未来の目標から逆算する思考法の名前は?PoC・PoVも整理
ITパスポート試験 令和6年度 問3 / 技術戦略マネジメント › 技術開発戦略の立案・技術開発計画
過去問にチャレンジ
未来のある時点に目標を設定し,そこを起点に現在を振り返り,目標実現のために現在すべきことを考える方法を表す用語として,最も適切なものはどれか。
- ア
PoC(Proof of Concept)
- イ
PoV(Proof of Value)
- ウ
バックキャスティング
- エ
フォアキャスティング
会話形式の解説
講師今回は思考法の名前を問う問題です。注目してほしいのは考える向きです。目標を未来に置いて、そこから現在を振り返る、と書かれていますね。
受験者選択肢に「キャスティング」が二つありますが、どちらも未来のことを考える方法に見えて、私には区別がつきません。
講師違いは英語の前半にあります。「バック」は後ろ向き、「フォア」は前向きという意味です。バックキャスティングは、未来の目標から現在へさかのぼって、目標に届くまでの道筋を描く思考法です。
受験者では、フォアキャスティングは現在から先へ向かって考える方法ということですか。
講師そのとおりです。現状や過去の傾向・データを出発点にして将来を予測し、少しずつ変えながら目標の実現を考えます。向きが現在から未来なので、今回の説明とは逆になります。
受験者未来を起点にして今すべきことを考えるので、正解はバックキャスティングですね。PoCとPoVは同じような略語で、どちらも何かの証明に見えます。
講師どちらも導入前に行う検証の取組です。PoCは概念実証と訳され、技術やアイデアが実現できるかどうかを、本格導入の前に小規模な実験で確かめます。
受験者PoVのVはValue、つまり価値なので、導入してどれだけ価値があるかを確かめるものでしょうか。
講師はい。PoVは価値検証で、導入によって得られる価値や効果を確かめます。実現の見通しが立った後に、その価値の大きさを測るために行うものです。どちらも検証の手法なので、時間の向きを表す思考法ではありません。
受験者整理すると、未来から逆算するのがバックキャスティング、現在から先へ考えるのがフォアキャスティング、実現できるかを確かめるのがPoC、価値があるかを確かめるのがPoVですね。
講師よく整理できています。補足すると、バックキャスティングはSDGsのように大きな変革が必要な目標を実現するための思考法として注目されています。今の延長線上で考えないので、現在の制約にとらわれにくいのが特徴です。PoCとPoVはどちらも「Proof of」で始まるので、Conceptは「実現できるか」、Valueは「価値があるか」と覚えておくと引っかけに強くなります。
まとめ
未来に目標を置き、そこから現在へさかのぼって今すべきことを考える思考法はバックキャスティングです。フォアキャスティングは現状や過去のデータを出発点に将来を考える方法で、時間の向きが逆になります。PoC(概念実証)は技術やアイデアが実現できるかを確かめる検証で、PoV(価値検証)は導入で得られる価値や効果を確かめる検証です。「バック/フォア」で向きを、「Concept/Value」で検証の目的を見分けると、紛らわしい選択肢も区別できます。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
未来の目標を起点にして、現在すべきことを逆算して考える思考法の名称を問う問題です。あわせて、PoC・PoVといった検証の取組や、フォアキャスティングとの違いを理解しているかも問われています。
解き方の考え方
まず問題文のキーワードを押さえます。「未来」に目標を置き、そこから「現在を振り返る」とあるので、考える向きは未来から現在です。選択肢のうち、PoCとPoVは導入前に行う検証の取組で、時間の向きを表す考え方ではないため外せます。残る二つでは、「バック(後ろ向き=未来から逆算)」と「フォア(前向き=現在から先へ)」の違いに注目すれば、答えが決まります。
選択肢ごとの解説
- ×ア PoC(Proof of Concept)PoC(概念実証)は、技術やアイデアが実現できるかどうかを、本格導入の前に小規模な実験で確かめる取組です。実現の可能性を確かめることが目的で、未来の目標から逆算して今の行動を決める考え方ではありません。
- ×イ PoV(Proof of Value)PoV(価値検証)は、導入によってどれだけの価値や効果が得られるかを確かめる取組です。実現の見通しが立った後に、その価値の大きさを測るために行います。これも検証の手法であり、問題文の考え方とは異なります。
- ○ウ バックキャスティングバックキャスティングは、未来に目標を置き、そこから現在へさかのぼって目標に届くまでの道筋を描く思考法です。「未来を起点に現在すべきことを考える」という問題文の説明と一致するので、これが正解です。
- ×エ フォアキャスティングフォアキャスティングは、現状や過去の傾向・データを出発点に将来を予測し、少しずつ変えていきながら目標の実現を考える方法です。考える向きは現在から未来で、問題文とは逆になります。
補足
バックキャスティングは、SDGsのように大きな変革が必要な目標を実現するための思考法として注目されています。今の延長線上で考えないので、現在の制約にとらわれにくいのが特徴です。PoCとPoVはどちらも「Proof of」で始まるため混同しやすい用語ですが、Conceptは「実現できるか」、Valueは「価値があるか」を確かめるものと覚えると区別できます。
POINT
- バックキャスティングは、未来の目標から現在へ逆算して、今すべき行動を決める思考法です。
- フォアキャスティングは、現在や過去のデータを出発点に未来を考える方法で、バックキャスティングとは時間の向きが逆です。
- PoCは技術やアイデアの実現可能性を確かめる検証で、本格導入の前に行います。
- PoVは導入によって得られる価値や効果を確かめる検証で、実現の見通しが立った後に行います。
