801です。R4R^{4}は0.6561、直列の組を並列にした式は0.9639、4台並列は0.9999となり、4つとも値が違うので区別できます。

まとめ

この問題は、稼働率Rの装置を2台並列にしたブロックを2組直列につないだシステムの稼働率を問うものです。並列ブロック1組の稼働率は、2台とも止まる確率(1−R)2(1 - R)^{2}を1から引いた1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}です。直列の部分は稼働率を掛け合わせるので、全体は(1−(1−R)2)2(1 - (1 - R)^{2})^{2}になります。R2R^{2}は直列2台、1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}は並列2台を表すと覚えておくと、ほかの選択肢がR4R^{4}(4台直列)、直列2台の組を並列にした構成、4台並列を表していることも見分けられます。迷ったときは、R=0.9などの数値を入れて比べると確かめられます。

解答・解説

正解はウです

この問題のテーマ

直列と並列を組み合わせた構成について、システム全体の稼働率を式で表す問題です。

解き方の考え方

図では、稼働率Rの装置を2台並列にしたブロックが2組あり、その2組が直列につながっています。まず並列ブロック1組の稼働率を求めます。各装置は独立に故障すると考えるので、2台が同時に止まる確率は(1−R)2(1 - R)^{2}です。どちらか1台が動いていればよいため、ブロックの稼働率は1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}になります。直列の部分は両方が動いている必要があるので、2つのブロックの稼働率を掛けます。全体の稼働率は{1−(1−R)2}×{1−(1−R)2}=(1−(1−R)2)2\{1 - (1 - R)^{2}\} \times \{1 - (1 - R)^{2}\} = (1 - (1 - R)^{2})^{2}です。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  (1−(1−R2))2(1 - (1 - R^{2}))^{2}
    アの(1−(1−R2))2(1 - (1 - R^{2}))^{2}は、括弧の中を整理すると1−(1−R2)=R21 - (1 - R^{2}) = R^{2}となるので、式全体は(R2)2=R4(R^{2})^{2} = R^{4}です。これは4台すべてを直列につないだときの稼働率です。図の左右のブロックはどちらも並列なので、この式とは一致しません。
  2. ×イ  1−(1−R2)21 - (1 - R^{2})^{2}
    イの1−(1−R2)21 - (1 - R^{2})^{2}では、R2R^{2}が直列2台の稼働率を表し、それを2組並列にした形になっています。つまり「直列2台の組を並列にした構成」の式です。図は「並列ブロックを直列にした構成」で、つなぎ方が逆なので当てはまりません。
  3. ○ウ  (1−(1−R)2)2(1 - (1 - R)^{2})^{2}
    ウの式の括弧の中1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}は、2台並列のブロック1組の稼働率です。それを2乗しているので、同じブロック2組を直列につないだ稼働率を表します。図の構成と一致するため、ウが正解です。
  4. ×エ  1−(1−R)41 - (1 - R)^{4}
    エの1−(1−R)41 - (1 - R)^{4}は、4台全部が止まったときだけシステムが停止する、つまり4台すべてを並列にした構成の式です。図では左右のブロックが直列なので、どちらかのブロックで2台とも止まればシステム全体が止まります。このためエの式は図に合いません。

補足

式の形で迷ったときは、具体的な数値を入れて比べると確かめられます。たとえばR=0.9とすると、並列ブロック1組は1−0.12=0.991 - 0.1^{2} = 0.99なので、ウは0.992=0.98010.99^{2} = 0.9801です。アはR4=0.6561R^{4} = 0.6561、イは1−(1−0.81)2=1−0.0361=0.96391 - (1 - 0.81)^{2} = 1 - 0.0361 = 0.9639、エは1−0.14=0.99991 - 0.1^{4} = 0.9999となり、4つの値はすべて異なります。

POINT

  • 直列の稼働率は、各部分の稼働率を掛け合わせて求めます。
  • 並列の稼働率は、1から「全台が停止している確率」を引いて求めます。
  • 組み合わせた構成では、内側のブロックの稼働率を先に求め、それを1台の装置とみなして外側を計算します。
  • R2R^{2}は直列2台、1−(1−R)21 - (1 - R)^{2}は並列2台を表すと覚えておくと、選択肢の式がどの構成を表すか読み取れます。

※出典:平成29年度春期 基本情報技術者試験 午前 問14(一部改変)