情報公開法で開示請求できるのは誰が保有する文書か
ITパスポート試験 令和4年度 問13 / 法務 › その他の法律・ガイドライン
過去問にチャレンジ
情報公開法に基づいて公開請求することができる文書として,適切なものはどれか。
- ア
国会などの立法機関が作成,保有する立法文書
- イ
最高裁判所などの司法機関が作成,保有する司法文書
- ウ
証券取引所に上場している企業が作成,保有する社内文書
- エ
総務省などの行政機関が作成,保有する行政文書
会話形式の解説
講師今回は情報公開法の問題です。どの機関が持っている文書なら開示請求できるのか、という点が論点です。ヒントは法律の正式名称にあります。
受験者「情報公開」と聞くと、国の機関なら国会でも裁判所でも、全部請求できそうに思えます。違うのでしょうか。
講師そう考える人は多いです。正式名称は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」です。対象かどうかは、その文書を国の行政機関が保有しているかどうかで決まります。
受験者名前に「行政機関」と入っているのですね。そうすると、立法機関である国会の立法文書は対象外ですか。
講師そのとおりです。国会はこの法律でいう行政機関に含まれません。国会の文書は、情報公開法とは別の仕組みで扱われています。最高裁判所などの司法文書も同じ考え方です。裁判所は司法機関なので対象外で、裁判所の事務に関する文書は、裁判所が独自に定めた手続で開示を求めます。
受験者上場企業の社内文書はどうでしょうか。上場していると情報を公開する義務がありそうなので、迷いました。
講師上場していても民間企業なので、社内文書に情報公開法での開示請求はできません。上場企業の情報開示は、金融商品取引法や会社法に基づく別の制度で行われます。「上場企業の情報開示」と「情報公開法」は別のものとして区別しておきましょう。
受験者残るのは総務省などの行政文書ですね。総務省は国の行政機関なので、対象になるということですか。
講師はい、それが正解です。行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成したり取得したりして、組織として使うために保有している文書のことです。これが開示請求の対象になります。
受験者立法・司法・行政と民間企業に分けて、行政機関が持つ文書だけが対象だと考えれば迷わずに済みますね。
講師その整理で大丈夫です。補足すると、この制度は行政の説明責任を果たすためのもので、開示請求は誰でもできます。ただし、個人情報や国の安全に関わる情報などの不開示情報は、開示されないことがあります。また、独立行政法人等の情報公開には別の法律があるので、混同しないようにしましょう。
まとめ
情報公開法の正式名称は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」で、開示請求の対象は国の行政機関が保有する行政文書です。国会(立法機関)や裁判所(司法機関)の文書は対象外で、それぞれ別の仕組みで扱われます。上場企業の社内文書も、民間企業の文書なので対象外です。上場企業の情報開示は金融商品取引法や会社法に基づく別の制度です。開示請求は誰でもできますが、個人情報などの不開示情報は開示されないことがあります。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)に基づく開示請求で、どの機関のどの文書が対象になるかを問う問題です。
解き方の考え方
正式名称の「行政機関の保有する」という部分に注目します。対象かどうかは、その文書を保有しているのが国の行政機関かどうかで決まります。立法・司法・行政の三権と民間企業に分けて考えると、行政機関の文書を挙げた選択肢だけが残ります。
選択肢ごとの解説
- ×ア 国会などの立法機関が作成,保有する立法文書国会の立法文書を対象とする説明は誤りです。国会は立法機関で、この法律がいう行政機関には含まれません。国会の文書については、情報公開法とは別の仕組みで扱われています。
- ×イ 最高裁判所などの司法機関が作成,保有する司法文書最高裁判所などの司法文書を対象とする説明も誤りです。裁判所は司法機関なので、この法律の対象外です。裁判所の事務に関する文書は、裁判所が独自に定めた手続で開示を求めることになります。
- ×ウ 証券取引所に上場している企業が作成,保有する社内文書上場企業の社内文書を対象とする説明は誤りです。上場していても民間企業なので、その社内文書に開示請求はできません。上場企業の情報開示は、金融商品取引法や会社法に基づく別の制度で行われます。
- ○エ 総務省などの行政機関が作成,保有する行政文書総務省などの行政文書を対象とする説明が正解です。総務省は国の行政機関で、職員が職務上作成・取得し、組織的に用いるために保有している行政文書は開示請求の対象になります。
補足
「公開」という言葉から国会や裁判所も含まれそうに思えますが、この法律は行政の説明責任を果たすための制度で、立法機関と司法機関は対象外です。また、独立行政法人等の情報公開には別の法律があるので、行政機関の情報公開法と区別して覚えておきましょう。
POINT
- 情報公開法の正式名称は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」で、国の行政機関が保有する情報が対象です。
- 対象になるかどうかは、その文書を誰が保有しているかで判断します。
- 開示請求は誰でもでき、請求者の国籍や請求の目的は問われません。
- 個人情報や国の安全に関する情報などの不開示情報は、開示されない場合があります。
