IPO・LBO・TOB・VCの違いを元の英語から見分ける
ITパスポート試験 令和5年度 問28 / 企業活動 › 経営・組織論
過去問にチャレンジ
AIを開発するベンチャー企業のA社が,資金調達を目的に,金融商品取引所に初めて上場することになった。このように,企業の未公開の株式を,新たに公開することを表す用語として,最も適切なものはどれか。
- ア
IPO
- イ
LBO
- ウ
TOB
- エ
VC
会話形式の解説
講師今回は、株式や企業の資金に関わる略語を見分ける問題です。問題文で、A社が「未公開の株式」を「新たに公開する」と書かれているところに注目しましょう。
受験者選択肢が全部アルファベット3文字以内の略語なので、私はこういう問題で迷ってしまいます。上場の話なので、なんとなくIPOかTOBのどちらかだと思いました。
講師略語は、元の英語を思い出すと意味が絞れます。IPOはInitial Public Offeringの略で、最初の公開募集という意味です。日本語では新規株式公開といって、未公開だった株式を初めて投資家に公開することを指します。
受験者Initialが「最初の」なので、A社が初めて上場する状況にそのまま当てはまりますね。でも、TOBも「公開買付け」で「公開」が入っていますよね。
講師そこが取り違えやすい点です。TOBはTake Over Bidの略で、株式の公開買付けを意味します。この「公開」は、買付価格や買付期間を事前に知らせることを指します。そのうえで、取引所市場を通さずに株主から株式を取得する方法で、経営権を得るために使われることもあります。
受験者つまりTOBは株式を買い集める側の行為で、自社の株式を投資家に出していくIPOとは向きが逆なんですね。
講師そのとおりです。次にLBOはLeveraged Buyoutの略で、企業を買収する手法の一つです。買収資金を借入金でまかない、買収対象の会社の資産や将来の収益を借入れの裏付けにします。
受験者Buyoutは買収ということですね。他社を買い取る手法なので、自社の株式を公開する話とは違うと分かります。VCは問題文に「ベンチャー企業」とあるので、関係がありそうに見えました。
講師VCはVenture Capitalの略で、成長が期待される未上場企業などに出資する投資会社を指します。投資活動そのものを指す場合もあります。IPO前のベンチャー企業に出資することが多いので、問題文と一緒に出てきやすい語ですが、表しているのは出資する側です。株式を公開する行為の名前ではありません。
受験者整理すると、株式を初めて公開するのがIPO、公開買付けで株式を買い集めるのがTOB、借入金で買収するのがLBO、未上場企業に出資する投資会社がVCですね。だから正解はIPOです。
講師正しく整理できています。最後に引っかけをまとめておきます。IPOとTOBはどちらも「公開」が入るので、何を公開するのかを確かめてください。IPOは自社の株式を初めて投資家に公開すること、TOBは買付けの条件を事前に公表することです。VCは、ベンチャーという言葉に引っ張られないように、出資する主体だと覚えておくと迷いにくくなります。
まとめ
企業が未公開の株式を初めて公開して上場することはIPO(Initial Public Offering、新規株式公開)といいます。TOBは株式の公開買付けのことで、買付条件を事前に公表したうえで、取引所市場を通さずに株主から株式を取得します。IPOとは向きが逆の行為です。LBOは借入金を買収資金にあてる企業買収の手法で、VCは成長が期待される未上場企業などに出資する投資会社を指します。略語は元の英語を思い出すと意味を見分けやすく、特に「公開」が入るIPOとTOBの取り違えに注意が必要です。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
企業が未公開の株式を初めて公開して上場することを指す用語を選ぶ問題です。IPO・LBO・TOB・VCという、株式や企業の資金に関わる略語の意味を見分けられるかが問われています。
解き方の考え方
問題文では「未公開の株式」を「新たに公開する」と書かれているので、まずこの部分に注目します。次に、各略語の元の英語を思い出すと意味が絞れます。Initial Public Offering(最初の公開募集)はIPOで、そのまま「新規株式公開」に当たります。ほかの三つは、借入金による買収、株式の買付け、投資会社を表す語なので、株式を公開するという意味には合いません。
選択肢ごとの解説
- ○ア IPOIPOはInitial Public Offeringの略で、日本語では新規株式公開といいます。未公開だった株式を初めて投資家に公開することを指します。問題文のA社のように、企業が初めて株式を上場するのはIPOに当たるので、これが正解です。
- ×イ LBOLBOはLeveraged Buyoutの略で、企業を買収する手法の一つです。買収資金を借入金でまかない、買収対象の会社の資産や将来の収益を借入れの裏付けにします。他社を買い取るための手法なので、自社の株式を新たに公開する行為とは違います。
- ×ウ TOBTOBはTake Over Bidの略で、株式の公開買付けを意味します。買付価格や買付期間を事前に知らせたうえで、取引所市場を通さずに株主から株式を取得する方法で、経営権を得るために使われることもあります。株式を買い集める側の行為なので、株式を公開するIPOとは向きが逆です。
- ×エ VCVCはVenture Capitalの略で、成長が期待される未上場企業などに出資する投資会社を指します。投資活動そのものを指す場合もあります。ベンチャー企業に出資する主体を表す語であり、株式を公開する行為の名前ではありません。
補足
IPOとTOBは、どちらも「公開」という言葉が入るので取り違えやすい組合せです。IPOは、自社の株式を初めて投資家に公開する行為です。TOBの「公開」は買付価格や期間などの条件を事前に公表することを指し、実際の買付けは取引所市場を通さずに株主から行います。また、VCはIPO前のベンチャー企業に出資することが多いため問題文と一緒に出てきやすいですが、表しているのは出資する側です。
POINT
- IPO(Initial Public Offering)は新規株式公開のことで、未公開株式を初めて投資家に公開することを指します。
- LBOは借入金を買収資金にあてる企業買収の手法で、買収対象の資産や将来の収益を借入れの裏付けにします。
- TOBは株式の公開買付けのことで、買付条件を事前に知らせたうえで、取引所市場を通さずに株主から株式を取得します。
- VCは、成長が期待される未上場企業などに出資する投資会社を指します。
