著作者人格権と財産権はどう見分けるか
基本情報技術者試験 平成31年度春期 午前 問79 / 法務 › 知的財産権
過去問にチャレンジ
著作者人格権に該当するものはどれか。
- ア
印刷,撮影,複写などの方法によって著作物を複製する権利
- イ
公衆からの要求に応じて自動的にサーバから情報を送信する権利
- ウ
著作物の複製物を公衆に貸し出す権利
- エ
自らの意思に反して著作物を変更,切除されない権利
会話形式の解説
講師この問題では、著作物を利用する権利と、著作者の人格的な利益を守る権利を見分けます。各選択肢は何についての権利でしょうか。
受験者どれも著作物に関する権利なので迷います。印刷や複写も、作者が自分の作品を守ることに関係しそうです。
講師印刷や複写で著作物を複製する権利は、複製権です。これは著作物の利用に関する財産権です。
受験者では、サーバからの自動送信も、作品を利用する権利として考えるのですか。
講師はい。公衆からの要求に応じた自動送信は、公衆送信権等に関わります。送信について述べているので、著作者人格権ではありません。
受験者複製物を公衆に貸し出す権利も、貸出しという利用に注目すればよさそうです。
講師そのとおりです。これは貸与権で、利用に関する財産権です。残る改変の選択肢では、誰のどんな利益が守られていますか。
受験者著作者が望まない変更や切除をされない、という利益です。利用の方法を決める話とは違います。
講師その権利は同一性保持権です。著作者人格権に含まれるので、正解はエです。
受験者複製・送信・貸出しは利用に関する財産権、意思に反する改変を防ぐのは著作者人格権、と分けて判断できます。
講師はい。著作者人格権には、同一性保持権のほかに公表権と氏名表示権もあります。権利名だけで迷ったら、何を守る権利か確かめましょう。
まとめ
著作物を複製する権利は複製権、送信に関する権利は公衆送信権等、複製物を貸し出す権利は貸与権で、いずれも著作者人格権には該当しません。著作者の意思に反して作品を変更・切除されない権利は、著作者人格権に含まれる同一性保持権です。したがって、正解はエです。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
著作者人格権と、著作物の利用に関する財産権を区別する問題です。
解き方の考え方
選択肢が、著作物を複製・送信・貸出しする権利を述べているのか、著作者の意思に反する改変を防ぐ権利を述べているのかに注目します。著作者人格権には公表権、氏名表示権、同一性保持権があります。このうち改変に関わる権利を探します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 印刷,撮影,複写などの方法によって著作物を複製する権利印刷や複写などで著作物を複製する権利は、複製権です。著作物の利用に関する財産権であり、著作者人格権には該当しません。
- ×イ 公衆からの要求に応じて自動的にサーバから情報を送信する権利要求に応じてサーバから情報を自動送信する説明は、公衆送信権等に関わります。送信という利用に関する権利なので、著作者人格権には該当しません。
- ×ウ 著作物の複製物を公衆に貸し出す権利著作物の複製物を公衆に貸し出す権利は、貸与権です。貸出しという利用に関する財産権であり、著作者人格権には該当しません。
- ○エ 自らの意思に反して著作物を変更,切除されない権利著作者の意思に反して作品を変更・切除されない権利は、同一性保持権です。同一性保持権は著作者人格権に含まれるため、エが正解です。
POINT
- 著作者人格権は、著作者の人格的な利益を守ります。
- 著作物の複製・送信・貸出しに関する権利は、財産権として区別します。
- 同一性保持権は、著作者の意思に反する作品の改変に関わります。
