NDAの意味は?SLA・SOC・WBSと見分けるコツ
ITパスポート試験 令和4年度 問5 / 法務 › 労働関連・取引関連法規
過去問にチャレンジ
NDAに関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
企業などにおいて,情報システムへの脅威の監視や分析を行う専門組織
- イ
契約当事者がもつ営業秘密などを特定し,相手の秘密情報を管理する意思を合意する契約
- ウ
提供するサービス内容に関して,サービスの提供者と利用者が合意した,客観的な品質基準の取決め
- エ
プロジェクトにおいて実施する作業を細分化し,階層構造で整理したもの
会話形式の解説
講師今回は略語「NDA」の意味を問う問題です。選択肢には、ほかのIT用語の説明が混ざっています。それぞれの説明がどの略語に当たるかを考えると、整理しやすくなります。
受験者NDAは見たことがあるのですが、SLAと同じように「〜A」で終わるので、どちらも何かの合意だったような気がして迷います。
講師そこが迷いやすいところです。NDAは Non-Disclosure Agreement の略で、日本語では「秘密保持契約」です。Disclosure は「開示」という意味なので、「開示しないという約束」と覚えると分かりやすいです。
受験者それなら、営業秘密などを特定して、相手の秘密情報を管理することを合意する契約、という説明がNDAですね。
講師そのとおりです。NDAでは、秘密情報の範囲、利用目的、管理方法、期間などを当事者どうしで取り決めます。目的外の利用や第三者への漏えいを防ぐために結ぶ契約です。
受験者サービスの提供者と利用者が品質基準を合意する、という説明も「合意」なので気になりました。こちらはSLAでしょうか。
講師はい、SLA(サービスレベル合意書)の説明です。どちらも当事者間の取決めですが、合意する中身が違います。NDAは秘密情報の扱いを約束し、SLAはサービス品質の水準を約束します。実務では、稼働率や応答時間、障害からの復旧時間などを基準にすることがよくあります。
受験者「合意かどうか」ではなく「何を合意するか」で区別するのですね。脅威を監視・分析する専門組織という説明はどうでしょうか。
講師それはSOC(セキュリティオペレーションセンター)です。ネットワークやシステムを監視して、攻撃の兆候を見つけ、分析や対応をする組織です。NDAは契約なので、組織の説明は当てはまりません。
受験者残りの、作業を細分化して階層構造で整理したものは、プロジェクトマネジメントで出てきたWBSですね。
講師そうです。WBSは Work Breakdown Structure の略で、作業分解構造ともいいます。作業の構造を表すもので、契約とは関係ありません。
受験者まとめると、SOCは監視の組織、NDAは秘密保持の契約、SLAはサービス品質の合意、WBSは作業の構造、ということですね。
講師よく整理できています。補足すると、SOCとよく似た組織にCSIRTがあります。一般には、SOCは監視と検知、CSIRTはインシデント発生後の対応や調整が中心と整理されます。また、NDAで守る秘密情報は、不正競争防止法の「営業秘密」とも関わりがあるので、あわせて押さえておくと安心です。
まとめ
NDAはNon-Disclosure Agreementの略で、秘密保持契約のことです。秘密情報の範囲、利用目的、管理方法、期間などを取り決め、目的外の利用や漏えいを防ぎます。SLAも当事者間の合意ですが、合意するのはサービス品質の水準なので、NDAとは中身が違います。SOCは脅威を監視・分析する組織、WBSはプロジェクトの作業を階層的に分解した構造です。略語の問題では、「組織」「秘密保持の契約」「サービス品質の合意」「作業の構造」のように、説明されているものの種類と内容に注目すると見分けやすくなります。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
略語「NDA」が秘密保持契約を指すことを理解し、SOC・SLA・WBSなど、ほかのIT用語の説明と区別できるかを問う問題です。
解き方の考え方
まず、NDAが Non-Disclosure Agreement の略で「秘密保持契約」を意味することを思い出します。そのうえで、各選択肢の説明がどの用語に当たるかを考えます。「組織」「品質基準の取決め」「作業の階層構造」を指す説明は契約の話ではないので、NDAには当てはまりません。秘密情報の管理を合意する「契約」と書かれた選択肢が正解です。
選択肢ごとの解説
- ×ア 企業などにおいて,情報システムへの脅威の監視や分析を行う専門組織アの、情報システムへの脅威を監視・分析する専門組織という説明は、SOC(セキュリティオペレーションセンター)に当たります。SOCはネットワークやシステムを監視し、攻撃の兆候を見つけて分析・対応する組織です。NDAは組織ではなく契約なので、この説明は当てはまりません。
- ○イ 契約当事者がもつ営業秘密などを特定し,相手の秘密情報を管理する意思を合意する契約イの、営業秘密などを特定し、相手の秘密情報を管理する意思を合意する契約という説明は、NDA(秘密保持契約)そのものです。NDAでは、秘密情報の範囲、利用目的、管理方法、期間などを当事者間で取り決めます。目的外の利用や第三者への漏えいを防ぐために結ぶ契約です。
- ×ウ 提供するサービス内容に関して,サービスの提供者と利用者が合意した,客観的な品質基準の取決めウの、サービス提供者と利用者が合意する客観的な品質基準の取決めという説明は、SLA(サービスレベル合意書)に当たります。合意するのはサービスの品質水準で、秘密情報の取扱いではありません。
- ×エ プロジェクトにおいて実施する作業を細分化し,階層構造で整理したものエの、プロジェクトの作業を細分化して階層構造で整理したものという説明は、WBS(Work Breakdown Structure、作業分解構造)に当たります。プロジェクトマネジメントで使う手法で、契約とは関係ありません。
補足
SOCとよく似た組織にCSIRTがあり、アの説明をCSIRTと結び付ける見方もあります。一般には、SOCは監視と検知、CSIRTはインシデント発生後の対応や調整が中心と整理されます。SLAでは、稼働率、応答時間、障害からの復旧時間などを具体的な基準にすることがよくあります。NDAで守る秘密情報は、不正競争防止法の「営業秘密」とも関わりがあります。
POINT
- NDAはNon-Disclosure Agreementの略で、秘密保持契約のことです。
- NDAでは、秘密情報の範囲、利用目的、管理方法、期間などを定め、目的外の利用や漏えいを防ぎます。
- SOCは脅威を監視・分析する組織、SLAはサービス品質の合意、WBSは作業を階層的に分解したものです。
- 略語の問題では、説明されているものが「組織」「契約」「合意」「構造」のどれなのかに着目すると絞り込みやすくなります。
