生成AIのオプトアウトは何のための設定なのか
基本情報技術者試験 令和7年度 問17 / ビジネスインダストリ › ビジネスシステム
過去問にチャレンジ
インターネット上の生成AIサービスを利用する際に,オプトアウトを設定することはどのような場合に有効か。
- ア
個々の利用者が,自身が生成AIから得た情報に対して,著作権を主張したい場合
- イ
個々の利用者が入力した情報を,生成AIの学習に利用させたくない場合
- ウ
個々の利用者が入力した情報を,生成AIを通じて,他の利用者にも知ってほしい場合
- エ
生成AIから得た情報の信ぴょう性を高めたい場合
会話形式の解説
講師今回は、生成AIサービスでの「オプトアウト」という設定が何のためにあるのかを問う問題です。まず言葉の意味を思い出せれば、選択肢はすっきり絞れます。
受験者オプトアウトは聞いたことがありますが、意味があいまいです。何かを「やめる」ような印象だけあります。
講師その印象で合っています。オプトアウトは、利用者が拒否の意思を示して、ある対象から外れる仕組みのことです。では、生成AIサービスで「外れる」対象は何だと思いますか。
受験者利用者が入力した内容でしょうか。入力したデータがAIの学習に使われる、という話を聞いたことがあります。
講師そのとおりです。多くの生成AIサービスは、利用者が拒否しない限り、入力データを学習に使う方針をとっています。そこでオプトアウトを設定して拒否の意思を示せば、入力データを学習の対象から外せます。なので「入力した情報を学習に使わせたくない場合」が正解です。
受験者生成AIから得た情報に著作権を主張したい場合、という選択肢も少し迷いました。自分のデータを守る設定なら、権利の話にもつながりそうに思えたので。
講師そこは紛らわしいところですね。オプトアウトが扱うのは、入力データを学習に使わせるかどうかだけです。生成物に著作権が生じるかや、誰のものになるかを決める設定ではありません。
受験者入力した情報を他の利用者にも知ってほしい場合、というのは、拒否とは逆の方向ですね。
講師はい、情報を広めたいという目的なので、データの利用を拒否するオプトアウトとは向きが逆です。他の利用者に情報を公開するための設定ではありません。
受験者出力の信ぴょう性を高めたい場合も違いますか。学習させなければ、変な情報が混ざりにくくなる気もしました。
講師オプトアウトはデータの利用を制御する仕組みで、出力を正確にする機能は持っていません。出力の信ぴょう性は、一次情報や複数の資料と照らし合わせて自分で確かめる必要があります。
受験者整理すると、オプトアウトは「入力データを学習に使わせない」ための設定で、著作権や出力の正確さとは関係がない、ということですね。
講師そのとおりです。特に個人情報や機密情報を入力する可能性があるときは、情報漏えいを防ぐためにこの設定が重要になります。あわせて、対になる「オプトイン」も覚えておきましょう。利用者が同意して参加することで、「拒否して外れる」のがオプトアウト、「同意して加わる」のがオプトインです。
受験者設定さえすれば、これまで入力した分も消えるのでしょうか。
講師一般には、これから先の学習への利用を止めるもので、すでに学習に使われたデータの消去までは保証されないことがあります。データの保存期間や設定が及ぶ範囲もサービスごとに違うので、実際に使うときは利用規約や設定画面を確認しておくと安心です。
まとめ
生成AIサービスでいうオプトアウトとは、利用者が拒否の意思を示して、入力データを学習への利用から外す設定です。多くのサービスでは利用者が拒否しない限り入力データが学習に使われるため、学習に使わせたくない場合にオプトアウトが有効です。オプトアウトは、生成物の著作権や出力の信ぴょう性を左右する機能ではなく、情報を他者と共有するための設定でもありません。対になる言葉は、同意して参加する「オプトイン」です。すでに学習に使われたデータの消去までは保証されないことがあるため、利用規約や設定画面を確認することが大切です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
生成AIサービスでいう「オプトアウト」の意味を理解しているかと、それがどのような目的で使われるかを問う問題です。
解き方の考え方
まず「オプトアウト」という言葉そのものの意味を思い出します。オプトアウトとは、利用者が拒否の意思を示して、ある対象から外れる仕組みのことです。生成AIサービスでは、利用者が拒否しない限り入力データを学習に使う方針のものが多いので、ここで外れる対象は「入力データの学習への利用」だと考えられます。あとは、各選択肢が「データの利用を拒否する」という方向に合っているかどうかを確かめれば、正解を選べます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 個々の利用者が,自身が生成AIから得た情報に対して,著作権を主張したい場合生成物の著作権を主張したいという説明は、オプトアウトの目的とは関係がありません。オプトアウトは入力データを学習に使わせないための設定で、生成物に著作権が生じるかどうかや、誰に帰属するかを決めるものではありません。
- ○イ 個々の利用者が入力した情報を,生成AIの学習に利用させたくない場合入力した情報を生成AIの学習に使わせたくないという説明は、オプトアウトの役割と一致します。多くのサービスでは、拒否しない限り入力データが学習に使われます。そのため、利用を拒否する意思をオプトアウトの設定で示すことで、入力データを学習の対象から外せます。
- ×ウ 個々の利用者が入力した情報を,生成AIを通じて,他の利用者にも知ってほしい場合入力した情報を他の利用者にも知ってほしいという説明は、情報を広く共有したいという目的です。データの利用を拒否するオプトアウトとは、向きが逆になります。オプトアウトは、他の利用者に情報を公開するための設定ではありません。
- ×エ 生成AIから得た情報の信ぴょう性を高めたい場合生成AIの出力の信ぴょう性を高めたいという説明は、オプトアウトの役割に当てはまりません。オプトアウトはデータの利用を制御する仕組みで、出力の正確さを上げる機能は持っていません。出力の信ぴょう性は、一次情報や複数の資料と照らし合わせて確かめる必要があります。
補足
オプトアウトと対になる言葉が「オプトイン」で、利用者が同意して参加することを指します。「拒否して外れる」のがオプトアウト、「同意して加わる」のがオプトインと、セットで覚えると混同しにくくなります。なお、オプトアウトは一般にこれから先の学習への利用を止めるもので、すでに学習に使われたデータの消去までは保証されないことがあります。また、データの保存期間や設定が及ぶ範囲はサービスごとに違うため、実際に使うときは利用規約や設定画面を確認しておくと安心です。
POINT
- オプトアウトとは、利用者が拒否の意思を示して、ある対象から外れる仕組みです。
- 多くの生成AIサービスでは、利用者が拒否しない限り、入力データが学習に使われます。
- 個人情報や機密情報を入力する可能性があるときは、情報漏えいを防ぐためにオプトアウトの設定が重要です。
- オプトアウトは、著作権の扱いや出力の正確さを左右する機能ではありません。
