RPAの「ロボット」とは?FAやEUCとの区別
ITパスポート試験 令和7年度 問24 / システム戦略 › 業務プロセス
過去問にチャレンジ
RPAに関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
企業の一部の業務を外部の組織に委託することによって,自社のリソースを重要な領域に集中したり,コストの最適化や業務の高効率化などを実現したりする。
- イ
組立てや搬送などにハードウェアのロボットを用いることによって,工場の生産活動の自動化を実現する。
- ウ
システムの利用者が,主体的にシステム管理や運用を行うことによって,利用者のITリテラシーの向上や,システムベンダーへの依存の軽減などを実現する。
- エ
ホワイトカラーの定型的な事務作業を,ソフトウェアのロボットに代替させることによって,自動化や効率化を図る。
会話形式の解説
講師今回はRPAの意味を問う問題です。RPAはRobotic Process Automationの略です。ここでいう「ロボット」が何を指すのかに注目してください。それから、どの選択肢も「誰が」「何を使って」「何を」効率化しているかを読み取ると判断しやすくなります。
受験者名前に「ロボット」と入っているので、工場で組立てや搬送をするロボットの選択肢が正解かと思いました。違うのでしょうか。
講師そこがよくある引っかけです。RPAのロボットは機械ではなく、ソフトウェアです。ハードウェアのロボットで工場の生産を自動化するのは、産業用ロボットやFA(ファクトリーオートメーション、工場の自動化)の説明になります。
受験者ソフトウェアのロボットということは、パソコンの中で動くプログラムが作業を代わりにしてくれるイメージですか。
講師そのとおりです。人がPCで行っている決まった作業を、ソフトウェアロボットに代わりにやらせて自動化する技術がRPAです。主な対象は、ホワイトカラーの定型的な事務作業です。
受験者それなら、事務作業をソフトウェアのロボットに任せて効率化する選択肢が正解ですね。業務の一部を外部の組織に委託する選択肢も効率化の話ですが、こちらは何の説明ですか。
講師それはBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)など、アウトソーシングの説明です。業務を外に出して、自社のリソースを重要な領域に集中させる考え方です。RPAは業務を外に出すのではなく、社内の作業をソフトウェアに任せるので、ここが違います。
受験者利用者が自分でシステムの管理や運用を行う選択肢は、利用者が自分で自動化の仕組みを作るという意味でRPAに近い気もしました。
講師迷いやすいところですね。その記述はEUC(エンドユーザコンピューティング)の説明です。利用者が主体になってシステムを管理・運用し、ITリテラシーを高めたりベンダーへの依存を減らしたりする考え方です。利用者が主体かどうかは、RPAの定義とは関係がありません。
受験者整理すると、外部委託はBPO、工場の機械はFA、利用者が主体の運用はEUC、事務作業をソフトウェアで自動化するのがRPAということですね。
講師はい、その区別で大丈夫です。補足すると、RPAは複数のアプリケーションやシステムをまたぐ入力や転記の作業にも使えます。ただし向いているのは手順が決まった繰り返し作業で、判断を伴う作業を何でも任せられるわけではありません。画面の変更やシステムの改修でロボットが止まることもあるので、保守体制や運用ルールを整えておくことも大切です。
まとめ
RPA(Robotic Process Automation)は、ホワイトカラーの定型的な事務作業をソフトウェアロボットに代わりに行わせ、自動化や効率化を図る技術です。名前に「ロボット」とありますが、工場で使う物理的なロボット(FA)とは別物です。業務を外部に委託するのはBPOなどのアウトソーシング、利用者が主体となってシステムを運用するのはEUCで、どちらもRPAとは異なります。RPAは手順が決まった繰り返し作業に向いており、画面変更などで止まることもあるため、保守や運用ルールを整えておくことも重要です。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
RPA(Robotic Process Automation)が何を自動化する技術なのかを理解しているか、またアウトソーシング(BPO)、FA、EUCといった似た用語と区別できるかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、RPAの「Robotic Process Automation」という正式名称を思い出し、ここでいう「ロボット」は機械ではなくソフトウェアだと押さえます。次に、各選択肢が「誰が」「何で」「何を」自動化・効率化しているかを読み取ります。外部委託の話か、物理的なロボットの話か、利用者自身が運用する話かを順に除いていけば、事務作業をソフトウェアで自動化する記述が残ります。
選択肢ごとの解説
- ×ア 企業の一部の業務を外部の組織に委託することによって,自社のリソースを重要な領域に集中したり,コストの最適化や業務の高効率化などを実現したりする。アは、業務の一部を外部の組織に委託して、自社のリソースを重要な領域に集中させるという内容です。これはBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などアウトソーシングの説明です。RPAは業務を外に出す仕組みではなく、社内の作業をソフトウェアに任せて自動化する技術なので、当てはまりません。
- ×イ 組立てや搬送などにハードウェアのロボットを用いることによって,工場の生産活動の自動化を実現する。イは、組立てや搬送にハードウェアのロボットを使い、工場の生産活動を自動化するという内容です。これは産業用ロボットやFA(ファクトリーオートメーション)の説明です。RPAのロボットはソフトウェアで、物理的な機械を対象にしていないため誤りです。
- ×ウ システムの利用者が,主体的にシステム管理や運用を行うことによって,利用者のITリテラシーの向上や,システムベンダーへの依存の軽減などを実現する。ウは、システムの利用者が自らシステムの管理や運用を行うという内容です。これはEUC(エンドユーザコンピューティング)の説明です。利用者が主体となって運用するかどうかは、RPAの定義とは関係がありません。
- ○エ ホワイトカラーの定型的な事務作業を,ソフトウェアのロボットに代替させることによって,自動化や効率化を図る。エは、ホワイトカラーの定型的な事務作業をソフトウェアのロボットに代わりに行わせ、自動化や効率化を図るという内容です。これは、人がPCで行っている決まった作業をソフトウェアロボットで自動化するRPAの説明そのものです。よって、エが正解です。
補足
RPAは、複数のアプリケーションやシステムをまたいで行う入力・転記作業にも使えます。一方で、手順が決まった繰り返し作業に向いた技術であり、判断を伴う作業を何でも任せられるわけではありません。また、画面の変更やシステムの改修でロボットが止まることがあるため、保守体制や運用ルールを整えておくことも大切です。「ロボット」という言葉からハードウェアを思い浮かべさせる選択肢は、よくある引っかけなので注意しましょう。
POINT
- RPAはRobotic Process Automationの略で、人が行う定型的なPC作業をソフトウェアロボットで自動化する技術です。
- RPAが主に対象とするのは、ホワイトカラーの定型的な事務作業です。
- RPAの「ロボット」はソフトウェアであり、工場で使う物理的なロボット(FA)とは別物です。
- 外部委託はBPO(アウトソーシング)、利用者が主体となるシステム運用はEUCと、似た用語を区別して覚えておきましょう。
