事業化から産業化へ進む際の障壁をどう見分けるか
ITパスポート試験 令和2年度10月 問3 / 技術戦略マネジメント › 技術開発戦略の立案・技術開発計画
過去問にチャレンジ
技術経営における新事業創出のプロセスを,研究,開発,事業化,産業化の四つに分類したとき,事業化から産業化を達成し,企業の業績に貢献するためには,新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語として,最も適切なものはどれか。
- ア
囚人のジレンマ
- イ
ダーウィンの海
- ウ
ファイアウォール
- エ
ファイブフォース
会話形式の解説
講師事業化から産業化へ進む段階に注目しましょう。問われているのは、その段階で越えるべき障壁の名称です。
受験者競合製品が出てくるなら、ファイブフォースでしょうか。競争に関係する用語だったと思います。
講師ファイブフォースは、五つの競争要因から業界を分析する考え方です。競争には関係しますが、障壁の名称ではありません。
受験者では、競争を分析する用語と、競争の障壁を指す用語を区別するのですね。
講師そのとおりです。新市場を立ち上げ、競合製品と競いながら事業化から産業化へ進む際の障壁は、ダーウィンの海です。
受験者囚人のジレンマも、競争で不利になる状況を表すのでしょうか。
講師囚人のジレンマはゲーム理論の概念で、それぞれが合理的に選んだ結果、全体には不利になる状況を表します。ここで問う市場での障壁とは異なります。
受験者ファイアウォールの「壁」も、事業化の障壁とは関係ありませんね。
講師はい。ファイアウォールはネットワークの通信を制御し、不正なアクセスや通信を防ぐ仕組みです。
受験者事業化から産業化への障壁ならダーウィンの海。競争という言葉だけでファイブフォースを選ばず、何を問われているか確かめます。
講師その見分け方が大切です。業界を分析する考え方を聞いているのか、市場で越える障壁の名称を聞いているのかを確認しましょう。
まとめ
ダーウィンの海は、技術経営で事業化から産業化へ進む際に越えるべき、市場での競争の障壁です。新市場の形成や競合製品の登場が手掛かりになります。ファイブフォースは競争要因から業界を分析する考え方であり、障壁の名称ではありません。囚人のジレンマはゲーム理論、ファイアウォールはネットワークに関する用語です。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
技術経営において、事業化から産業化へ進む際の障壁を表す用語を問う問題です。
解き方の考え方
まず、障壁が生じる段階を確認します。この問題では、事業化したものを市場に広め、企業の業績につなげる段階です。新市場の立上げや競合製品との競争が手掛かりになります。
選択肢ごとの解説
- ×ア 囚人のジレンマアの囚人のジレンマは、ゲーム理論の概念です。それぞれが合理的に選択した結果、全体には不利な結果になる状況を表し、市場での競争という障壁を指す用語ではありません。
- ○イ ダーウィンの海イのダーウィンの海は、事業化から産業化へ進む際に越えるべき、市場での競争の障壁を指します。新市場の形成や競合製品の登場という問題文の手掛かりに合います。
- ×ウ ファイアウォールウのファイアウォールは、ネットワークの通信を制御する仕組みです。不正なアクセスや通信を防ぐためのもので、事業を市場に広める際の障壁ではありません。
- ×エ ファイブフォースエのファイブフォースは、五つの競争要因から業界を分析する考え方です。市場での競争に関係するため紛らわしいですが、問題文が尋ねる障壁を表す用語はダーウィンの海です。
補足
ファイブフォースにも「競争」という共通点があります。設問では、競争を分析する考え方を聞いているのか、事業化から産業化への障壁の名称を聞いているのかを見分けましょう。
POINT
- ダーウィンの海は、事業化から産業化への段階にある障壁です。
- 新市場の形成や競合製品との競争が、この障壁の手掛かりです。
- 囚人のジレンマはゲーム理論、ファイアウォールはネットワークに関する用語です。
- ファイブフォースは業界の競争要因を分析する考え方です。
