業務プロセスを流れ図で可視化するときに使う記法とは
ITパスポート試験 令和8年度 問12 / システム戦略 › 業務プロセス
過去問にチャレンジ
A社は,自社の業務プロセスの課題を抽出し,見直しをするために流れ図を用いて業務プロセスを可視化することにした。A社が流れ図の作成において利用する記述様式として,最も適切なものはどれか。
- ア
CRUD図
- イ
DMM(Diamond Mandala Matrix)
- ウ
E-R図
- エ
WFA(Work Flow Architecture)
会話形式の解説
講師今回の論点は、業務プロセスの課題を見つけて見直すために、業務の流れを図にするならどの図法が適しているかです。注目したいのは「流れ図で可視化する」という目的です。各図法が何を表すためのものかを思い出しながら考えましょう。
受験者選択肢には略語が並んでいて、私にはどれも分析で使う図という印象しかありません。E-R図はデータベースの勉強で見た気がします。
講師E-R図は、実体(エンティティ)、つまりデータとして管理する対象同士の関係を図示するもので、主にデータベースの設計に使われます。データの構造を表す図です。
受験者データの構造を表す図なら、作業がどの順番で進むかは示さないということですね。
講師そのとおりです。作業の進行順序は示しません。では、CRUD図はどうでしょうか。
受験者CRUDは作成・参照・更新・削除のことだったと思います。業務でデータをどう扱うかが分かるなら、業務の流れにも近い気がするのですが。
講師よいところに目を付けています。ただ、CRUD図は業務機能ごとに、データの作成・参照・更新・削除のどの操作を行うかを対応表の形で示す図です。データ操作の整理には役立ちますが、処理がどの順番で進むかは表しません。
受験者CRUD図はデータ操作との対応を示すもので、処理の順番を示すものではないのですね。
講師はい。次のDMMは、業務機能を階層的に分解して示す図です。
受験者機能を細かく分けていけば業務の全体像はつかめそうです。それでも流れ図としては使えないのでしょうか。
講師機能の構成は整理できますが、処理の時間的な順序は表しません。残るWFAは業務の流れを図示する記法で、業務を担う主体、処理の実行順、業務に伴う情報の移動を表現できます。
受験者だれが、どの順番で処理し、情報がどう移動するかが見えるので、業務の課題を見つけやすいのですね。今回の目的に合うのはWFAだと理解できました。
講師業務の流れを可視化すると、改善点を見つけやすくなります。似た問題では、略語の名前ではなく「何を表す図か」で区別すると判断しやすくなります。データ操作との対応ならCRUD図、機能の構成ならDMM、データの構造ならE-R図、業務の流れならWFAと整理して覚えておきましょう。
まとめ
業務プロセスの課題を見つけて見直すために流れ図で可視化するなら、業務の流れを図示する記法であるWFAが適しています。WFAは、業務を担う主体、処理の実行順、業務に伴う情報の移動を表現できます。CRUD図は業務機能とデータの作成・参照・更新・削除との対応を、DMMは業務機能の階層的な構成を、E-R図は実体同士の関係(データの構造)を表す図で、いずれも処理の順序は表しません。似た問題では、各図法が何を表すためのものかを区別して覚えておくと判断しやすくなります。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
業務プロセスの課題を見つけて見直すために、業務の流れを可視化する図法としてどれが適しているかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、問題文の目的が「業務プロセスを流れ図で可視化して見直すこと」である点を押さえます。次に、各選択肢の図法が何を表現するためのものかを思い出します。データ操作や機能の構成、データ同士の関係を表す図法を除くと、だれが、どの順番で処理し、情報がどう移動するかを表せる図法が残ります。それがWFAです。
選択肢ごとの解説
- ×ア CRUD図CRUD図は、業務機能ごとにデータの作成・参照・更新・削除のどの操作を行うかを、対応表の形で示す図です。データ操作の整理には役立ちますが、処理がどの順番で進むかは表しません。業務の流れを可視化する目的には合いません。
- ×イ DMM(Diamond Mandala Matrix)DMMは、業務機能を階層的に分解して示す図です。機能の構成を整理するには使えますが、処理の時間的な順序は表しません。そのため、流れ図として業務プロセスを可視化する用途には向きません。
- ×ウ E-R図E-R図は、実体(エンティティ)同士の関係を図示するもので、主にデータベースの設計に用いられます。データの構造を表す図であり、作業の進行順序は示しません。
- ○エ WFA(Work Flow Architecture)WFAは業務の流れを図示する記法です。業務を担う主体、処理の実行順、業務に伴う情報の移動を表現できます。業務プロセスを可視化して改善点を見つける今回の目的に最も合っています。
補足
この問題では、業務プロセスを可視化して見直すという目的に合わせ、担当する主体、処理の順序、情報の移動を表せるWFAを選びます。CRUD図、DMM、E-R図はどれも業務やシステムの分析で使われる図法ですが、表現する対象がそれぞれデータ操作、機能の構成、データの構造であり、業務の流れとは異なります。似た問題では、各図法が何を表すためのものかを区別して覚えておくと判断しやすくなります。
POINT
- 業務の流れを可視化すると、業務の改善点を見つけやすくなります。
- WFAは業務の担当主体、処理の順序、情報の移動を表せる業務の流れ図の記法です。
- CRUD図は、業務機能とデータの作成・参照・更新・削除との対応を示す図です。
- DMMは業務機能を階層で整理する図で、処理の順序は表しません。
- E-R図は実体同士の関係を表す図で、データベースの設計に使われます。
