マナビング基本情報技術者

ロングテールを成功させる施策は何か 成立条件から考える

基本情報技術者試験 令和7年度 問18 / ビジネスインダストリ › e-ビジネス

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令和7年度 問18

物販事業において,ロングテールをビジネスとして成功させるために必要な施策はどれか。

  1. ア

    多くの有名ブランド店が出店するショッピングモールの構築

  2. イ

    交通の利便性が高い地域に対する,生活必需品を広く浅く取りそろえた出店計画

  3. ウ

    店舗で購入した商品を近隣地域に無償で配送するサービスの実施

  4. エ

    豊富な品ぞろえと,在庫コストや配送費用を抑えるための大規模な物流センタの構築や活用

会話形式の解説

講師講師
今回はロングテールという考え方がテーマです。言葉の意味を押さえたうえで、その考え方で利益を出すには何が欠かせないかを考えると、選択肢を絞り込めます。
受験者受験者
ロングテールは聞いたことがありますが、売上のグラフで右側に長く伸びた部分のこと、くらいの理解です。
講師講師
その理解で入り口は合っています。売れる数を多い順に並べると、右側には月に数個しか売れない商品が延々と続きます。この細長い尾の部分の商品を大量にそろえて、一つ一つの小さな売上を合計で大きな収益にするのがロングテールの発想です。
受験者受験者
そうすると、まず扱う商品の種類が多くないと始まりませんね。
講師講師
そうです。ただ、種類を増やせば倉庫に置く在庫も、ばらばらの注文を届ける手間も増えます。売れ行きの少ない商品でもコストで赤字にならない仕組みが、もう一つの条件になります。
受験者受験者
品ぞろえの多さと、在庫や配送のコストを抑える仕組みの両方が必要ということですね。そう考えると、大規模な物流センタで在庫をまとめて配送も効率化する施策が、両方に当てはまりそうです。
講師講師
その通りで、これが正解です。では、有名ブランド店を集めたショッピングモールの案はどう見ますか。
受験者受験者
集客力はありそうですが、よく売れる人気商品に寄せた施策なので、グラフでいえば左側の高い部分を狙っている気がします。
講師講師
よい見方です。売れ筋の上位商品、いわゆるヘッドに集中する施策なので、尾の部分を積み上げる考え方とは向きが逆になります。
受験者受験者
交通の便がよい場所に生活必需品を広く浅く並べる出店計画は、品ぞろえが広いので少し迷いました。
講師講師
迷いやすいところです。ここでの「広く浅く」は、日常よく買われる品を一通り置くという意味で、需要の少ないニッチな商品を膨大に扱う話ではありません。日々の買い物客を取り込むための店舗戦略と考えるのが自然です。
受験者受験者
店で買った商品を近所に無料で届けるサービスはどうでしょうか。配送の話なので物流の案と似ている気もします。
講師講師
こちらは買った人の手間を減らす販促策です。商品の種類が増えるわけでも、在庫のコストが下がるわけでもないので、二つの条件のどちらも満たしていません。むしろ無償配送の分だけ費用は増えます。
受験者受験者
整理すると、多品種をそろえることと、それを低いコストで回すことの両方を満たす施策を選べばよい、ということですね。
講師講師
その理解で大丈夫です。補足すると、ロングテールと対比されやすいのがパレートの法則で、上位2割ほどの商品が売上の8割ほどを占めるという経験則です。売場の広さに限りがある実店舗は売れ筋を優先して並べがちで、この問題のショッピングモールの案もその発想に近いものです。一方、置ける商品数の制約が小さいネット販売は、ロングテールと相性がよい形態です。

まとめ

ロングテールとは、少ししか売れない商品を多品種そろえ、その売上を合計して収益にする考え方です。成功させるには、豊富な品ぞろえと、多品種化で増える在庫・配送コストを抑える仕組みの両方が必要です。大規模な物流センタを活用しつつ品ぞろえを充実させる施策は、この二つを満たすため正解になります。有名ブランドの集積は売れ筋に集中する発想で、生活必需品の出店計画や無償配送サービスも成立条件を満たしません。パレートの法則との対比や、ネット販売との相性も合わせて押さえておくと理解が深まります。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

物販事業でロングテールを収益につなげるために、どのような施策が必要かを問う問題です。ロングテールの考え方を理解し、成り立たせるための条件を見抜けるかが問われています。

解き方の考え方

まず、ロングテールの意味を確認します。売れ行きの少ない商品を多品種そろえ、その売上を積み上げて大きな収益にする考え方です。そのため、豊富な品ぞろえと、多品種を扱うことで増える在庫・配送コストを抑える仕組みの二つが必要になります。各選択肢がこの二つの条件を満たしているかを確かめると、答えを一つに絞れます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  多くの有名ブランド店が出店するショッピングモールの構築
    有名ブランド店を集めるショッピングモールの施策は、よく売れる上位の商品(ヘッド)に偏っています。ニッチな商品を多数扱って売上を積み上げるロングテールとは、方向性が違います。
  2. ×イ  交通の利便性が高い地域に対する,生活必需品を広く浅く取りそろえた出店計画
    交通の便がよい場所に生活必需品を広く浅くそろえる出店計画は、日常の需要を取り込むための店舗戦略です。需要の少ない商品を膨大な種類扱う施策ではないため、ロングテールの説明には当てはまりません。
  3. ×ウ  店舗で購入した商品を近隣地域に無償で配送するサービスの実施
    店舗で買った商品を近隣へ無償で配送するサービスは、購入者の利便性を高める販促策です。これだけでは豊富な品ぞろえも在庫コストの削減も実現できず、ロングテールの成立条件を満たしません。
  4. ○エ  豊富な品ぞろえと,在庫コストや配送費用を抑えるための大規模な物流センタの構築や活用
    豊富な品ぞろえを用意しつつ、大規模な物流センタで在庫を集約し、配送を効率化してコストを抑える施策です。ロングテールに必要な「多品種」と「低コスト運用」の両方を満たしているため、これが正解です。

補足

ロングテールとよく対比されるのがパレートの法則で、上位約2割の商品が売上の約8割を占めるという経験則です。実店舗は売場面積の制約があるため、売れ筋を優先して並べる傾向があります。選択肢に「有名ブランド」や「売れ筋」など上位商品に集中する表現があれば、ロングテールとは逆の発想だと判断できます。

POINT

  • ロングテールは、一つ一つは少ししか売れない商品を多品種そろえ、その売上の合計で収益を上げる考え方です。
  • ロングテールを成功させるには、豊富な品ぞろえが前提になります。
  • 多品種を扱うと在庫・配送コストが増えるため、大規模物流センタなどでコストを抑える仕組みが欠かせません。
  • 商品点数の制約が小さいインターネット販売は、ロングテールと相性がよい販売形態です。

※出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 問18