システム監査人の独立性は所属と対象でどう見抜くか
基本情報技術者試験 平成30年度春期 午前 問59 / システム監査 › システム監査
過去問にチャレンジ
システム監査実施体制のうち,システム監査人の独立性の観点から最も避けるべきものはどれか。
- ア
監査チームメンバに任命された総務部のAさんが,他のメンバと一緒に,総務部の入退室管理の状況を監査する。
- イ
監査部のBさんが,個人情報を取り扱う業務を委託している外部企業の個人情報管理状況を監査する。
- ウ
情報システム部の開発管理者から5年前に監査部に異動したCさんが,マーケティング部におけるインターネットの利用状況を監査する。
- エ
法務部のDさんが,監査部からの依頼によって,外部委託契約の妥当性の監査において,監査人に協力する。
会話形式の解説
講師独立性を考えるときは、監査する人の所属と、評価する業務の関係に注目します。
受験者総務部の人はチームの一員なので、一人で判断するわけではありません。それでも問題になりますか。
講師その人が評価するのは、どの部門の業務ですか。
受験者自分が所属する総務部の入退室管理です。自部門を評価することになります。
講師その通りです。他のメンバと一緒でも、その関係は変わりません。これが最も避けるべき体制です。
受験者委託先を調べる監査部の人も、個人情報を扱う業務に関わるのでしょうか。
講師示された条件では、その人が自分の業務を評価する関係はありません。委託先の個人情報管理状況を監査するので、自部門を監査する場合より独立性の問題は小さいと判断できます。
受験者以前、情報システム部にいた人はどうですか。過去の所属も気になります。
講師現在は監査部員で、対象はマーケティング部のインターネット利用です。以前の開発管理業務を自ら監査する状況は示されていません。
受験者法務部の人が外部委託契約の監査に関わる場合は、どう判断しますか。
講師その人は監査人に協力する立場です。法務部員が協力するというだけでは、自部門の業務を監査人として評価する状況と同じにはなりません。
受験者所属だけで決めず、今回の監査で誰が何を評価するかを確かめるのですね。
講師はい。特に、チームで監査していても、自部門を評価する担当者の独立性の問題は残る点を押さえましょう。
まとめ
システム監査人の独立性は、監査を担当する人と監査対象の関係から判断します。総務部員が総務部の入退室管理を監査すると、自部門の業務を評価することになるため、最も避けるべきです。他のメンバと一緒でも、この問題は解消しません。過去の所属や監査への協力は、それだけで判断せず、今回評価する業務との関係を確かめます。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
システム監査人が監査対象から独立しているかを、所属部門と監査での役割から判断する問題です。
解き方の考え方
各人が現在どの部門に属し、何を監査するかを照らし合わせます。自分の所属部門を評価する立場になる場合は、独立性の観点から避けるべきです。過去の所属や監査への協力については、今回の監査対象との関係を確かめます。
選択肢ごとの解説
- ○ア 監査チームメンバに任命された総務部のAさんが,他のメンバと一緒に,総務部の入退室管理の状況を監査する。Aさんは総務部に所属し、その総務部の入退室管理を監査します。自部門の業務を自ら評価する関係になるため、他のメンバと一緒でも独立性の問題が残ります。
- ×イ 監査部のBさんが,個人情報を取り扱う業務を委託している外部企業の個人情報管理状況を監査する。監査部のBさんが監査するのは、個人情報を扱う委託先の管理状況です。示された条件ではBさんが自分の業務を評価する関係はなく、アより独立性の問題は小さいと判断できます。
- ×ウ 情報システム部の開発管理者から5年前に監査部に異動したCさんが,マーケティング部におけるインターネットの利用状況を監査する。Cさんは以前、情報システム部に所属していましたが、現在は監査部員です。今回の対象はマーケティング部のインターネット利用であり、以前の開発管理業務を自ら監査する状況は示されていません。
- ×エ 法務部のDさんが,監査部からの依頼によって,外部委託契約の妥当性の監査において,監査人に協力する。法務部のDさんは、外部委託契約の監査に協力する立場です。法務部員が協力するというだけでは、自部門の業務を監査人として評価するアの状況と同じにはなりません。
POINT
- 独立性を考えるときは、監査を担当する人と監査対象の関係を確認します。
- チームで監査しても、自部門を評価する担当者の独立性の問題は解消しません。
- 過去の所属だけで判断せず、今回評価する業務とのつながりを見ます。
