営業秘密の成立要件で見落としやすい条件は
基本情報技術者試験 平成29年度春期 午前 問80 / 法務 › 知的財産権
過去問にチャレンジ
不正競争防止法において、営業秘密となる要件は、“秘密として管理されていること”、“事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること”と、もう一つはどれか。
- ア
営業譲渡が可能なこと
- イ
期間が10年を超えないこと
- ウ
公然と知られていないこと
- エ
特許出願をしていること
会話形式の解説
講師営業秘密の三つの要件のうち、問題文には二つが示されています。残る条件が情報のどの状態を確かめるものか、考えてみましょう。
受験者秘密として管理され、事業に役立つことは分かります。もう一つは、情報が知られているかどうかでしょうか。
講師その通りです。残る要件は非公知性、つまり公然と知られていないことです。
受験者では、「公然と知られていないこと」が正解ですね。営業譲渡が可能かどうかも関係しそうですが。
講師譲渡できるかどうかは成立要件ではありません。ここでは情報の管理状態、有用性、公知かどうかを確かめます。
受験者「10年を超えないこと」は、秘密として扱える期間を示しているのでしょうか。
講師いいえ。営業秘密の成立要件にその期間制限はなく、保有期間では判断しません。
受験者特許出願をしていることも候補ですが、出願の有無では決まらないのですね。
講師はい。特許出願の有無ではなく、その情報が公然と知られていないかを確認します。
受験者秘密管理性と有用性に、非公知性を加えた三つで判断するのですね。
講師その整理でよいです。譲渡の可否、保有期間、特許出願の有無を三つの要件に混ぜないようにしましょう。
まとめ
営業秘密の成立要件は、秘密管理性、有用性、非公知性の三つです。非公知性は、情報が公然と知られていないことを意味します。この問題では、示された二つに加える条件として「公然と知られていないこと」を選びます。譲渡の可否、保有期間、特許出願の有無は成立要件ではありません。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
不正競争防止法における営業秘密の成立要件を問う問題です。
解き方の考え方
問題文には、秘密として管理されていることと、事業活動に有用であることが示されています。残る要件は非公知性です。これは、公然と知られていないことを意味します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 営業譲渡が可能なこと営業譲渡ができるかどうかは、営業秘密の成立要件に含まれません。問われているのは情報の管理状態、有用性、公知かどうかです。
- ×イ 期間が10年を超えないこと営業秘密の成立要件に「10年を超えない」という期間制限はありません。情報を保有している期間から、営業秘密に当たるかどうかは決まりません。
- ○ウ 公然と知られていないこと公然と知られていないことは、非公知性を表しています。問題文に示された二つと合わせて、営業秘密の成立要件を満たすために必要な条件です。
- ×エ 特許出願をしていること特許出願をしていることは、営業秘密の成立要件ではありません。出願の有無ではなく、その情報が公然と知られていないかを確認します。
POINT
- 営業秘密の成立要件は、秘密管理性、有用性、非公知性の三つです。
- 非公知性とは、その情報が公然と知られていない状態をいいます。
- 譲渡の可否、保有期間、特許出願の有無を成立要件に加えないようにします。
