金融とITが結び付く新しい潮流を表す用語を見分ける
ITパスポート試験 令和6年度 問4 / ビジネスインダストリ › e-ビジネス
過去問にチャレンジ
従来の金融情報システムは堅ろう性が高い一方,柔軟性に欠け,モバイル技術などの情報革新に追従したサービスの迅速な提供が難しかった。これを踏まえて,インターネット関連技術の取込みやそれらを活用するベンチャー企業と組むなどして,新たな価値や革新的なサービスを提供していく潮流を表す用語として,最も適切なものはどれか。
- ア
オムニチャネル
- イ
フィンテック
- ウ
ブロックチェーン
- エ
ワントゥワンマーケティング
会話形式の解説
講師今回は、金融の世界で起きている新しい動きを表す用語の問題です。手掛かりは「金融情報システム」「インターネット関連技術の取込み」「ベンチャー企業と組む」、そして最後の「潮流」という言葉です。
受験者金融とネット技術の話なので、暗号資産で聞いたことがあるブロックチェーンかなと最初は思いました。でも、フィンテックという言葉も金融っぽくて迷っています。
講師その2つで迷うのはよくあります。まずフィンテックは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語です。金融サービスと情報技術の結び付きから生まれる革新的な動きを、まとめて指す言葉です。
受験者動きをまとめて指す言葉なら、問題文の「潮流」という表現と合っていますね。ネット技術を取り込んだり、ベンチャー企業と組んだりして新しいサービスを出す流れ全体、ということでしょうか。
講師そのとおりです。一方のブロックチェーンは、取引データをブロック単位で鎖のようにつないで管理する分散型台帳技術です。台帳とは取引の記録帳のことで、改ざんしにくい性質があり、暗号資産の基盤技術として知られています。
受験者ということは、ブロックチェーンは特定の技術の名前で、フィンテックを実現するための道具の一つ、という関係ですか。
講師はい。フィンテックを支える技術の一つという位置付けです。技術の名前なので、潮流そのものを表す語にはなりません。
受験者残りのオムニチャネルとワントゥワンマーケティングは、カタカナが似ていて区別があいまいです。どちらも金融の話ではないのでしょうか。
講師オムニチャネルの「オムニ」は「あらゆる」、「チャネル」は「経路・販路」という意味です。実店舗・Webサイト・アプリなど、複数の顧客接点を連携させる販売戦略を指します。小売などの販売の仕組みの話なので、金融の技術革新の潮流ではありません。
講師ワントゥワンマーケティングは、顧客一人一人のニーズや好みに合わせて個別に対応するマーケティング手法です。不特定多数に同じ働きかけをするマスマーケティングと対比されます。こちらもマーケティングの考え方を表す語です。
受験者整理すると、オムニチャネルは販売経路の連携、ワントゥワンマーケティングは顧客ごとの個別対応、ブロックチェーンは技術の名前で、金融とITが融合する潮流全体がフィンテック、ということですね。
講師よく整理できています。フィンテックの例には、キャッシュレス決済、ロボアドバイザー、ソーシャルレンディングなどがあります。コツは、問われているのが「潮流・動き全体」か「それを実現する技術」かを見分けることです。問題文が「改ざんしにくい分散型台帳」のように技術を説明していれば、今度はブロックチェーンが答えになります。
まとめ
金融とインターネット関連技術を組み合わせ、ベンチャー企業との連携などを通じて新しい価値や革新的なサービスを提供する潮流は「フィンテック」と呼ばれます。フィンテックはFinance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、キャッシュレス決済やロボアドバイザーなどが例です。ブロックチェーンは改ざんしにくい分散型台帳技術の名前で、フィンテックを支える技術の一つにすぎません。オムニチャネルは複数の販売経路を連携させる販売戦略、ワントゥワンマーケティングは顧客ごとに個別対応するマーケティング手法で、どちらも金融の潮流を表す語ではありません。「潮流」を問われているのか「技術」を問われているのかを見分けることが、正しく答えるためのポイントです。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
金融とITを組み合わせて新しい価値やサービスを生み出す潮流を表す用語「フィンテック」を、似た分野の用語と区別して選べるかを問う問題です。
解き方の考え方
問題文から「金融情報システム」「インターネット関連技術の取込み」「ベンチャー企業と組む」「潮流」という手掛かりを拾います。金融(Finance)と技術(Technology)の両方に関わり、しかも一つの技術ではなく動き全体を指す語を探します。販売戦略やマーケティング手法の用語、特定の技術の名前を除いていけば、答えは一つに決まります。
選択肢ごとの解説
- ×ア オムニチャネルオムニチャネルは、実店舗・Webサイト・アプリなど複数の顧客接点を連携させる販売戦略です。「オムニ」は「あらゆる」、「チャネル」は「経路・販路」という意味です。小売などの販売の仕組みを表す語なので、金融分野の技術革新の潮流には当たりません。
- ○イ フィンテックフィンテックは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語です。金融サービスと情報技術の結び付きから生まれる革新的な動きをまとめて指し、問題文にあるネット技術の取込みやベンチャー企業との連携による新サービスの提供と合っています。
- ×ウ ブロックチェーンブロックチェーンは、取引データをブロック単位で鎖のようにつないで管理する分散型台帳技術です。取引記録を改ざんしにくい性質があり、暗号資産の基盤技術として知られています。ただしフィンテックを実現する技術の一つにすぎず、技術の名前なので潮流を表す語ではありません。
- ×エ ワントゥワンマーケティングワントゥワンマーケティングは、顧客一人一人のニーズや好みに合わせて個別に対応するマーケティング手法です。不特定多数に同じ働きかけをするマスマーケティングと対比されます。マーケティングの考え方を表す語であり、金融分野の技術的な潮流を指すものではありません。
補足
「潮流・動き全体」を問われているのか、「それを実現する技術」を問われているのかを区別することが、この種の問題で引っかからないコツです。金融の話題でブロックチェーンが出てくると選びたくなりますが、問題文が「潮流」を問うていればフィンテックを選びます。反対に「改ざんしにくい分散型台帳」といった技術の説明が問われていれば、ブロックチェーンが答えになります。
POINT
- フィンテックはFinanceとTechnologyを組み合わせた造語で、金融とITの融合による革新的な動き全体を指します。
- フィンテックの例として、キャッシュレス決済、ロボアドバイザー、ソーシャルレンディングなどがあります。
- ブロックチェーンは分散型台帳技術の名前で、フィンテックを支える技術の一つという位置付けです。
- オムニチャネルは複数の販売経路を連携させる戦略、ワントゥワンマーケティングは顧客ごとの個別対応で、どちらも金融に限った用語ではありません。
