プロジェクト会議の正しい運営方法と議事録の扱い
ITパスポート試験 令和8年度 問49 / プロジェクトマネジメント › プロジェクトマネジメント
過去問にチャレンジ
システム開発プロジェクトで開催するプロジェクト会議に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
- ア
会議で決まった内容を周知徹底するために,議事録を作成して必要な関係者と共有する。
- イ
議論が中途半端にならないように,会議の終了時刻は決めずに実施する。
- ウ
効率よくシステム開発プロジェクトを遂行するために,全ての会議にステークホルダ全員が常に参加する。
- エ
様々な内容を会議で議論できるように,会議の開始直後に会議の議題を参加メンバーから募って確定する。
会話形式の解説
講師今回はプロジェクト会議の運営の仕方がテーマです。会議は、限られた時間に必要な人が集まり、決めるべきことを決めて、その結果を確実に伝える場です。この目的に合っているかどうかで選択肢を見ていきましょう。
受験者どの選択肢にも「議論を中途半端にしない」や「効率よく」といった良さそうな目的が書いてあって、全部正しく見えてしまいました。
講師そこがこの問題の引っかけです。目的が良さそうでも、手段のほうで時間や人手を無駄にしていないかを確かめる必要があります。まず、終了時刻を決めずに会議をする選択肢はどう思いますか。
受験者時間を気にせず議論できるのは良さそうですが、だらだら長引きそうな気もします。
講師そのとおりです。終了時刻がないと会議が長引きやすく、生産性が下がります。参加者のほかの作業にも影響が出るので、終了時刻は前もって決めておくのが基本です。
受験者ステークホルダ全員がすべての会議に参加する選択肢はどうですか。ステークホルダはプロジェクトの利害関係者のことですよね。全員いれば話が早く済みそうに思いました。
講師言葉の理解は合っています。ただ、参加者が増えるほど一人ひとりの時間の負担が大きくなり、意思決定もかえって遅くなります。参加者は、会議の目的や議題に合わせて必要な人に絞るのが適切です。
受験者会議が始まってから議題を募る選択肢も、いろいろな話ができて良さそうに見えました。
講師議題は原則として会議の前に決めて、参加者に知らせておきます。前もって分かっていれば意見や資料を準備できますが、始まってから募ると準備が足りず、議論がまとまりにくくなります。
受験者そうすると、残るのは議事録を作って必要な関係者と共有する選択肢ですね。
講師はい、それが正解です。議事録を共有すると関係者の認識がそろい、認識の違いや作業漏れを防げます。後から何が決まり、誰が何をするのかを確かめる記録にもなります。
受験者整理すると、議題・参加者・開始時刻・終了時刻は事前に決めておき、決まったことは議事録で共有する、ということですね。
講師よくまとまっています。補足すると、議事録には決定事項・担当者・期限・未決事項を書いておくと、後から確かめやすくなります。また、プロジェクトの情報を作成・配布・保管することは、PMBOKのコミュニケーションマネジメントの考え方につながります。
まとめ
この問題は、システム開発プロジェクトにおける会議の適切な運営方法を問うものです。正解は、会議で決まった内容を議事録にまとめ、必要な関係者と共有するという選択肢です。議事録があれば認識のずれや作業漏れを防げ、後から決定事項や担当を確かめられます。終了時刻を決めない、全員を常に参加させる、開始後に議題を募るといったやり方は、目的がもっともらしくても時間や人手を無駄にするため不適切です。議題・参加者・開始時刻・終了時刻は事前に整理しておくのが基本です。
解答・解説
正解はアです
この問題のテーマ
システム開発プロジェクトで行う会議を、どう運営するのが適切かを問う問題です。議事録の扱い、終了時刻、参加者の決め方、議題を決めるタイミングについての理解が問われています。
解き方の考え方
会議は、限られた時間で必要な人が集まって決めるべきことを決め、その結果を確実に伝えるための場です。この目的に照らして、時間や人手を無駄にしていないか、決まった内容が関係者に伝わる仕組みになっているかを、選択肢ごとに確かめます。会議の運営では、議題・参加者・開始時刻・終了時刻を前もって整理しておくのが基本です。この基本から外れる選択肢を除いていくと、正解にたどり着けます。
選択肢ごとの解説
- ○ア 会議で決まった内容を周知徹底するために,議事録を作成して必要な関係者と共有する。会議で決まったことを議事録にまとめ、必要な関係者と共有するという内容で、適切な運営です。議事録を共有しておけば関係者の認識がそろい、認識の違いや作業漏れを防げます。また、後から「何が決まり、誰が何をするのか」を確かめる記録にもなります。
- ×イ 議論が中途半端にならないように,会議の終了時刻は決めずに実施する。議論を中途半端にしないために終了時刻を決めない、という考え方は誤りです。終了時刻がないと会議が長引きやすく、生産性が下がります。参加者のほかの作業にも影響が出るため、終了時刻は前もって決めておくのが基本です。
- ×ウ 効率よくシステム開発プロジェクトを遂行するために,全ての会議にステークホルダ全員が常に参加する。すべての会議にステークホルダ全員が常に参加する、という運営は効率的ではありません。参加者が増えるほど一人ひとりの時間の負担が大きくなり、意思決定も遅くなります。参加者は、会議の目的や議題に合わせて必要な人に絞るのが適切です。
- ×エ 様々な内容を会議で議論できるように,会議の開始直後に会議の議題を参加メンバーから募って確定する。会議が始まってから参加者に議題を募って決める、というやり方は不適切です。議題は原則として会議の前に決めて、参加者に知らせておきます。前もって共有しておけば参加者が意見や資料を準備できますが、始まってから募ると準備が足りず、議論がまとまりにくくなります。
補足
誤りの選択肢は「議論を中途半端にしない」「効率よく」「様々な内容を議論できる」など、一見もっともらしい目的を掲げています。目的が良さそうに見えても、手段が時間や人手を無駄にしていないかを確かめることが大切です。プロジェクトの情報を作成・配布・保管することは、コミュニケーションマネジメントの考え方につながります。
POINT
- 会議で決まった事項は議事録に残し、必要な関係者と共有します。
- 議事録には、決定事項・担当者・期限・未決事項を書いておくと、後から確かめやすくなります。
- 議題・参加者・開始時刻・終了時刻は、会議の前に整理しておきます。
- 参加者は全員ではなく、目的や議題に応じて必要な人に絞ります。
