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学習を一人一人に合わせる仕組みと似た用語の見分け方

ITパスポート試験 令和4年度 問4 / 企業活動 › 経営・組織論

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令和4年度 問4

ITの活用によって,個人の学習履歴を蓄積,解析し,学習者一人一人の学習進行度や理解度に応じて最適なコンテンツを提供することによって,学習の効率と効果を高める仕組みとして,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    アダプティブラーニング

  2. イ

    タレントマネジメント

  3. ウ

    ディープラーニング

  4. エ

    ナレッジマネジメント

会話形式の解説

講師講師
今回は、ITを使って学習を一人一人に合わせる仕組みの名前を問う問題です。問題文の手がかりは3つあります。学習履歴をためて解析すること、一人一人の進み具合や理解度に応じること、最適なコンテンツを提供すること。この3つを満たす用語を探しましょう。
受験者受験者
選択肢が全部カタカナで、似て見えます。「解析」とあるので、AIの技術のディープラーニングかなとも思いました。
講師講師
そこは迷いやすいところです。ディープラーニングは、何層にも重ねたニューラルネットワーク、つまり脳の神経のつながりをまねた計算モデルを使って、データから特徴を学び取る機械学習の手法です。画像認識や音声認識、自然言語処理などに使われます。データを解析する技術の名前ではありますが、学習者に教材を届ける仕組みの名前ではありません。
受験者受験者
問われているのは技術ではなく、教材を届ける仕組みのほうなのですね。
講師講師
そのとおりです。その仕組みにあたるのがアダプティブラーニングで、「適応型学習」とも呼ばれます。学習者の履歴や進み具合、理解度のデータを分析して、教材の内容や難しさ、出す順番をその人に合わせて変えます。全員に同じ内容を教える集団学習とは違って、個人の習熟度に合わせるのが特徴です。
受験者受験者
タレントマネジメントも、人を育てるという意味では学習に関係がありそうに見えます。
講師講師
タレントマネジメントは、社員の能力や資質を伸ばし、適材適所に配置して活かす人事管理の手法です。人材の情報を採用・育成・評価・配置に役立てることが目的で、学習者に教材を個別に届ける仕組みではありません。
受験者受験者
ナレッジマネジメントは知識を扱うので、これも学習に近い気がして迷います。
講師講師
ナレッジマネジメントは、個人が持つ知識やノウハウを組織の中で共有して活かし、新しい価値を生み出すための経営手法です。管理する対象は組織全体の知識資産です。一人一人の学習の進み具合に合わせて教材を出すことは目的にしていません。
受験者受験者
対象が個々の学習者で、目的が教材を一人一人に合わせることになっているのは、アダプティブラーニングだけなのですね。人事ならタレント、組織の知識ならナレッジ、AIの技術ならディープと分けて覚えます。
講師講師
よい整理です。補足すると、アダプティブラーニングはe-ラーニングの一形態で、教育にITを活かすEdTechの一例でもあります。また、アダプティブラーニングにディープラーニングが必ず要るわけではありません。あらかじめ決めたルールに従って教材を選ぶ方法でも実現できます。「解析」という言葉だけで技術の名前を選ばないように、何の名前を問われているのかを確かめてから選んでください。

まとめ

ITを使って学習履歴や理解度を分析し、教材の内容・難易度・順序を学習者ごとに最適化する仕組みはアダプティブラーニング(適応型学習)です。タレントマネジメントは社員の能力を育てて適材適所に活かす人事管理の手法、ナレッジマネジメントは個人の知識やノウハウを組織で共有・活用する経営手法です。ディープラーニングは多層のニューラルネットワークを使う機械学習の手法で、データを解析する技術の名前であり、教材を届ける仕組みの名前ではありません。カタカナ用語は、何を対象に何を目的とするかで見分けると判断しやすくなります。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

ITを使って学習者一人一人の履歴や理解度を分析し、その人に合った教材を出す仕組みの名前を問う問題です。人材管理、AIの技術、知識共有といった、名前の似たカタカナ用語と見分けられるかが試されています。

解き方の考え方

まず問題文から「学習履歴を蓄積・解析する」「一人一人の進行度や理解度に応じる」「最適なコンテンツを提供する」という3つの手がかりを拾います。次に、それぞれの選択肢が何を対象にし、何を目的とする用語かを考えます。対象が個々の学習者で、目的が教材の個別最適化になっている用語は一つだけです。データを解析する技術の名前と、学習を提供する仕組みの名前を混同しないことが大切です。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  アダプティブラーニング
    アダプティブラーニングは「適応型学習」とも呼ばれます。学習者の履歴や進み具合、理解度のデータをため込んで分析し、教材の内容や難しさ、出す順番をその人に合わせて変える仕組みです。全員に同じ内容を教える集団学習と違って個人の習熟度に合わせるので、問題文の説明とそのまま一致します。
  2. ×イ  タレントマネジメント
    タレントマネジメントは、社員の能力や資質を伸ばし、適材適所に配置して活かす人事管理の手法です。人材の情報を採用・育成・評価・配置に役立てることが目的で、学習者に教材を個別に届ける仕組みではありません。
  3. ×ウ  ディープラーニング
    ディープラーニングは、何層にも重ねたニューラルネットワークを使い、データから特徴を学び取る機械学習の手法です。画像認識や音声認識、自然言語処理などに使われます。データを解析する技術の名前であり、学習者にコンテンツを届ける仕組みの名前ではありません。
  4. ×エ  ナレッジマネジメント
    ナレッジマネジメントは、個人が持つ知識やノウハウを組織の中で共有して活かし、新しい価値を生み出すための経営手法です。管理する対象は組織全体の知識資産であり、一人一人の学習の進み具合に合わせて教材を出すことが目的ではありません。

補足

問題文の「解析」という言葉から、AIの技術であるディープラーニングを選んでしまう誤りがよくあります。しかし問われているのは、学習者に教材を届ける「仕組み」の名前です。また、アダプティブラーニングを実現するのにディープラーニングが必ず要るわけではありません。あらかじめ決めたルールに従って教材を選ぶ方法でも実現できます。

POINT

  • アダプティブラーニング(適応型学習)は、学習履歴や理解度のデータを分析し、教材の内容・難易度・順序を学習者ごとに最適化する仕組みです。
  • タレントマネジメントは、社員の能力を育てて適材適所に活かす人事管理の手法です。
  • ディープラーニングは、多層のニューラルネットワークを使う機械学習の手法で、画像認識や音声認識などに使われます。
  • ナレッジマネジメントは、個人の知識やノウハウを組織で共有・活用する経営手法です。
  • アダプティブラーニングはe-ラーニングの一形態で、教育にITを活かすEdTechの一例でもあります。

※出典:令和4年度 ITパスポート試験 問4