AI導入前に試して確かめる検証の名称と略語の見分け方
ITパスポート試験 令和4年度 問35 / 技術戦略マネジメント › 技術開発戦略の立案・技術開発計画
過去問にチャレンジ
あるコールセンターでは,AIを活用した業務改革の検討を進めて,導入するシステムを絞り込んだ。しかし,想定している効果が得られるかなど不明点が多いので,試行して実現性の検証を行うことにした。このような検証を何というか。
- ア
IoT
- イ
PoC
- ウ
SoE
- エ
SoR
会話形式の解説
講師この問題は、新しい技術を本格的に導入する前に行う検証の呼び方を問うものです。問題文の「不明点が多い」「試行して」「実現性の検証」という言葉に注目してください。
受験者選択肢が全部アルファベット3文字の略語なので、どれも似て見えて迷いました。AIの話なので、IoTが関係しそうな気もしたのですが。
講師IoTはInternet of Thingsの略で、さまざまなモノをネットワークにつなぎ、データを集めたり制御したりする仕組みのことです。技術や仕組みの名前なので、試してみて実現できるか確かめる活動の名前ではありません。
受験者なるほど、問われているのは技術の名前ではなく「検証」という行為の名前なのですね。そうすると、PoCがそれに当たるのでしょうか。
講師そのとおりです。PoCはProof of Conceptの略で、「概念実証」と訳します。本格導入の前に、試作やモデルを使って期待した効果が得られるかを確かめる検証のことです。
受験者AIは導入してみないと、どれくらい役に立つのか分かりにくいので、まず試すというのは納得できます。
講師ええ。AIは精度や効果を前もって見極めにくいので、範囲を絞って試すPoCが向いています。問題文の状況とよく合っています。
受験者残りのSoEとSoRは名前がそっくりで、私はいつも区別があいまいになります。
講師SoEはSystems of Engagementの略で、顧客や取引先とのつながりを強めるためのシステムです。SNSや顧客向けアプリなどが例です。SoRはSystems of Recordの略で、データや業務の記録を正確に管理するシステムを指し、会計・人事・販売管理などの基幹システムが代表例です。
受験者どちらもシステムの分類名なので、検証の名前としては当てはまらないということですね。
講師そうです。まとめると、問題文に「試行」「実現性の検証」「効果が得られるか不明」とあればPoCを思い浮かべます。IoTは仕組み、SoEとSoRはシステムの分類と整理しておくと外しやすくなります。
受験者SoEとSoRは、英単語の意味で覚えればよさそうです。
講師はい、「Engagement=つながり」「Record=記録」と覚えると区別しやすく、この二つは対になる言葉としてよく出題されます。また、PoCはAIに限らずIoT製品などでも行われるので、技術名と一緒に出てきても惑わされないようにしましょう。
まとめ
本格導入の前に、試作やモデルを使って期待した効果が得られるかを確かめる検証をPoC(Proof of Concept、概念実証)といいます。問題文に「試行」「実現性の検証」「効果が得られるか不明」とあれば、PoCを選ぶのが手がかりです。IoTはモノをネットワークにつなぐ仕組みで、検証の名前ではありません。SoEは顧客とのつながりを強めるシステム、SoRは記録を正確に管理する基幹システムで、どちらもシステムの分類名です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
AIなどの新しい技術を本格導入する前に、試しに使って効果や実現性を確かめる検証を何と呼ぶかを選ぶ問題です。IoT・SoE・SoRとの違いも確かめます。
解き方の考え方
まず、問題文の「不明点が多い」「試行して」「実現性の検証」に注目し、何をする場面なのかを確かめます。次に、この場面が、本格導入の前に小さく試して有効性を確かめる取組だと読み取ります。そのうえで選択肢を見ると、IoT・SoE・SoRは技術の名称やシステムの分類であり、検証という行為の名前ではありません。したがって、残るPoC(概念実証)のイが正解です。
選択肢ごとの解説
- ×ア IoTIoTはInternet of Thingsの略で、さまざまなモノをネットワークにつなぎ、データの収集や制御を行う仕組みです。技術や仕組みを表す名称なので、試行で実現性を確かめる活動のことではありません。
- ○イ PoCPoCはProof of Conceptの略で、「概念実証」と訳します。本格導入の前に、試作やモデルを使って期待した効果が得られるかを確かめる検証のことです。AIは精度や効果を前もって見極めにくいため、範囲を絞って試すPoCが向いており、問題文の状況とよく合います。
- ×ウ SoESoEはSystems of Engagementの略で、顧客や取引先とのつながりを強めるためのシステムを指します。SNSや顧客向けアプリなどが例として挙げられます。システムの分類名であり、検証の手法ではありません。
- ×エ SoRSoRはSystems of Recordの略で、データや業務の記録を正確に管理するシステムを指します。会計・人事・販売管理などの基幹システムが代表例です。SoEと同じくシステムの分類名なので、検証の名称には当たりません。
補足
SoEとSoRは対になる言葉です。「Engagement=つながり」「Record=記録」と英単語の意味で覚えると区別しやすくなります。また、PoCはAIに限らずIoT製品などでも行われるので、技術名と組み合わせて出てきても惑わされないようにしましょう。
POINT
- PoC(概念実証)は、新しい技術やアイデアの有効性を、本格導入の前に小規模に試して確かめる取組です。
- 問題文に「試行」「実現性の検証」「効果が得られるか不明」とあれば、PoCを思い浮かべます。
- IoTはモノをネットワークにつなぐ仕組みのことで、検証の名称ではありません。
- SoEは顧客との関係を強めるシステム、SoRは記録を正確に管理する基幹システムを指します。
