開発前の検証を表す用語PoCと、紛らわしい略語の見分け方
ITパスポート試験 令和7年度 問7 / 技術戦略マネジメント › 技術開発戦略の立案・技術開発計画
過去問にチャレンジ
新しい概念やアイディアの実証を目的とした,開発の前段階における検証を表す用語はどれか。
- ア
CRM
- イ
PoC
- ウ
RAS
- エ
SLA
会話形式の解説
講師今回は略語の意味を問う問題です。問題文の「概念やアイディアの実証」と「開発の前段階」という2つの語句に注目してください。
受験者略語が4つ並んでいて、どれも見たことはあるのですが、意味がはっきりしません。検証という言葉からは、品質に関係しそうなRASが気になりました。
講師略語の問題では、元の英語に戻すのが近道です。「概念の実証」を英語にするとProof of Conceptで、その略がPoCです。日本語では概念実証といいます。
受験者問題文の言葉をそのまま英語にした形なのですね。具体的にはどのようなことをするのですか。
講師本格的な開発や導入を始める前に、新しい概念やアイディアが実現できるか、有効かを確かめます。IT分野では、技術的な課題や期待できる効果を確かめるためによく行われます。
受験者では、私が気になったRASは何の略ですか。
講師RASは信頼性(Reliability)・可用性(Availability)・保守性(Serviceability)の頭文字で、システムの品質を評価する指標です。Remote Access Serverの略として、社外から社内ネットワークに接続するためのサーバを指す場合もあります。どちらの意味でも、検証の段階を表す用語ではありません。
受験者品質の「指標」であって、開発前に試す「取組み」ではないということですね。CRMは顧客に関係する言葉だった気がします。
講師そのとおりです。CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理を意味します。顧客情報をまとめて管理し、顧客との関係を強めるための手法や仕組みのことです。
受験者SLAはサービスの品質を決めるものだったでしょうか。品質という点でRASと混ざりそうです。
講師SLAはService Level Agreementの略で、サービスレベル合意書のことです。サービスの提供者と利用者のあいだで、サービスの品質や内容を取り決める「合意」です。RASはシステムの品質を測る「指標」なので、Agreementという単語で区別できます。
受験者まとめると、開発前に新しい概念やアイディアを確かめるのはPoCで、CRMは顧客関係管理、RASは信頼性・可用性・保守性、SLAはサービスレベル合意ですね。
講師そのとおりです。補足すると、PoCは限られた範囲で、短い期間と少ない費用で行われることが多く、その結果は実際に開発するか、投資するかを判断する材料になります。
講師また、プロトタイプ(試作品)やパイロット(試験的な導入)とは目的や行う段階が異なります。試験で問われることがあるので、違いを押さえておくと役立ちます。略語は元の英語を思い出して意味を確かめる習慣をつけると、得点しやすくなります。
まとめ
開発の前段階で、新しい概念やアイディアが実現できるか、有効かを確かめる取組みをPoC(Proof of Concept、概念実証)といいます。PoCの結果は、実際に開発や投資をするかを判断する材料になります。CRMは顧客関係管理、RASは信頼性・可用性・保守性(またはRemote Access Server)、SLAはサービスレベル合意を表し、いずれも検証の段階を指す用語ではありません。略語は元の英語に戻して意味を確かめると絞り込みやすくなります。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
開発に入る前の段階で、新しい概念やアイディアが実現できるかを確かめる取組みを何と呼ぶかを問う問題です。似た略語のCRM・RAS・SLAと区別できるかも試されます。
解き方の考え方
問題文の「概念やアイディアの実証」と「開発の前段階」という2つの語句に注目します。「概念の実証」を英語にするとProof of Conceptとなり、その略語がPoCです。ほかの3つの略語は、それぞれ顧客管理、システムの品質指標、サービス水準の合意を表し、検証の段階を指す用語ではありません。略語を元の英語に戻して意味を確かめると、迷わずに絞り込めます。
選択肢ごとの解説
- ×ア CRMアのCRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理を意味します。顧客情報をまとめて管理し、顧客との関係を強めるための手法や仕組みのことです。開発前に行う検証を指す用語ではありません。
- ○イ PoCイのPoCはProof of Conceptの略で、日本語では概念実証といいます。本格的な開発や導入を始める前に、新しい概念やアイディアが実現できるか、有効かを確かめる取組みなので、問題文の説明に合っています。IT分野では、技術的な課題や期待できる効果を確かめるためによく行われます。
- ×ウ RASウのRASは、信頼性(Reliability)・可用性(Availability)・保守性(Serviceability)の頭文字をとったもので、システムの品質を評価する指標です。Remote Access Serverの略として、社外から社内ネットワークに接続するためのサーバを指す場合もあります。どちらの意味でも、検証の段階を表す用語ではありません。
- ×エ SLAエのSLAはService Level Agreementの略で、サービスレベル合意書のことです。サービスの提供者と利用者のあいだで、サービスの品質や内容を取り決めるための合意を指します。開発前の検証とは関係がありません。
補足
PoCは、限られた範囲で、短い期間と少ない費用で行われることが多い取組みです。プロトタイプ(試作品)やパイロット(試験的な導入)とは目的や行う段階が異なるため、言葉の違いをはっきりさせておくと引っかけにも対応しやすくなります。略語の問題では、元の英語を思い出して意味を確かめる習慣をつけると、確実に得点できます。
POINT
- PoCはProof of Conceptの略で、概念実証と訳されます。
- PoCは本格的な開発や導入の前に、新しい概念やアイディアの実現可能性を確かめるために行います。
- PoCの結果は、実際に開発するか、投資するかを判断する材料として使われます。
- CRMは顧客関係管理、RASは信頼性・可用性・保守性、SLAはサービスレベル合意を表します。
