ソフトウェア著作権の保護範囲をどう見分けるか
基本情報技術者試験 平成29年度春期 午前 問79 / 法務 › 知的財産権
過去問にチャレンジ
著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア
アプリケーションプログラムは著作権法によって保護されるが,OSなどの基本プログラムは権利の対価がハードウェアの料金に含まれるので,保護されない。
- イ
アルゴリズムやプログラム言語は,著作権法によって保護される。
- ウ
アルゴリズムを記述した文書は著作権法で保護されるが,そのアルゴリズムを用いて作成されたプログラムは保護されない。
- エ
ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方とも著作権法によって保護される。
会話形式の解説
講師この問題は、プログラムとして表現されたものと、その背後にある考え方を分けて考えるのがポイントです。
受験者OSは機器の料金に権利の対価が含まれるなら、著作権の保護は別に要らないのでしょうか。
講師料金の扱いから保護の有無は決まりません。OSもプログラムなので、アプリケーションと同じく保護の対象です。
受験者では、プログラムがどのような形で書かれているかは関係しますか。
講師ソースプログラムは人が読みやすい形で記述されたものです。オブジェクトプログラムもプログラムなので、両方とも保護の対象です。これが適切な記述です。
受験者アルゴリズムもプログラムを作るのに使いますが、それ自体も保護されるのでしょうか。
講師アルゴリズムは問題を解くための考え方です。プログラム言語も記述に使うものですが、どちらもそれ自体にはプログラム著作物としての保護は及びません。
受験者アルゴリズムを書いた文書が保護されるなら、それを使って作ったプログラムは保護されない、という考え方ですか。
講師いいえ。文書の表現は保護され得ますし、作成されたプログラムの表現も保護の対象です。「プログラムは保護されない」という部分が誤りです。
受験者考え方そのものと、文書やプログラムとしての表現を分けて判断するのですね。
講師そのとおりです。用途や料金、ソースかオブジェクトかという違いだけで、プログラムが保護の対象から外れるとは判断しません。
まとめ
著作権法による保護を考えるときは、表現と、その背後にある考え方を区別します。OSもアプリケーションもプログラムであり、ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方が保護の対象です。一方、アルゴリズムやプログラム言語それ自体には、プログラム著作物としての保護は及びません。アルゴリズムを記した文書の表現と、それを用いて作ったプログラムの表現は、どちらも保護され得ます。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
著作権法がソフトウェアの何を保護するかを問う問題です。
解き方の考え方
プログラムとして表現されたものと、その作成に使う考え方や言語を分けて考えます。OSかアプリケーションか、ソースかオブジェクトかという違いで、プログラムの保護対象から外れるわけではありません。
選択肢ごとの解説
- ×ア アプリケーションプログラムは著作権法によって保護されるが,OSなどの基本プログラムは権利の対価がハードウェアの料金に含まれるので,保護されない。OSもプログラムであり、著作権法による保護の対象です。機器の料金に権利の対価が含まれるという説明から、OSが保護されないとはいえません。
- ×イ アルゴリズムやプログラム言語は,著作権法によって保護される。アルゴリズムは問題を解くための考え方であり、プログラム言語はプログラムを記述するためのものです。いずれも、それ自体にはプログラム著作物としての保護は及びません。
- ×ウ アルゴリズムを記述した文書は著作権法で保護されるが,そのアルゴリズムを用いて作成されたプログラムは保護されない。アルゴリズムを記した文書の表現は保護され得ます。ただし、同じアルゴリズムを用いて作ったプログラムの表現も保護対象となるため、プログラムは保護されないとする部分が誤りです。
- ○エ ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方とも著作権法によって保護される。ソースプログラムは、人が読みやすい形で記述されたプログラムです。オブジェクトプログラムもプログラムであり、両方とも著作権法による保護の対象となります。
POINT
- 保護の範囲を判断するときは、表現と、その背後にある考え方を区別します。
- プログラムの用途や販売時の料金の扱いだけで、保護の有無は決まりません。
- プログラムの記述形式が異なっても、保護対象になるかをそれぞれ確認します。
