マナビング基本情報技術者

アローダイアグラムで最短所要日数を求める手順とダミー作業の扱い

基本情報技術者試験 令和7年度 問14 / プロジェクトマネジメント › プロジェクトの時間

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令和7年度 問14

図は,あるプロジェクトの作業A~Iとその作業日数を表している。このプロジェクトの最短所要日数は何日か。

令和7年度 問14の図
  1. ア

    27

  2. イ

    28

  3. ウ

    29

  4. エ

    31

会話形式の解説

講師講師
今回はアローダイアグラムから、プロジェクト全体の最短所要日数を求める問題です。注目点は、矢印が合流する結合点と、破線で描かれたダミー作業の扱いです。
受験者受験者
最短所要日数というくらいなので、開始から終了までの経路のうち、いちばん短い経路の日数を答えればよいのでしょうか。
講師講師
そこがよくある誤解です。プロジェクトは、すべての作業が終わらないと完了しません。なので最短でも、合計日数がいちばん長い経路の日数はかかります。この最長の経路をクリティカルパスといい、その日数が最短所要日数になります。
受験者受験者
なるほど。では経路を全部書き出して足し算すればよいですか。経路が多いと見落としそうで不安です。
講師講師
おすすめは、開始点から順に、各結合点へ「最早到達日」を書き込む方法です。最早到達日とは、その時点の作業を最も早く始められる日のことです。矢印が1本だけ入る点では、前の点の日数に作業日数を足します。複数の矢印が入る合流点では、最大値を採用します。ダミー作業は0日として扱います。
受験者受験者
合流点で最大値をとるのは、全部の先行作業が終わるまで次の作業を始められないからですね。やってみます。Aが終わるのが3日目で、Bの終わりが3+6=9日目です。Eの経路は3+5で8日目、ダミーを足しても8日目なので、合流点は9日目です。
講師講師
そのとおりです。次はDの開始点です。ここには何本の矢印が入っているでしょうか。
受験者受験者
Cの9+8=17とFの3+14=17の2本だと思いました。それなら17日目です。
講師講師
ここが落とし穴です。Gの終わりの結合点から、破線のダミー作業がDの開始点に入っています。Gは9+11=20日目に終わり、ダミーは0日なので20です。3本の最大値で、Dの開始点は20日目になります。
受験者受験者
破線を見落としていました。ダミーは日数がないので無視してよいと思っていたのですが、Gが終わるまでDを始められない、という順序を表しているのですね。
講師講師
そうです。ダミー作業は、作業どうしの依存関係だけを表す矢印です。続けて、Iの開始点はどうなりますか。
受験者受験者
Dの経路は20+6=26、Hの経路は9+15=24です。最大値の26日目になるので、終了は26+5=31日目です。
講師講師
正解です。経路で見ると、A→B→G→ダミー→D→Iで、3+6+11+0+6+5=31日になり、結合点ごとの計算と一致します。では、ほかの選択肢の値がどこから出てくるかも確認しましょう。
受験者受験者
29日はA→B→H→Iの合計ですね。でもIの開始点にはDも合流していて、Dが終わる26日目まで待つので、29日にはなりません。
講師講師
そのとおりです。28日は、A→B→C→D→IやA→F→D→Iの合計です。Dの開始にGの終了も必要なことを見落とすと、この値になります。27日は、A→E→ダミー→C→D→Iの合計です。BとEの合流点ではBの9日目を待つ必要があり、Gの経路も無視しているので、これも工期になりません。
受験者受験者
誤りの選択肢は、どれも実在する経路の合計なのですね。経路を1本ずつ足していると、途中で止めてしまいそうです。
講師講師
そこが出題者の狙いです。結合点ごとに最早到達日を書き込み、合流点では必ず最大値をとること、そして破線のダミー作業がどこへ入っているかを先に確認すること。この2点を押さえておけば、図が複雑でも落ち着いて解けます。

まとめ

プロジェクトの最短所要日数は、開始から終了までの経路のうち合計日数が最も長い経路(クリティカルパス)の日数に等しくなります。結合点ごとに最早到達日を書き込み、合流点では入ってくる到達日の最大値をとると、見落としなく求められます。この問題ではGからDの開始点へ入るダミー作業がポイントで、Dの開始は20日目、Iの開始は26日目となり、最短所要日数は31日です。誤りの選択肢の27日・28日・29日は、いずれも一部の経路だけを足した値です。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

アローダイアグラムから、プロジェクト全体の最短所要日数(最短工期)を求める問題です。最短工期は、開始から終了までの経路のうち合計日数が最も長い経路(クリティカルパス)の日数に等しくなります。

解き方の考え方

開始点から順に、各結合点の「最早到達日」を書き込んでいきます。矢印が1本だけ入る結合点では、前の結合点の日数に作業日数を足します。複数の矢印が入る合流点では、すべての先行作業が終わるまで次の作業を始められないため、到達日の最大値を採用します。ダミー作業は0日として扱います。順に計算すると、A終了が3日目、BとEの合流点が max(3+6, 3+5+0)=9日目です。Dの開始点は max(C:9+8=17, F:3+14=17, G:9+11+0=20)=20日目、Iの開始点は max(D:20+6=26, H:9+15=24)=26日目なので、終了は26+5=31日目になります。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  27
    27日は、A→E→ダミー→C→D→I(3+5+0+8+6+5=27)の合計です。BとEの合流点では、Eより遅く終わるBの終了(9日目)を待つ必要があります。またDを始めるにはGの終了も必要なので、この経路の日数では全体の工期になりません。
  2. ×イ  28
    28日は、A→B→C→D→I(3+6+8+6+5)や、A→F→D→I(3+14+6+5)の合計です。しかし、Dの開始にはCとFだけでなくGの終了も必要です。Gが終わるのは20日目なので、Dを17日目に始めることはできません。
  3. ×ウ  29
    29日は、A→B→H→I(3+6+15+5)の合計で、Hの最早終了日は24日目です。Iの開始点にはDも合流しており、Dが26日目に終わるため、Iを始められるのは26日目になります。Iの開始を決めるのはHではなくDです。
  4. ○エ  31
    最長経路はA→B→G→ダミー→D→Iで、3+6+11+0+6+5=31日です。結合点ごとの計算でも、終了点の最早到達日は26+5=31日目となり、経路の合計と一致します。したがって、最短所要日数は31日です。

補足

誤りの選択肢の27日・28日・29日は、どれも実在する経路の合計日数です。ダミー作業を見落としたり、一部の経路だけを足したりすると、これらの値を選びやすくなります。とくにGからの破線のダミー作業は、Dの開始をGの終了まで待たせる意味を持ちます。これを見落とすと、Dの開始が17日目と誤って計算されてしまいます。

POINT

  • プロジェクトの最短所要日数は、クリティカルパス(合計日数が最長の経路)の日数に等しくなります。
  • 合流点の最早到達日は、入ってくる各経路の到達日のうち最大値をとります。
  • ダミー作業は所要日数0日で、作業どうしの依存関係(先に終わっていなければならない作業)だけを表します。
  • 経路を1本ずつ足し上げるより、結合点ごとに最早到達日を書き込むほうが、見落としが少なくなります。

※出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 問14(一部改変)