テレワークとは?BYODやワークライフバランスとの違い
ITパスポート試験 令和3年度 問24 / システム戦略 › 業務プロセス
過去問にチャレンジ
テレワークに関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
ITを活用した,場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと
- イ
ある業務に対して従来割り当てていた人数を増員し,業務を細分化して配分すること
- ウ
個人が所有するPCやスマートデバイスなどの機器を,会社が許可を与えた上でオフィスでの業務に利用させること
- エ
仕事の時間と私生活の時間の調和に取り組むこと
会話形式の解説
講師今回は、テレワークの意味を選ぶ問題です。選択肢には別の用語の説明が混ざっているので、それぞれがどの用語の説明なのかを当てはめていきます。
受験者テレワークは在宅勤務のことだと思っていました。でも、私物のパソコンを使う説明や、仕事と私生活の調和の説明も、テレワークに関係がありそうで迷います。
講師迷いやすいところですね。まず言葉の成り立ちから考えます。「テレ」は「離れた」という意味で、テレワークはITを使って、オフィスから離れた場所で働くことを指します。在宅勤務だけでなく、外出先で働くモバイルワークや、サテライトオフィス勤務も含まれます。
受験者そうすると、「ITの活用」と「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」の両方が書かれている説明が、テレワークに当てはまるということですね。
講師そのとおりです。その説明が正解です。では、ほかの選択肢を見ていきます。人数を増やして業務を細かく分け、配分するという説明は、何の用語だと思いますか。
受験者仕事を分け合うので、ワークシェアリングでしょうか。働く場所の話は出てこないですね。
講師はい、ワークシェアリングの考え方です。場所や時間の柔軟さには触れていないので、テレワークの説明ではありません。次に、個人が持っているPCやスマートデバイスを、会社の許可を得て業務に使わせるという説明はどうでしょう。
受験者テレワークで自分のパソコンを使う場面を想像すると、これも正しく見えてしまいます。
講師そこが引っかけです。これはBYODという用語の説明です。私物の機器を業務に持ち込むことを指します。BYODは「どの機器を使うか」に関する用語で、「どこで働くか」を表すテレワークとは別のものです。
受験者なるほど。では、仕事の時間と私生活の時間を調和させるという説明は、ワークライフバランスですか。テレワークをすると私生活との両立もしやすくなる気がしますが。
講師よく気づきました。テレワークがワークライフバランスの実現に役立つ場合はあります。ただ、ワークライフバランスは目指すべき状態を表す言葉で、ITを使った働き方そのものを指してはいません。二つは異なる概念です。
受験者整理すると、テレワークは働き方、BYODは機器の使い方、ワークライフバランスは目指す状態、ワークシェアリングは仕事の分け合い方、ということですね。
講師そのとおりです。関係が深い用語ほど、説明文がもっともらしく見えます。その用語が何を表しているのかを区別して読むと、迷いにくくなります。テレワークには在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務が含まれることも、あわせて覚えておきましょう。
まとめ
テレワークは、ITを活用して場所や時間にとらわれずに柔軟に働く勤務形態で、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務が含まれます。業務を複数の人で分け合うのはワークシェアリング、私物の端末を業務に使うのはBYOD、仕事と私生活の調和はワークライフバランスです。BYODやワークライフバランスはテレワークと関係が深いため、テレワークの説明のように見えてしまいがちです。各用語が働き方・機器の使い方・目指す状態のどれを表すかを区別すると、正しく見分けられます。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
テレワークとは何かを選ぶ問題です。ワークシェアリング・BYOD・ワークライフバランスといった似た用語の説明と区別して選びます。
解き方の考え方
最初に、「テレ」が「離れた」という意味で、テレワークはITを使ってオフィスから離れた場所で働くことだと確かめます。次に、各選択肢に「ITの活用」と「場所や時間の柔軟さ」の両方があるかを照らします。両方がそろうのはアだけです。残る選択肢は別の用語の説明なので、どの用語かを当てはめて確認します。
選択肢ごとの解説
- ○ア ITを活用した,場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことこの肢は、ITを使い、場所や時間にとらわれず柔軟に働くことを言っています。これはテレワークの定義と一致します。テレワークには在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務などが含まれます。したがって、適切です。
- ×イ ある業務に対して従来割り当てていた人数を増員し,業務を細分化して配分することこの肢は、人数を増やして業務を細かく分け、配分することを言っています。これは仕事を複数の人で分け合うワークシェアリングの説明です。働く場所や時間の柔軟さには触れていません。したがって、テレワークの説明ではなく、不適切です。
- ×ウ 個人が所有するPCやスマートデバイスなどの機器を,会社が許可を与えた上でオフィスでの業務に利用させることこの肢は、個人所有のPCやスマートデバイスを、会社の許可を得て業務に使わせることを言っています。これはBYOD(私物の機器を業務に使うこと)の説明です。BYODは「どの機器を使うか」の用語で、「どこで働くか」の用語ではありません。したがって、不適切です。
- ×エ 仕事の時間と私生活の時間の調和に取り組むことこの肢は、仕事の時間と私生活の時間を調和させることを言っています。これはワークライフバランスの説明です。目指すべき状態を表す言葉で、ITを使った働き方そのものを指してはいません。したがって、不適切です。
補足
テレワークはワークライフバランスの実現に役立つ場合がありますが、二つは異なる概念です。そのため、エもテレワークの説明のように見えることがあります。同じように、テレワークで私物の端末を使う場面を想像するとウも正しく見えますが、ウが説明しているのはBYODです。それぞれの用語が、働き方なのか、機器の使い方なのか、目指す状態なのかを区別して読むと迷いにくくなります。
POINT
- テレワークは、ITを活用して場所や時間にとらわれずに柔軟に働く勤務形態です。
- 在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務は、いずれもテレワークに含まれます。
- 業務を複数の人で分け合う取組はワークシェアリングといいます。
- 私有の端末を業務に使う形態はBYODといいます。
- 仕事と私生活の調和はワークライフバランスといいます。
