RPAが向いている作業とは?場所と作業の性質で考える
ITパスポート試験 令和3年度 問11 / システム戦略 › 業務プロセス
過去問にチャレンジ
RPA(Robotic Process Automation)の特徴として,最も適切なものはどれか。
- ア
新しく設計した部品を少ロットで試作するなど,工場での非定型的な作業に適している。
- イ
同じ設計の部品を大量に製造するなど,工場での定型的な作業に適している。
- ウ
システムエラー発生時に,状況に応じて実行する処理を選択するなど,PCで実施する非定型的な作業に適している。
- エ
受注データの入力や更新など,PCで実施する定型的な作業に適している。
会話形式の解説
講師今回はRPAの特徴を問う問題です。選択肢は「工場の作業かPCの作業か」と「手順の決まった定型作業か、状況に応じて判断する非定型作業か」の二つの軸の組合せで作られています。この二つに注目して見ていきましょう。
受験者略語が多くて、RPAが何の略だったか自信がありません。「ロボット」と入っているので、工場で部品を作る機械のことかと思っていました。
講師名前に「ロボット」と入っているので、工場の機械を思い浮かべやすいですね。RPAはRobotic Process Automationの略で、ソフトウェアのロボットがPC上の操作を人の代わりに自動で行う仕組みです。工場で動く機械ではありません。
受験者そうすると、同じ部品を大量に製造する選択肢は、定型的という点は合っていても、工場での物理的な作業なので違うということですか。
講師そのとおりです。そうした製造で使われるのは産業用ロボットなどで、PC操作を自動化するRPAとは別物です。新しい部品を少ロットで試作する選択肢も工場での作業ですし、試作は内容に応じた判断が必要な非定型の作業なので、二つの軸のどちらでも外れます。
受験者残りの二つはどちらもPCの作業ですね。システムエラーのときに状況に応じて処理を選ぶほうは、PC上なら当てはまりそうな気もします。
講師場所の軸は合っていますが、性質の軸を見てください。状況ごとに判断して処理を選ぶのは非定型的な作業で、通常のRPAには向きません。RPAが得意なのは、決められた手順をそのとおりに繰り返すことです。
受験者それなら受注データの入力や更新は、PCで決まった手順に沿って繰り返す作業なので、RPAに向いているということですね。
講師はい。「PC上」と「定型」の両方の条件を満たすので、これが正解です。データ入力や転記のような、手順が決まった反復作業はRPAの代表的な対象です。
受験者整理すると、RPAはPC上の定型的な反復作業を自動化する仕組みで、工場で物を作る作業はRPAの対象ではなく、状況に応じた判断が必要な作業は通常のRPAには向かない、ということですね。
講師正確にまとめられています。名前の「ロボット」につられず、まず「工場かPCか」、次に「定型か非定型か」と二つの軸で整理すると、似た問題も迷わず解けます。
まとめ
RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアのロボットがPC上の操作を人の代わりに自動で行う仕組みです。データ入力や転記など、手順の決まった反復作業に向いています。工場で物を作る作業は産業用ロボットなどの領域でRPAの対象ではなく、状況に応じた判断が必要な作業は通常のRPAには向きません。選択肢は「工場かPCか」と「定型か非定型か」の組合せで作られているので、二つの軸で整理すると正解の受注データの入力・更新にたどり着けます。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
RPA(Robotic Process Automation)が何を自動化する仕組みで、どのような性質の作業に向いているかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、各選択肢の作業が、工場での物理的な作業か、PC上の操作かを確かめます。次に、その作業が手順の決まった定型作業か、状況に応じた判断が必要な非定型作業かを確かめます。RPAは、ソフトウェアのロボットがPC上の操作を代わりに行う仕組みです。したがって、「PC上」かつ「定型」の組合せの選択肢を選びます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 新しく設計した部品を少ロットで試作するなど,工場での非定型的な作業に適している。新部品を少ロットで試作する、という肢です。これは工場での物理的な作業で、PC上の操作を自動化するRPAの対象ではありません。さらに、試作は内容に応じた判断が必要な非定型の作業なので、性質の面でもRPAに向きません。したがって、誤りです。
- ×イ 同じ設計の部品を大量に製造するなど,工場での定型的な作業に適している。同じ部品を大量に製造する、という肢です。作業が定型的という点は合っていますが、工場での物理的な製造です。こうした作業に使われるのは産業用ロボットなどで、PC操作を自動化するRPAとは別物です。したがって、誤りです。「ロボット」という言葉につられないよう注意しましょう。
- ×ウ システムエラー発生時に,状況に応じて実行する処理を選択するなど,PCで実施する非定型的な作業に適している。システムエラー時に状況に応じて処理を選ぶ、という肢です。PC上の作業ではありますが、状況ごとの判断が必要な非定型の作業です。RPAは決められた手順をそのとおりに繰り返すことを得意とするため、通常のRPAには向きません。したがって、誤りです。
- ○エ 受注データの入力や更新など,PCで実施する定型的な作業に適している。受注データの入力や更新をPCで行う、という肢です。これは、PCで決まった手順に沿って繰り返す定型作業です。RPAは手順の決まった反復作業を自動化するのに向いており、「PC上」「定型」の両方を満たします。したがって、エが正解です。
補足
名前に「ロボット」と入っているため、工場の機械を思い浮かべがちです。しかしRPAが動くのはPCの中です。この問題の4つの選択肢は、「工場かPCか」と「定型か非定型か」の組合せで分けられます。二つの軸で整理すると、似た問題も迷わず解けます。
POINT
- RPAは、ソフトウェアのロボットがPC上の操作を人の代わりに自動で行う仕組みです。
- RPAは、データ入力や転記など、手順が決まった反復作業に向いています。
- 状況に応じた柔軟な判断が必要な作業は、RPA単体には向きません。
- 工場で物を作る作業は産業用ロボットなどの領域で、RPAの対象ではありません。
