SCMと似た経営手法をどう見分けるか
ITパスポート試験 令和2年度10月 問15 / 経営戦略マネジメント › 経営管理システム
過去問にチャレンジ
SCMの説明として,適切なものはどれか。
- ア
営業,マーケティング,アフターサービスなど,部門間で情報や業務の流れを統合し,顧客満足度と自社利益を最大化する。
- イ
調達,生産,流通を経て消費者に至るまでの一連の業務を,取引先を含めて全体最適の視点から見直し,納期短縮や在庫削減を図る。
- ウ
顧客ニーズに適合した製品及びサービスを提供することを目的として,業務全体を最適な形に革新・再設計する。
- エ
調達,生産,販売,財務・会計,人事などの基幹業務を一元的に管理し,経営資源の最適化と経営の効率化を図る。
会話形式の解説
講師この問題では、「最適化」という言葉より、どの業務を対象にするかに注目します。
受験者調達や生産を管理する説明なら、どれもSCMに見えてしまいます。
講師SCMが扱うのは、調達から生産・流通を経て消費者に届くまでの供給過程です。取引先も含めて流れ全体を見直し、納期短縮や在庫削減を図る説明が正解です。
受験者営業やアフターサービスの情報をまとめる説明も、部門をまたいでいます。どこが違いますか。
講師それはCRMの説明です。統合するのは顧客に関わる部門の情報で、SCMが対象とする供給過程とは違います。
受験者業務全体を最適な形に再設計する説明は、範囲が広いのでSCMも含みそうです。
講師その説明はBPRです。業務プロセスを抜本的に見直す手法を指しており、供給過程を管理するSCMの説明ではありません。
受験者調達に加えて会計や人事まで一元管理する説明はどうでしょうか。
講師それはERPです。社内の基幹業務を一元的に管理します。取引先まで含めた供給過程を対象にするSCMとは、管理する範囲が異なります。
受験者SCMは取引先を含む供給の流れ、CRMは顧客に関わる情報、ERPは社内の基幹業務を見るのですね。
講師はい。BPRは業務の再設計です。「統合」や「最適化」だけで選ばず、対象となる業務と目的を確かめると区別できます。
まとめ
SCMは、調達から生産・流通を経て消費者に届くまでの供給過程を対象とします。取引先も含めて流れ全体を見直し、納期短縮や在庫削減を図る説明が適切です。顧客に関わる情報の統合はCRM、業務全体の再設計はBPR、社内の基幹業務の一元管理はERPに当たります。手法を見分けるときは、何を対象にしているかを確認します。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
SCMが対象とする業務の範囲と、何を改善する手法なのかを問う問題です。
解き方の考え方
SCMは、調達から生産・流通を経て販売に至る供給過程を扱います。取引先も含めて流れ全体を見直し、納期短縮や在庫削減を図る説明を選びます。顧客対応、業務の再設計、社内の基幹業務の統合は、それぞれ別の手法として見分けます。
選択肢ごとの解説
- ×ア 営業,マーケティング,アフターサービスなど,部門間で情報や業務の流れを統合し,顧客満足度と自社利益を最大化する。営業やアフターサービスなど、顧客に関わる部門の情報を統合する説明です。これはCRMに当たり、供給過程を取引先も含めて最適化するSCMとは対象が異なります。
- ○イ 調達,生産,流通を経て消費者に至るまでの一連の業務を,取引先を含めて全体最適の視点から見直し,納期短縮や在庫削減を図る。調達から消費者に届くまでの業務を、取引先も含めて見直す点がSCMに当たります。納期短縮と在庫削減を図るという目的も一致します。
- ×ウ 顧客ニーズに適合した製品及びサービスを提供することを目的として,業務全体を最適な形に革新・再設計する。顧客ニーズに合わせて業務全体を革新・再設計する説明です。業務プロセスを抜本的に見直す手法はBPRであり、供給過程の管理を指すSCMの説明ではありません。
- ×エ 調達,生産,販売,財務・会計,人事などの基幹業務を一元的に管理し,経営資源の最適化と経営の効率化を図る。調達や会計、人事などの社内の基幹業務を一元的に管理する説明です。これはERPに当たり、取引先まで含めた供給過程を対象とするSCMとは異なります。
補足
「統合」や「最適化」という言葉だけでは判別できません。何を対象にしているかを確認すると、SCMとCRM・BPR・ERPを区別できます。
POINT
- SCMは調達から販売までの供給過程を対象とします。
- SCMでは取引先も含めて全体最適を図ります。
- 納期短縮と在庫削減はSCMの目的です。
- 顧客に関わる部門の情報統合はCRM、社内の基幹業務の統合管理はERPです。
