EVMの評価式で、スケジュールとコストの指標を計算する
ITパスポート試験 令和7年度 問45 / プロジェクトマネジメント › プロジェクトマネジメント
過去問にチャレンジ
計画時の予算が2,000万円で,40日間で100本のプログラムを作成するプロジェクトがある。プロジェクトが20日経過した時点で全体の40%である40本のプログラムが完成し,1,000万円のコストが掛かった。プロジェクトの指標を次の評価式で算出する場合,プロジェクトの指標として適切な組合せはどれか。ここで,各プログラムの作成に必要な日数及びコストは全て同一で,プロジェクト期間中は常に同じ量の作業が実施されるものとする。 〔評価式〕スケジュール(%):(完成したプログラム本数÷評価時点での完成見込みプログラム本数)×100コスト(%):(完成したプログラムに掛かったコスト÷完成したプログラム分として計画したコスト)×100

- ア
スケジュール80%、コスト125%
- イ
スケジュール80%、コスト100%
- ウ
スケジュール90%、コスト125%
- エ
スケジュール90%、コスト100%
会話形式の解説
講師今回は、プロジェクトの途中で進み具合とコストの使い方を数値で評価する計算問題です。EVM(アーンドバリューマネジメント)に近い考え方で、計画値と実績値を比べます。評価式の分母に何を入れるかが一番のポイントです。
受験者全体の40%が完成と書いてあるので、スケジュールは40%かと思いました。でも選択肢の表には80と90しかありません。
講師評価式をよく見てください。スケジュールの分母は全体の100本ではなく、評価時点での完成見込み本数です。つまり、計画どおりなら20日目までに何本できているはずか、を求めます。
受験者作業量は毎日同じという前提なので、20日は40日の半分です。100本×20/40で50本が見込みですね。
講師そのとおりです。完成したのは40本なので、40÷50×100で80%になります。これでスケジュールが90%の組合せは外れます。
受験者次はコストです。1,000万円を予算の2,000万円で割ると50%になりますが、選択肢にはありません。
講師そこがよくある引っかけです。コストの分母は全体予算ではなく、完成したプログラムの分として計画したコストです。1本あたりの計画コストを出してみましょう。
受験者2,000万円÷100本で、1本20万円です。完成した40本分なら800万円になります。
講師はい。実際に掛かったのは1,000万円なので、1,000÷800×100で125%です。検算すると、800万円×1.25で1,000万円、50本×0.8で40本となり、問題の実績と合います。
受験者では、スケジュール80%、コスト125%の組合せが正解ですね。コスト100%の組合せは、800万円で済んだ場合の値だから誤りということですか。
講師そういうことです。コスト100%なら計画どおりですが、実際は200万円多く掛かっています。スケジュール90%・コスト100%の組合せは、どちらの値も合いません。
受験者この式だと、スケジュールは100%未満なら遅れていて、コストは100%を超えると掛かりすぎ、という読み方でよいですか。
講師はい、それで合っています。補足すると、EVMではスケジュール効率をSPI=EV÷PV、コスト効率をCPI=EV÷ACで表します。EVは出来高、PVは計画値、ACは実コストのことです。今回のコストの式は実コスト÷計画コスト、つまりAC÷EVの形で、CPIとは分子と分母が逆です。そのため値が大きいほど悪い結果になります。評価式が与えられたら、覚えている公式ではなく、問題の定義どおりに計算してください。
まとめ
この問題は、40日で100本を作る予算2,000万円のプロジェクトについて、20日経過時点のスケジュールとコストの指標を、与えられた評価式で求めるものです。作業量が一定なので、20日時点の完成見込みは50本となり、スケジュールは40÷50×100=80%です。1本あたりの計画コストは20万円なので完成40本分の計画は800万円となり、コストは1,000÷800×100=125%です。分母に全体の100本や全体予算2,000万円を使わないことがポイントです。この式のコスト指標はEVMのCPIとは分子と分母が逆なので、問題の定義どおりに計算する必要があります。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
プロジェクトの途中時点の進み具合とコストの使い方を、問題で示された評価式に数値を当てはめて求める計算問題です。EVM(アーンドバリューマネジメント)に近い考え方で、計画値と実績値を比べます。
解き方の考え方
各プログラムの日数とコストは同じで、作業量も一定という前提があります。このため、計画上の本数やコストは経過日数や本数に比例すると考えられます。まず「評価時点での完成見込み本数」を求め、スケジュール(%)を計算します。次に1本あたりの計画コストから「完成40本分の計画コスト」を求め、実際に掛かった1,000万円と比べてコスト(%)を出します。最後に、2つの値の組合せが合う選択肢を表から選びます。
選択肢ごとの解説
- ○ア スケジュール80%、コスト125%スケジュール80%、コスト125%の組合せは計算結果と一致します。20日は40日の半分なので、完成見込みは100本×20/40=50本となり、40÷50×100=80%です。1本あたりの計画コストは2,000万円÷100本=20万円なので、40本分の計画は20万円×40=800万円となり、1,000÷800×100=125%です。検算すると、800万円×1.25=1,000万円、50本×0.8=40本で、どちらも問題の実績と合います。
- ×イ スケジュール80%、コスト100%スケジュール80%は合っていますが、コスト100%が誤りです。完成40本分の計画コストは800万円で、実際には1,000万円掛かっているため、計画どおりの100%にはなりません。
- ×ウ スケジュール90%、コスト125%コスト125%は合っていますが、スケジュール90%が誤りです。完成本数40本を見込み本数50本で割ると0.8なので、80%になります。
- ×エ スケジュール90%、コスト100%スケジュール90%とコスト100%は、どちらも計算結果と合いません。正しくはスケジュール80%、コスト125%です。
補足
よくある引っかけは、問題文の「全体の40%」をそのままスケジュールの値にしたり、実コストを全体予算2,000万円と比べて50%としたりすることです。EVMでは、スケジュール効率をSPI=EV÷PV、コスト効率をCPI=EV÷ACで表します。この問題のコスト(%)は実コスト÷計画コスト、つまりAC÷EVの形なので、CPIとは分子と分母が逆です。そのため値が大きいほど悪い結果になります。評価式が与えられたときは、その定義どおりに計算してください。
POINT
- 作業量が一定という前提があれば、評価時点の計画値は「全体量×経過日数÷全期間」で求められます。
- スケジュール(%)の分母は全体の100本ではなく、評価時点で完成しているはずの本数(この問題では50本)です。
- コスト(%)の分母は全体予算ではなく、完成した分に対応する計画コスト(この問題では800万円)です。
- この評価式では、スケジュールは100%未満なら計画より遅れ、コストは100%を超えると計画よりコストが多く掛かったことを表します。
