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技術ロードマップとは何かを選択肢の比較で確かめる

ITパスポート試験 令和3年度 問10 / 技術戦略マネジメント › 技術開発戦略の立案・技術開発計画

過去問にチャレンジ

令和3年度 問10

技術ロードマップの説明として,適切なものはどれか。

  1. ア

    カーナビゲーションシステムなどに用いられている最短経路の探索機能の実現に必要な技術を示したもの

  2. イ

    業務システムの開発工程で用いるソフトウェア技術の一覧を示したもの

  3. ウ

    情報システム部門の人材が習得すべき技術をキャリアとともに示したもの

  4. エ

    対象とする分野において,実現が期待されている技術を時間軸とともに示したもの

会話形式の解説

講師講師
今回は技術ロードマップの定義を問う問題です。「ロードマップ」という言葉が何を意味するかを押さえると、選択肢を絞り込みやすくなります。
受験者受験者
ロードマップと聞くと、私は道路地図を思い浮かべます。なので、カーナビの最短経路の探索に必要な技術の説明が、名前に近いように感じました。
講師講師
そこがこの問題の引っかけです。最短経路の探索は、カーナビなどで使われる経路探索アルゴリズム、つまり道順を計算する手順の話です。名前から道路を連想させていますが、技術ロードマップとは別のものです。
受験者受験者
では、ロードマップの「ロード」は実際の道路ではないということですか。
講師講師
はい。ロードマップは「行程表」と考えてください。技術が進んでいく道筋を、時間の流れに沿って示すという意味です。ですから、技術ロードマップは「いつごろ、どの技術が実現しそうか」を示す資料になります。
受験者受験者
そうすると、開発工程で使うソフトウェア技術の一覧も、技術を並べている点では近い気がします。
講師講師
技術を扱ってはいますが、使う技術を並べた一覧にとどまっています。それぞれの技術がいつ実現しそうかという時期が示されていないので、技術ロードマップには当たりません。
受験者受験者
人材が習得すべき技術をキャリアとともに示したものは、キャリアという時間の流れがあるので、迷いました。
講師講師
よく気づきました。ただ、それは個人の成長の道筋を示す、人材育成に関わる資料の説明です。技術ロードマップが示すのは、個人ではなく、対象とする分野の技術の見通しです。
受験者受験者
残るのは、対象分野で実現が期待される技術を時間軸とともに示したもの、という説明ですね。行程表という意味にも合っています。
講師講師
そのとおりです。これが技術ロードマップの定義そのものです。研究開発の計画を立てるときなどに、どの技術にいつまでに取り組むかを考える材料として使われます。
受験者受験者
「時間軸」と「実現が期待される技術」の両方がそろっているかを確かめればよい、ということですね。
講師講師
はい、その二つが判断の手がかりです。補足すると、人材が身につける技術とキャリアの対応を整理したものは、ITスキル標準(ITSS)のような人材育成の分野で扱われます。カタカナ語の響きにまどわされず、何を何に沿って示す資料なのかで見分けてください。

まとめ

技術ロードマップは、対象とする分野で実現が期待される技術を、いつごろ実現しそうかという時間軸とともに示した資料で、研究開発の計画づくりに使われます。「ロードマップ」は行程表のことで、実際の道路や経路を指すものではないため、カーナビの最短経路探索の技術とは関係がありません。開発で使う技術を並べた一覧は時期を示していないので当たらず、人材のキャリアと習得すべき技術を示したものはITスキル標準(ITSS)のような人材育成の分野の資料です。「時間軸」と「実現が期待される技術」の両方を含むかどうかで判断できます。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

技術ロードマップとは何かを問う問題です。似た言葉や関係のない技術の説明の中から、技術ロードマップの定義に合うものを選びます。

解き方の考え方

「ロードマップ」は「行程表」のことなので、「いつごろ、どの技術が実現しそうか」を時間の流れに沿って示す資料だと考えます。この点を手がかりにして、各選択肢に「時間軸」と「実現が期待される技術」の両方が含まれているかを確かめます。最短経路の探索、技術の一覧、人材のキャリアは、どれもこの条件を満たしません。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  カーナビゲーションシステムなどに用いられている最短経路の探索機能の実現に必要な技術を示したもの
    アの最短経路の探索機能に必要な技術の説明は、カーナビなどで使われる経路探索アルゴリズムの話です。「ロードマップ」という語から地図や道路を連想させますが、技術の実現時期を時間軸で示す資料ではありません。
  2. ×イ  業務システムの開発工程で用いるソフトウェア技術の一覧を示したもの
    イの開発工程で使うソフトウェア技術の一覧は、使う技術を並べたものにとどまります。それぞれの技術がいつ実現しそうかという時期を示していないため、技術ロードマップには当たりません。
  3. ×ウ  情報システム部門の人材が習得すべき技術をキャリアとともに示したもの
    ウの人材が習得すべき技術をキャリアとともに示したものは、人材育成に関わる資料の説明です。技術ロードマップは個人の成長の道筋ではなく、対象分野の技術の見通しを示すものなので、当てはまりません。
  4. ○エ  対象とする分野において,実現が期待されている技術を時間軸とともに示したもの
    エの対象分野で実現が期待される技術を時間軸とともに示したものという説明は、技術ロードマップの定義そのものです。研究開発の計画を立てるときなどに、どの技術にいつまでに取り組むかを考える材料として使われます。

補足

カーナビの経路探索と技術ロードマップは別の概念です。「ロードマップ」の「ロード(道)」は、技術が進む道筋を時間に沿って示すという意味で、実際の道路や経路のことではありません。また、人材が身につける技術とキャリアの対応を整理したものは、ITスキル標準(ITSS)のような人材育成の分野で扱われます。

POINT

  • 技術ロードマップは、対象分野の技術がいつごろ実現しそうかを時間軸で示した資料です。
  • 技術ロードマップは、研究開発の計画を立てるときに使われます。
  • 「時間軸」と「実現が期待される技術」の両方を含む説明が、技術ロードマップに当たります。
  • 技術を並べただけの一覧や、人材のキャリアと技術の対応表は、技術ロードマップではありません。

※出典:令和3年度 ITパスポート試験 問10