リテンション率は何を何で割るかを表から確かめる
基本情報技術者試験 令和8年度 問17 / 経営戦略マネジメント › ビジネス戦略と目標・評価
過去問にチャレンジ
サービスA~Dの中で会員のリテンション率が最も高いものはどれか。なお,リテンションの対象は前月末から当月末まで継続して在籍した会員とし,当月新規会員は月末までの退会はないものとする。

- ア
サービスA
- イ
サービスB
- ウ
サービスC
- エ
サービスD
会話形式の解説
講師今回は表の数値からリテンション率を計算して比べる問題です。リテンション率は「定着率」のことで、前月末にいた会員のうち、当月末まで在籍を続けた会員の割合です。当月新規会員をどう扱うかに注目してください。
受験者当月末会員数を前月末会員数で割ればよいと思いました。でも、それだと新規会員も入ってしまいますね。
講師そのとおりです。当月末の会員には、前月から続けている会員と、当月入った新規会員が混ざっています。問題文に「当月新規会員は月末までに退会しない」とあるので、新規会員は全員が当月末会員数に含まれています。
受験者それなら、当月末会員数から当月新規会員数を引けば、前月から続けている会員の数になりますか。
講師はい。それが継続会員数です。式にすると、リテンション率=(当月末会員数-当月新規会員数)÷前月末会員数です。分母は前月末会員数になります。
受験者サービスAから計算します。800-500=300人で、300÷1,000=30%です。
講師正しいです。Aは新規会員が500人と多いので、当月末の800人のうち前月から続けている会員は少なくなります。四つの中で最も低い値です。
受験者サービスBは、当月末会員数がAと同じ800人ですが、新規会員が200人なので、800-200=600人です。600÷1,000で60%になります。
講師そうです。当月末会員数が同じでも、新規会員が少ない分、前月からの会員が多く残っていることが分かります。次はCです。
受験者1,100-500=600人で、継続会員数はBと同じです。でも前月末会員数が1,500人なので、600÷1,500=40%です。人数が同じでも割合は違うのですね。
講師はい。比べるのは人数ではなく割合なので、分母の大きさが効いてきます。最後にDはどうでしょう。
受験者1,800-1,000=800人で、800÷1,500は約53.3%です。Dは当月末会員数も継続会員数も一番多いので、計算する前はDが正解だと思っていました。
講師この表ではDが当月末会員数も継続会員数も最多なので、Dを選びたくなりやすいところです。ただ、割合では約53.3%で、Bの60%に届きません。新規会員を多く獲得すると会員数は増えますが、既存会員がどれだけ定着しているかとは別の話です。
受験者整理すると、Aが30%、Bが60%、Cが40%、Dが約53.3%なので、最も高いのはサービスBですね。新規会員を引くことと、分母を前月末会員数にすることが要点だと分かりました。
講師そのとおりです。当月末会員数を分母にしたり、新規会員を継続会員に数えたりしないように気をつけてください。なお、退会率(チャーン率)は1-リテンション率で表せます。Bなら退会率は40%で、二つの指標は表裏の関係にあります。
まとめ
リテンション率は、前月末にいた会員のうち当月末まで在籍を続けた会員の割合です。当月新規会員は月末までに退会しないという条件があるので、継続会員数は当月末会員数から当月新規会員数を引いて求め、それを前月末会員数で割ります。計算すると、Aは30%、Bは60%、Cは40%、Dは約53.3%となり、最も高いのはサービスBです。Dは当月末会員数も継続会員数も最多ですが、比べるのは人数ではなく割合です。退会率(チャーン率)は1-リテンション率で表せます。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
表に示された前月末会員数・当月新規会員数・当月末会員数から各サービスの会員リテンション率を求め、最も高いサービスを選ぶ計算問題です。
解き方の考え方
リテンション率は、前月末にいた会員のうち当月末まで在籍を続けた会員の割合です。当月新規会員は月末までに退会しないという条件があるので、当月末会員数から当月新規会員数を引けば、前月から続けて在籍している継続会員数が求められます。これを前月末会員数で割ると、リテンション率=(当月末会員数-当月新規会員数)÷前月末会員数となります。四つのサービスでこの値を計算し、割合が最も大きいものを選びます。
選択肢ごとの解説
- ×ア サービスAサービスAの継続会員数は800-500=300人で、リテンション率は300÷1,000=30%です。新規会員が500人と多いため、当月末会員数のうち前月から続けている会員は少なくなります。四つの中で最も低い値です。
- ○イ サービスBサービスBの継続会員数は800-200=600人で、リテンション率は600÷1,000=60%です。当月末会員数はAと同じ800人ですが、新規会員が200人と少ないので、前月からの会員が多く残っています。60%は四つのサービスの中で最も高い値です。
- ×ウ サービスCサービスCの継続会員数は1,100-500=600人で、リテンション率は600÷1,500=40%です。継続会員数はBと同じ600人ですが、分母となる前月末会員数が1,500人と大きいため、割合では低くなります。
- ×エ サービスDサービスDの継続会員数は1,800-1,000=800人で、リテンション率は800÷1,500≒53.3%です。当月末会員数も継続会員数も四つの中で最多ですが、割合ではBの60%に届きません。
補足
よくある引っかけは、当月末会員数が最も多いDや、継続会員数が最も多いDを「定着している」と判断してしまうことです。新規獲得が多いと会員数は増えますが、既存会員の定着度とは別の指標です。また、退会率(チャーン率)は1-リテンション率で表せます。たとえばBの退会率は40%になり、二つの指標は表裏の関係にあります。
POINT
- リテンション率は、前月末の会員のうち当月末まで在籍を続けた会員の割合です。
- 継続会員数は、当月末会員数から当月新規会員数を引いて求めます。
- 分母は前月末会員数です。当月末会員数を分母にしたり、新規会員を継続会員に数えたりしないよう注意します。
- 比較するのは人数ではなく割合です。検算すると、A=30%、B=60%、C=40%、D≒53.3%となり、最大は正解のサービスBと一致します。
