ITガバナンスの意味と関連用語の見分け方
ITパスポート試験 令和2年度10月 問45 / システム監査 › 内部統制
過去問にチャレンジ
ITガバナンスの説明として,最も適切なものはどれか。
- ア
企業が競争優位性構築を目的に,IT戦略の策定・実行をコントロールし,あるべき方向へ導く組織能力のこと
- イ
事業のニーズを満たす良質のITサービスを実施すること
- ウ
情報システムにまつわるリスクに対するコントロールが,適切に整備,運用されていることを第三者が評価すること
- エ
情報セキュリティを確保,維持するために,技術的,物理的,人的,組織的な視点からの対策を,経営層を中心とした体制で組織的に行うこと
会話形式の解説
講師この問題では、何を対象に、誰が何をするかを見ると、似た説明を区別できます。
受験者経営層を中心に対策する説明が、ITガバナンスに見えました。
講師組織的な活動という点は似ています。ただ、その説明の対象は情報セキュリティ対策です。
受験者では、事業のニーズに合う良質なITサービスを提供する説明はどうですか。
講師それはITサービスマネジメントです。サービスの提供に着目しており、IT戦略の方向と実行を統制する組織能力の説明ではありません。
受験者情報システムのリスクへの管理策を評価する説明も、統制に関係しそうです。
講師そこでは「第三者が評価する」が手掛かりです。管理策の整備や運用を評価するシステム監査を述べています。
受験者残るのは、IT戦略の策定と実行をコントロールして、企業が目指す方向へ導く説明ですね。
講師はい。それがITガバナンスです。経営目的に沿ってITの方針と実行を統制する組織能力で、IT投資やその成果を評価する視点も含まれます。
受験者経営層が関わるかどうかだけで決めず、対象がIT戦略全体なのかを確認します。
講師その見方で整理できます。サービスの提供、第三者による評価、セキュリティ対策という対象の違いにも注目してください。
まとめ
正解はアです。ITガバナンスは、経営目的に沿ってIT戦略の方向と実行を統制する組織能力を指します。良質なITサービスの提供はITサービスマネジメント、第三者による管理策の評価はシステム監査です。組織的な情報セキュリティ対策の説明とも、活動の対象を見て区別します。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
ITガバナンスの意味を、ITサービスの提供、システム監査、情報セキュリティ管理と区別する問題です。
解き方の考え方
誰が何を対象にしているかに注目します。IT戦略の方向を定め、その実行を経営目的に沿って統制する組織の能力を述べているものを選びます。サービスの提供、第三者による評価、セキュリティ対策は、それぞれ別の活動です。
選択肢ごとの解説
- ○ア 企業が競争優位性構築を目的に,IT戦略の策定・実行をコントロールし,あるべき方向へ導く組織能力のことIT戦略の策定と実行をコントロールし、企業が目指す方向へ導く組織能力を述べています。これはITガバナンスの説明です。IT投資やその成果を評価する視点も含まれます。
- ×イ 事業のニーズを満たす良質のITサービスを実施すること事業のニーズに応じて良質なITサービスを提供することを述べています。これはITサービスマネジメントに当たります。IT戦略の方向と実行を組織として統制する能力の説明ではありません。
- ×ウ 情報システムにまつわるリスクに対するコントロールが,適切に整備,運用されていることを第三者が評価すること情報システムに関する管理策の整備や運用を第三者が評価することを述べています。これはシステム監査に当たります。判断の手掛かりは「第三者が評価する」という部分です。
- ×エ 情報セキュリティを確保,維持するために,技術的,物理的,人的,組織的な視点からの対策を,経営層を中心とした体制で組織的に行うこと技術面だけでなく、人や組織の面も含めて情報セキュリティ対策を行う説明です。これは情報セキュリティの管理に関するものです。対象がセキュリティ対策に絞られている点で、アとは異なります。
補足
どの選択肢にも「ITに関する管理」という共通点があります。対象がIT戦略全体なのか、サービス、監査、セキュリティなのかを見分けると解きやすくなります。
POINT
- ITガバナンスは、経営目的に沿ってITの方針と実行を統制する組織能力です。
- ITサービスの提供に着目した説明は、ITサービスマネジメントを考えます。
- 第三者による管理策の評価は、システム監査を考えます。
- 組織的なセキュリティ対策は、情報セキュリティ管理を考えます。
