第4次産業革命はどれ?各段階の原動力で見分ける
ITパスポート試験 令和5年度 問35 / 企業活動 › 経営・組織論
過去問にチャレンジ
第4次産業革命に関する記述として,最も適切なものはどれか。
- ア
医療やインフラ,交通システムなどの生活における様々な領域で,インターネットやAIを活用して,サービスの自動化と質の向上を図る。
- イ
エレクトロニクスを活用した産業用ロボットを工場に導入することによって,生産の自動化と人件費の抑制を行う。
- ウ
工場においてベルトコンベアを利用した生産ラインを構築することによって,工業製品の大量生産を行う。
- エ
織機など,軽工業の機械の動力に蒸気エネルギーを利用することによって,人手による作業に比べて生産性を高める。
会話形式の解説
講師今回は、第4次産業革命にあたる説明を4つの選択肢から選ぶ問題です。産業革命は、何を原動力にどんな変化が起きたかで4つの段階に分かれます。各選択肢の中心になっている技術がどの段階のものかを見ていきましょう。
受験者第4次はAIのイメージがあります。ただ、産業用ロボットで自動化するという選択肢も新しい技術に見えて、そちらと迷いました。
講師そこがこの問題の分かれ目です。先に古い段階から整理します。第1次は水力や蒸気機関による機械化です。織機の動力に蒸気を使って生産性を高める選択肢は、これに当たります。
受験者ベルトコンベアの生産ラインで大量生産するという選択肢は、もう少し後の時代ですよね。
講師はい。電力などを使った大量生産が第2次の特徴なので、その選択肢は第2次の説明です。
受験者では、エレクトロニクスを活用した産業用ロボットで自動化して人件費を抑えるというのは第3次ですか。
講師そうです。第3次は電子技術やIT、つまりコンピュータなどの情報技術による自動化が中心です。工場の生産をロボットで自動化するのは、まさに第3次の姿です。
受験者でも、インターネットやAIの選択肢にも「自動化」と書いてあります。第3次と第4次は何が違うのでしょうか。
講師この問題では両方に「自動化」が出てくるので、混同しないよう注意が必要です。第4次は、IoT(モノがインターネットにつながる仕組み)で集めたデータをAIで分析して、サービスを高度化する点が特徴です。ロボットの選択肢には、AIやネットワークによるデータ活用が出てきません。
受験者なるほど。正解の選択肢は医療やインフラ、交通にまで広がっていて、工場の生産だけの話ではないですね。
講師その点も第4次の特徴と合っています。インターネットやAIを使い、生活の様々な領域でサービスの自動化と質の向上を図るという記述が第4次産業革命に当たります。
受験者整理すると、蒸気による機械化が第1次、電力などによる大量生産が第2次、電子技術やITによる自動化が第3次、IoT・AI・ビッグデータによる高度化が第4次ですね。
講師その通りです。第4次は、IoT・AI・ビッグデータ(大量で多様なデータ)を使って産業構造を変え、生産性の向上や効率化を図る技術革新です。迷ったときは、選択肢にこの3つに当たる要素があるかを確認すると区別しやすくなります。
まとめ
産業革命は原動力によって4段階に分けられます。第1次は水力や蒸気機関による機械化、第2次は電力などによる大量生産、第3次は電子技術やITによる自動化です。第4次はIoT・AI・ビッグデータを活用して、生活の様々な領域でサービスの自動化と質の向上を図る技術革新です。この問題では第3次と第4次の選択肢の両方に「自動化」が出てくるため、AIやネットワークによるデータ活用が含まれるかどうかで見分けます。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
産業革命は4つの段階に分けられます。この問題では、そのうち第4次産業革命にあたる説明を選びます。第1次から第3次までの説明と区別できるかが問われています。
解き方の考え方
最初に、産業革命の4段階を確かめます。第1次は蒸気による機械化、第2次は電力などによる大量生産、第3次は電子技術やITによる自動化です。第4次は、IoT・AI・ビッグデータによる高度化です。次に、各選択肢の中心になっている技術を探し、どの段階に当たるかを照らします。最後に、第4次に当たるものが1つだけ残るので、それを選びます。
選択肢ごとの解説
- ○ア 医療やインフラ,交通システムなどの生活における様々な領域で,インターネットやAIを活用して,サービスの自動化と質の向上を図る。この肢は、インターネットやAIを使い、医療・インフラ・交通など生活の様々な領域でサービスの自動化と質の向上を図る、と述べています。決め手は、IoTやAIといったデータを活用する技術が中心にあることです。また、対象が工場の生産に限られていない点も、第4次の特徴と合っています。したがって、第4次産業革命の説明であり、適切です。
- ×イ エレクトロニクスを活用した産業用ロボットを工場に導入することによって,生産の自動化と人件費の抑制を行う。この肢は、産業用ロボットで生産を自動化し、人件費を抑える、と述べています。決め手は、電子技術やITによる自動化が第3次の中心であることです。「自動化」という言葉はアにもあります。しかしイには、AIやネットワークによるデータ活用が出てきません。したがって、第3次産業革命の説明であり、不適切です。
- ×ウ 工場においてベルトコンベアを利用した生産ラインを構築することによって,工業製品の大量生産を行う。ベルトコンベアを使った生産ラインで工業製品を大量生産するという記述は、第2次産業革命の説明です。電力などを使った大量生産がこの段階の特徴です。
- ×エ 織機など,軽工業の機械の動力に蒸気エネルギーを利用することによって,人手による作業に比べて生産性を高める。織機など軽工業の機械の動力に蒸気を使い、人手より生産性を高めるという記述は、第1次産業革命の説明です。水力や蒸気機関による機械化が第1次の特徴です。
補足
よくある引っかけは「自動化」という言葉です。第3次も第4次も自動化を含みますが、第3次はロボットやITによる自動化そのものを指します。一方、第4次はモノがネットワークでつながり、集めたデータをAIで分析して高度化する点が違います。選択肢にIoT・AI・ビッグデータに当たる要素があるかどうかを見ると区別しやすくなります。
POINT
- 第1次産業革命は、水力や蒸気機関による機械化です。
- 第2次産業革命は、電力などによる大量生産です。
- 第3次産業革命は、電子技術やITによる自動化です。
- 第4次産業革命は、IoT・AI・ビッグデータを使った技術革新で、産業構造を変えて生産性の向上や効率化を図ります。
