マナビング基本情報技術者

デュアルシステムとデュプレックスはどこで見分けるか

基本情報技術者試験 平成29年度秋期 午前 問13 / システム構成要素 › システムの構成

過去問にチャレンジ

平成29年度秋期 午前 問13

デュアルシステムの説明として,最も適切なものはどれか。

  1. ア

    同じ処理を行うシステムを二重に用意し,処理結果を照合することで処理の正しさを確認する。どちらかのシステムに障害が発生した場合は,縮退運転によって処理を継続する。

  2. イ

    オンライン処理を行う現用系と,バッチ処理などを行いながら待機させる待機系を用意し,現用系に障害が発生した場合は待機系に切り替え,オンライン処理を続行する。

  3. ウ

    待機系に現用系のオンライン処理プログラムをロードして待機させておき,現用系に障害が発生した場合は,即時に待機系に切り替えて処理を続行する。

  4. エ

    プロセッサ,メモリ,チャネル,電源系などを二重に用意しておき,それぞれの装置で片方に障害が発生した場合でも,処理を継続する。

会話形式の解説

講師講師
この問題は、システムを二重化する方式のうち、デュアルシステムを選ぶ問題です。どの選択肢にも「二重に用意する」話が出てくるので、二つの系がそれぞれ何をしているかに注目してください。
受験者受験者
私には「デュアル」も「デュプレックス」も同じ「二重」の意味に見えて、区別があいまいです。障害が起きても処理を続けるという説明なら、どれも当てはまりそうに思えます。
講師講師
そこが迷いやすいところです。判断の軸は、二つの系が同じ処理を同時に行っているかどうかです。処理結果を照合するという説明の選択肢では、二つの系はどう動いていますか。
受験者受験者
同じ処理を行うシステムを二つ用意して、結果を照合しています。照合するには両方が同じ処理をしている必要があるので、二つが同時に動いていると読めます。
講師講師
そのとおりです。二系統が並行して同じ処理をし、照合して正しさを確かめるのがデュアルシステムの特徴です。片方が故障したら、その系を切り離して残った系で処理を続ける縮退運転もできるので、説明全体がデュアルシステムに合っています。
受験者受験者
ここでの縮退運転は、故障した系を外して、残った一系統だけで処理を続けるという意味ですね。
講師講師
はい。では、オンライン処理をする現用系と、バッチ処理などをしながら待機する待機系に分かれる説明はどうでしょう。
受験者受験者
待機系はバッチ処理という別の仕事をしているので、二つの系が同じ処理を同時にしているわけではありません。だからデュアルシステムではない、ということでしょうか。
講師講師
そうです。現用系と待機系に役割が分かれていて、障害時に待機系へ切り替える方式はデュプレックスシステムです。
受験者受験者
待機系にオンライン処理のプログラムをロードして待たせておく説明は、すぐ切り替えられるので、デュアルシステムに近いように感じました。
講師講師
そこがいちばん紛らわしいところです。この方式はホットスタンバイと呼ばれ、デュプレックスの一つの形です。待機系はプログラムを用意して待っているだけで、同じ処理を並行して行ってはいません。結果の照合もしないので、デュアルシステムには当たりません。
受験者受験者
準備ができていることと、実際に同じ処理をしていることは別なのですね。プロセッサやメモリ、電源などを二重にする説明は、システムを丸ごと二つ持つ話ではないように見えます。
講師講師
よく読めています。装置ごとに二重化して、どれか一つが故障してももう片方で処理を続けられるようにした構成です。これはフォールトトレラントシステムの説明です。
受験者受験者
まとめると、二系統で同じ処理を同時に行って照合するのがデュアル、現用系と待機系に分かれて切り替えるのがデュプレックス、待機系にプログラムを事前にロードしておくのがホットスタンバイ、装置単位で二重化するのがフォールトトレラント、ですね。
講師講師
そのとおりです。問題文に「照合する」とあればデュアルシステムの可能性が高く、「切り替える」「待機させる」とあればデュプレックス系と考えられます。ただし語句だけで決めつけず、同じ処理を同時に行っているか、待機系があるかの二点を確かめてから判断してください。

