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ビジネスモデルを保護する法律は?知的財産法の対象を整理

ITパスポート試験 令和8年度 問5 / 法務 › 知的財産権

過去問にチャレンジ

令和8年度 問5

インターネットを利用した企業広告に関する新たなビジネスモデルを知的財産として出願し,コンピュータシステムとして実現した。このビジネスモデルを知的財産として,保護する法律はどれか。

  1. ア

    意匠法

  2. イ

    実用新案法

  3. ウ

    著作権法

  4. エ

    特許法

会話形式の解説

講師講師
この問題では、4つの知的財産法がそれぞれ何を保護しているかが問われています。手がかりになるのは、問題文にある「出願」と「コンピュータシステムとして実現」の2つの言葉です。
受験者受験者
インターネット広告の話なので、私は広告の画面やデザインに関係がありそうだと思いました。それなら意匠法でしょうか。
講師講師
そこは間違えやすいところです。意匠法が保護するのは、物品などの外観、つまり見た目のデザインです。今回守りたいのは広告画面の見た目ではなく、ビジネスの仕組みのほうなので、意匠法は当てはまりません。
受験者受験者
仕組みなら実用新案法も候補になりそうです。特許法との違いがよく分かっていません。
講師講師
実用新案法は、物品の形状・構造・組合せに関する考案を保護する法律です。対象が形のある物品の工夫に限られるので、方法そのものであるビジネスの方法は保護の対象外です。
受験者受験者
システムを作ったのなら、プログラムは著作権で保護されるはずです。著作権法ではいけないのですか。
講師講師
ソースコードのうち創作的な表現の部分は、たしかに著作権で保護されます。ただ、著作権法が守るのは表現であって、ビジネスの方法というアイデアそのものには及びません。それに、著作権は出願しなくても創作した時点で発生する権利なので、問題文の「出願し」という状況とも合いません。
受験者受験者
「出願」という言葉からも著作権法は外せるのですね。そうすると残るのは特許法です。
講師講師
そのとおりです。特許法は、技術的なアイデアである「発明」を保護します。情報処理を使ってビジネスの方法を具体的に実現したものは、ビジネス関連発明として特許法で保護されます。
受験者受験者
では、ビジネスのアイデアを思いついただけでも特許は取れるのでしょうか。
講師講師
着想だけでは取れません。コンピュータなどの情報処理で具体的に実現していることが必要です。さらに、コンピュータで実現すれば必ず特許になるわけでもなく、ほかの発明と同じように特許の要件を満たす必要があります。
受験者受験者
整理すると、見た目は意匠法、物品の形や構造の工夫は実用新案法、表現は著作権法、システムとして実現した仕組みは特許法、ということですね。
講師講師
よくまとまっています。補足すると、「ビジネスモデル特許」はよく使われる呼び名ですが、その名前の独立した特許の区分があるわけではありません。通常の特許と同じ枠組みで審査されるので、新規性や進歩性、産業上の利用可能性といった一般的な要件が求められます。同じシステムでも、プログラムの表現は著作権、仕組みは特許と分けて考えるのが定番の出題パターンなので、セットで覚えておくと役に立ちます。

まとめ

コンピュータシステムとして実現したビジネスの方法は、ビジネス関連発明として特許法で保護されます。意匠法は外観のデザイン、実用新案法は物品の形状・構造・組合せの考案、著作権法は創作的な表現を保護する法律なので、ビジネスの方法は対象になりません。著作権は出願しなくても発生するため、問題文の「出願」という言葉も判断の手がかりになります。なお、アイデアだけでは特許は取れず、情報処理による具体的な実現と、新規性や進歩性などの一般的な特許要件を満たすことが必要です。

解答・解説

正解はエです

この問題のテーマ

コンピュータシステムとして実現した新しいビジネスの方法(いわゆるビジネスモデル)を、どの知的財産法で保護するのかを問う問題です。

解き方の考え方

まず、4つの法律がそれぞれ何を保護しているのかを整理します。意匠法は外観のデザイン、実用新案法は物品の形状・構造・組合せ、著作権法は創作された表現を保護します。設問のビジネスの方法は「仕組み」や「アイデアの実現方法」にあたるため、技術的なアイデアである「発明」を保護する特許法が当てはまると判断できます。ポイントは「出願」と「コンピュータシステムとして実現」の2語です。著作権は出願しなくても創作した時点で発生するため、「出願」という語からも候補を絞り込めます。

選択肢ごとの解説

  1. ×ア  意匠法
    意匠法は、物品などの外観、つまり見た目のデザインの創作を保護する法律です。ビジネスの方法は見た目ではなく仕組みなので、意匠法では保護されません。広告画面のデザインと混同しないよう注意が必要です。
  2. ×イ  実用新案法
    実用新案法は、物品の形状・構造・組合せに関する考案を保護する法律です。保護の対象が形のある物品の工夫に限られているため、方法そのものであるビジネスの方法は対象外です。
  3. ×ウ  著作権法
    著作権法が保護するのは、創作された表現です。システムのソースコードのうち創作的な表現の部分は著作権で保護されますが、ビジネスの方法というアイデア自体には著作権は及びません。また、著作権は出願しなくても発生する権利なので、設問の「出願し」という状況にも合いません。
  4. ○エ  特許法
    特許法の保護対象は発明であり、情報処理を使って具体的に実現したビジネスの方法は、ビジネス関連発明として特許法で保護されます。ただし、コンピュータで実現しただけで必ず特許になるわけではなく、ほかの発明と同じく特許の要件を満たす必要があります。

補足

「ビジネスモデル特許」はよく使われる呼び名ですが、そういう名前の独立した特許の区分があるわけではなく、通常の特許と同じ枠組みで審査されます。そのため、新規性や進歩性、産業上の利用可能性といった一般的な特許の要件を満たす必要があります。同じシステムでも、プログラムの表現は著作権、仕組みは特許というように、保護する法律を分けて考えるのが定番の出題パターンです。

POINT

  • ビジネスの方法をコンピュータシステムとして具体的に実現したものは、特許法で保護されるビジネス関連発明になり得ます。
  • ビジネスの着想(アイデア)だけでは特許は取れず、情報処理による具体的な実現が必要です。
  • 意匠法は外観のデザイン、実用新案法は物品の形状・構造・組合せの考案を保護します。
  • 著作権法はソースコードなどの創作的な表現を保護しますが、アイデアや方法そのものは保護しません。

※出典:令和8年度 ITパスポート試験 問5