機械学習の活用事例を見分ける着眼点
基本情報技術者試験 令和元年度秋期 午前 問73 / ビジネスインダストリ › エンジニアリングシステム
過去問にチャレンジ
生産現場における機械学習の活用事例として,適切なものはどれか。
- ア
工場における不良品の発生原因をツリー状に分解して整理し,アナリストが統計的にその原因や解決策を探る。
- イ
工場の生産設備を高速通信で接続し,ホストコンピュータがリアルタイムで制御できるようにする。
- ウ
工場の生産ロボットに対して作業方法をプログラミングするのではなく,ロボット自らが学んで作業の効率を高める。
- エ
累積生産量が倍増するたびに工場従業員の生産性が向上し,一定の比率で単位コストが減少する。
会話形式の解説
講師機械学習に当たるかは、何が学び、その結果が何に使われているかに注目します。
受験者工場で分析や制御をしていれば、どれも機械学習のように見えます。
講師機械学習では、データから特徴や規則を学び、判断や動作の改善に生かします。不良品の原因をツリー状に整理する事例では、誰が原因を探っていますか。
受験者アナリストです。機械が学んで改善する過程は書かれていません。
講師そのとおりです。では、設備を通信でつなぎ、ホストコンピュータから制御する事例はどうでしょうか。
受験者設備を制御していますが、設備自身が学習しているとは読み取れません。
講師そうです。接続と制御だけでは機械学習とはいえません。生産ロボットの事例では、学んだ結果がどう使われていますか。
受験者ロボットが自ら学び、作業効率を高めています。これが適切な事例です。
講師正解です。残る、累積生産量と単位コストの関係はどう考えますか。
受験者コストが下がるので迷いましたが、機械が作業を学んでいる説明ではありません。
講師そのとおりです。累積生産量が倍増するたびに単位コストが一定の比率で減少するという、経験曲線の説明です。
受験者機械学習かどうかは、工場で技術を使っているかではなく、機械が学んだ結果を判断や動作に生かしているかで確かめます。
講師はい。人による分析、設備の接続と制御、経験曲線を、機械自身の学習と区別すると判断しやすくなります。
まとめ
機械学習の活用事例は、機械が学んだ結果を判断や動作の改善に生かしているかで見分けます。生産ロボットが自ら学んで作業効率を高める事例が適切です。人による原因分析や設備の接続と制御は、それだけでは機械学習を示しません。累積生産量が倍増するたびに単位コストが一定の比率で減少する関係は、経験曲線の論点です。
解答・解説
正解はウです
この問題のテーマ
生産現場で、機械学習を活用している事例を見分ける問題です。
解き方の考え方
機械学習では、データから特徴や規則を学び、その結果を動作の改善に生かします。各選択肢について、設備の接続や人による分析にとどまるのか、機械自身が学んでいるのかを確かめます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 工場における不良品の発生原因をツリー状に分解して整理し,アナリストが統計的にその原因や解決策を探る。不良品の原因をツリー状に整理し、原因や解決策を探る主体はアナリストです。記述された作業からは、機械がデータを学んで判断や動作を改善する過程を読み取れません。
- ×イ 工場の生産設備を高速通信で接続し,ホストコンピュータがリアルタイムで制御できるようにする。生産設備を通信でつなぎ、ホストコンピュータから制御する説明です。設備間の接続と制御を実現しても、それだけでは機械が学習したことにはなりません。
- ○ウ 工場の生産ロボットに対して作業方法をプログラミングするのではなく,ロボット自らが学んで作業の効率を高める。生産ロボットが自ら学び、その結果を使って作業効率を高めています。学習を動作の改善につなげているため、機械学習の活用事例に当たります。
- ×エ 累積生産量が倍増するたびに工場従業員の生産性が向上し,一定の比率で単位コストが減少する。累積生産量の増加に伴い、単位コストが一定の比率で減少するという関係を述べています。これは経験曲線の説明であり、機械がデータから学んで作業を改善する事例ではありません。
POINT
- 機械学習の活用は、学習した結果を判断や動作に生かしているかで見分けます。
- 設備を通信で接続して制御することと、設備が学習することは別です。
- 累積生産量と単位コストの関係は、経験曲線の論点です。