まとめ

デュアルシステムは、二系統で同じ処理を同時に行い、結果を照合して正しさを確かめる方式です。片方が故障したら、その系を切り離して縮退運転で処理を続けられます。現用系と待機系に分かれて障害時に切り替えるのはデュプレックスシステムで、待機系にプログラムを事前にロードしておく形をホットスタンバイといいます。装置ごとに二重化する構成はフォールトトレラントシステムです。見分けるときは語句だけに頼らず、二つの系が同じ処理を同時に行っているか、待機系があるかを確かめます。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

信頼性を高めるためにシステムを二重化する構成のうち、デュアルシステムがどれかを見分ける問題です。デュプレックスシステム、ホットスタンバイ、フォールトトレラントとの違いが問われています。

解き方の考え方

各選択肢がどう二重化しているかに注目します。二つの系が同時に同じ処理をしているのか、片方が待機しているのかを確かめます。両方の系が同じ処理をして結果を突き合わせていればデュアルシステムです。現用系と待機系に役割が分かれていればデュプレックス系の方式と判断します。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  同じ処理を行うシステムを二重に用意し,処理結果を照合することで処理の正しさを確認する。どちらかのシステムに障害が発生した場合は,縮退運転によって処理を継続する。
    アは、同じ処理をする二つのシステムで結果を照合する説明です。二系統が並行して同じ処理をし、照合によって正しさを確かめるのはデュアルシステムの特徴です。片方が故障しても、その系を切り離して残った系で処理を続ける縮退運転ができます。この点もデュアルシステムの説明に合います。
  2. ×イ  オンライン処理を行う現用系と,バッチ処理などを行いながら待機させる待機系を用意し,現用系に障害が発生した場合は待機系に切り替え,オンライン処理を続行する。
    イは、オンライン処理を担う現用系と、バッチ処理などをしながら待機する待機系に分かれた構成です。障害が起きたら待機系に切り替えて処理を続けます。この方式はデュプレックスシステムで、二つの系が同じ処理をして照合するデュアルシステムとは別の構成です。
  3. ×ウ  待機系に現用系のオンライン処理プログラムをロードして待機させておき,現用系に障害が発生した場合は,即時に待機系に切り替えて処理を続行する。
    ウは、現用系のプログラムを待機系にあらかじめロードしておき、障害時にすぐ切り替える方式です。これはホットスタンバイと呼ばれます。現用系と待機系に分かれる点ではデュプレックスの一つの形です。待機系は同じ処理を並行して行っていないため、デュアルシステムには当たりません。
  4. ×エ  プロセッサ,メモリ,チャネル,電源系などを二重に用意しておき,それぞれの装置で片方に障害が発生した場合でも,処理を継続する。
    エは、プロセッサ、メモリ、電源などを装置ごとに二重化する構成です。どれか一つが故障しても、もう片方の装置で処理を続けます。システム全体を二系統持つのではなく、構成要素ごとに冗長化しているので、フォールトトレラントシステムの説明になります。

補足

見分けるときは「二つの系が同じ処理をしているか」と「待機系があるか」の二点を確かめます。結果を照合する、という語句があればデュアルシステムです。切り替える、待機させる、という語句があればデュプレックス系と考えられます。

POINT

  • デュアルシステムは、二系統で同じ処理を同時に行い、結果を照合して正しさを確かめます。
  • デュプレックスシステムは、現用系と待機系に分かれ、障害時に待機系へ切り替えて処理を続けます。
  • 待機系にプログラムを事前にロードしておき、すぐ切り替えられるようにした形がホットスタンバイです。
  • 装置ごとに二重化して、部品が故障しても止まらないようにした構成がフォールトトレラントシステムです。

※出典:平成29年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問13