製造業の標準化を平準化や単純化とどう見分けるか
ITパスポート試験 令和2年度10月 問5 / ビジネスインダストリ › エンジニアリングシステム
過去問にチャレンジ
製造業における標準化の事例として,最も適切なものはどれか。
- ア
作業負荷の均衡を図り,かつ,前工程から引き取る部品の種類と量を平準化した。
- イ
生産活動を合理化するために,製造に必要な部品や手順を統一した。
- ウ
生産管理プログラムの実行速度を向上させるために,最適なアルゴリズムを選択した。
- エ
製品の種類の削減や作業内容の見直しを通じて,生産計画,生産工程,作業方法を簡素化した。
会話形式の解説
講師標準化とは、共通の基準を定め、部品や作業の進め方をそろえることです。この問題では、改善の目的だけでなく、具体的に何をどう変えたかに注目します。
受験者それなら、部品や手順を統一する取組が当てはまりそうです。標準化は、部品だけでなく手順も対象になるのですね。
講師はい。部品や手順を統一する取組が正解です。使う部品だけでなく、作業手順も共通の基準にそろえて生産活動を進める点が決め手です。
受験者製品の種類を減らしたり、作業方法を簡素にしたりする取組も気になります。これも標準化に当たりませんか。
講師その選択肢は単純化です。単純化は、種類や複雑さを減らして簡素にすることを指します。標準化にも生産活動を合理化する効果はありますが、この選択肢の中心は、共通の基準にそろえることではなく、種類や複雑さを減らすことです。
受験者作業負荷や引き取る部品の量を均す取組はどうですか。負荷や量をそろえるので、標準化にも見えます。
講師それは平準化、つまり負荷や量などの偏りを小さくする取組です。「そろえる」という言葉だけで判断せず、負荷や量の偏りを減らすのか、部品や手順を共通の基準に合わせるのかを区別します。
受験者プログラムの実行速度を高める方法を選ぶ取組も、手順を決めるという点で標準化に見えてしまいます。
講師この取組は最適化、つまり目的に最も適した方法を選ぶことです。実行速度を高めるために方法を選んでいるのであり、共通の基準や手順を定める説明ではありません。
受験者共通の基準にそろえるのが標準化、偏りを減らすのが平準化、目的に合う方法を選ぶのが最適化、種類や複雑さを減らすのが単純化ですね。
講師はい。その違いを押さえれば判断できます。「生産活動を合理化する」という目的だけで標準化と決めず、何をどう変える取組なのかまで確認しましょう。
まとめ
製造業の標準化は、共通の基準を定め、部品や作業手順などをそろえることであり、部品や手順を統一する取組が該当します。平準化は、作業負荷や量などの偏りを小さくすることです。最適化は目的に最も適した方法などを選ぶことで、単純化は種類や複雑さを減らして簡素にすることです。合理化という目的だけでなく、具体的に何をどう変えたかに注目すると区別できます。
解答・解説
正解はイです
この問題のテーマ
製造業の改善活動における標準化の意味と、平準化・最適化・単純化との違いを問う問題です。
解き方の考え方
標準化かどうかは、共通の基準を定め、部品や作業の進め方をそろえているかで判断します。生産の合理化という目的だけでなく、具体的に何をどう変えたかに注目しましょう。部品や手順を統一しているイが正解です。
選択肢ごとの解説
- ×ア 作業負荷の均衡を図り,かつ,前工程から引き取る部品の種類と量を平準化した。アの作業負荷や部品の引取りを均す取組は、平準化に当たります。負荷や量の偏りを小さくすることが中心であり、部品や手順を共通の基準にそろえる標準化とは区別します。
- ○イ 生産活動を合理化するために,製造に必要な部品や手順を統一した。イの製造に使う部品や手順を統一する取組は、標準化に当たります。部品だけでなく作業手順も対象となり、共通の基準に沿って生産活動を進める点が決め手です。
- ×ウ 生産管理プログラムの実行速度を向上させるために,最適なアルゴリズムを選択した。ウの実行速度を高めるためのアルゴリズム選択は、最適化に当たります。速度という目的に適した方法を選ぶ取組であり、共通の基準や手順を定める説明ではありません。
- ×エ 製品の種類の削減や作業内容の見直しを通じて,生産計画,生産工程,作業方法を簡素化した。エの製品の種類や作業の複雑さを減らす取組は、単純化に当たります。標準化にも合理化の効果はありますが、この選択肢では種類の削減や仕組みの簡素化が中心です。
POINT
- 標準化は、共通の基準を定め、部品や作業手順などをそろえることです。
- 平準化は、作業負荷や量などの偏りを小さくすることです。
- 最適化は、目的に照らして最も適した方法などを選ぶことです。
- 単純化は、種類や複雑さを減らして簡素にすることです。
