前払式支払手段の3条件で、ポイントや暗号資産との違いを見分ける
ITパスポート試験 令和5年度 問22 / ビジネスインダストリ › e-ビジネス
過去問にチャレンジ
資金決済法における前払式支払手段に該当するものはどれか。
- ア
Webサイト上で預金口座から振込や送金ができるサービス
- イ
インターネット上で電子的な通貨として利用可能な暗号資産
- ウ
全国のデパートや商店などで共通に利用可能な使用期限のない商品券
- エ
店舗などでの商品購入時に付与され,同店での次回の購入代金として利用可能なポイント
会話形式の解説
講師今回は、資金決済法でいう「前払式支払手段」がどれに当たるかを見分ける問題です。条件は3つです。「先に対価を払って取得する」「金額などの価値が記録されている」「取得後に商品やサービスの支払に使える」。選択肢をこの3つに当てはめていきましょう。
受験者「次回の購入代金に使えるポイント」も、あとで支払に使えるので当てはまりそうに見えました。
講師そこが一番の引っかけです。ポイントは買い物をしたときにおまけとして付くもので、ポイントそのものを得るために代金を払ってはいません。そのため「先に対価を払って取得する」という条件を満たしません。
受験者ポイントは対価の有無で外れるのですね。Webサイトで振込や送金ができるサービスも、お金を払っている気がしますが、どうでしょうか。
講師送金サービスは、預金口座にある資金を移すための仕組みです。前払いした価値を記録しておいて、それで支払うものではありません。こちらは「価値が記録されている」という条件で外れます。外れる理由がポイントとは違う点に注意してください。
受験者暗号資産も資金決済法に出てくる言葉なので、前払式支払手段の一種なのかと思っていました。
講師同じ資金決済法の中にありますが、暗号資産は不特定の相手への代金の支払に使えるものとして、前払式支払手段とは別に定義されています。この問題では、法律上の区分が別だという点が判断の決め手です。
受験者残るのは全国共通の商品券ですね。買うときに代金を払い、金額が決まっていて、あとでお店の支払に使えるので、3つの条件をすべて満たします。
講師そのとおりです。使用期限がないので、有効期間がとても短いものに対する適用除外にも当たりません。問題文の「使用期限のない」という部分には意味があるのです。
受験者発行した会社以外のデパートや商店でも使えるという点は、何か関係がありますか。
講師分類に関係します。発行者の店だけで使えるものを自家型、発行者以外の加盟店でも使えるものを第三者型といいます。全国共通の商品券は第三者型です。どちらの型でも前払式支払手段であることに変わりはありません。
受験者まとめると、商品券、プリペイドカード、チャージ式の電子マネーが代表例で、無償のポイントと送金サービスと暗号資産は対象外ということですね。
講師よく整理できています。「電子的に払える」「次回使える」といった見た目ではなく、取得するときに対価を払ったか、価値が記録されているかを確かめる習慣をつけると、似た問題にも対応できます。
まとめ
資金決済法の前払式支払手段は、「先に対価を払って取得する」「金額などの価値が記録されている」「取得後に支払に使える」の3つの条件で判断します。全国共通の商品券はこの3つをすべて満たし、使用期限がないので適用除外にも当たりません。購入時に付くポイントは対価を払っていないため、送金サービスは前払いの価値が記録されないため、それぞれ対象外です。暗号資産は同じ法律の中で別に定義されている区分です。発行者の店だけで使えるものは自家型、加盟店でも使えるものは第三者型と分類されます。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
資金決済法で定められた「前払式支払手段」とは何かを理解し、預金の振込、暗号資産、ポイントといった似た決済手段と区別できるかを問う問題です。
解き方の考え方
前払式支払手段には、次の3つの条件があります。「先に対価を払って取得する」「金額や数量などの価値が記録されている」「取得後に商品やサービスの支払に使える」の3つです。各選択肢をこの3つの条件に当てはめて確かめます。特に「取得するときに対価を払ったかどうか」を見ると、ポイントや送金サービスを除外しやすくなります。
選択肢ごとの解説
- ×ア Webサイト上で預金口座から振込や送金ができるサービスWebサイトで振込や送金ができるサービスは、預金口座にある資金を移すためのものです。前払いした価値を記録しておき、それで支払う手段ではありません。そのため、前払式支払手段には当たりません。
- ×イ インターネット上で電子的な通貨として利用可能な暗号資産暗号資産は、資金決済法の中でも前払式支払手段とは別のものとして扱われています。不特定の相手との取引に使える点も、前払式支払手段とは性質が違います。名前が似ていても、別の区分だと覚えておきましょう。
- ○ウ 全国のデパートや商店などで共通に利用可能な使用期限のない商品券全国共通の商品券は、買うときに代金を払い、あとで商品代金の支払に使います。前払式支払手段の条件をすべて満たしています。使用期限がないので、有効期間が短いものに対する適用除外にも当たりません。また、発行者以外のデパートや商店でも使えるので、第三者型に分類されます。
- ×エ 店舗などでの商品購入時に付与され,同店での次回の購入代金として利用可能なポイント購入時に付与されるポイントは、ポイントそのものを得るために対価を払っているわけではありません。「先に対価を払って取得する」という条件を満たさないため、前払式支払手段には当たりません。
補足
「電子的に支払える」「次回の買い物に使える」といった見た目だけで判断すると、エのポイントを選んでしまいがちです。判断の決め手は、取得するときに対価を払ったかどうかです。また、使用期限がとても短いものは適用除外になることがあるため、問題文の「使用期限のない」という条件にも意味があります。
POINT
- 前払式支払手段は「先に対価を払う」「価値が記録される」「後で支払に使える」の3つの条件で判断します。
- 商品券、プリペイドカード、チャージ式の電子マネーなどが代表例です。
- 買い物のおまけとして無償で付与されるポイントは、対価を払っていないので前払式支払手段に当たりません。
- 暗号資産や、預金口座からの振込・送金は、前払式支払手段とは別の区分です。
- 発行者の店だけで使えるものを自家型、発行者以外の加盟店でも使えるものを第三者型といいます。
