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バランスト・スコアカードと経営分析手法の違い

ITパスポート試験 令和2年度10月 問6 / 経営戦略マネジメント › ビジネス戦略と目標・評価

過去問にチャレンジ

令和2年度10月 問6

BSC(Balanced Scorecard)に関する記述として,適切なものはどれか。

  1. ア

    企業や組織のビジョンと戦略を、四つの視点(“財務の視点”、“顧客の視点”、“業務プロセスの視点”、“成長と学習の視点”)から具体的な行動へと変換して計画・管理し、戦略の立案と実行・評価を支援するための経営管理手法である。

  2. イ

    製品やサービスを顧客に提供するという企業活動を,調達,開発,製造,販売,サービスといったそれぞれの業務が,一連の流れの中で順次,価値とコストを付加・蓄積していくものと捉え,この連鎖的活動によって顧客に向けた最終的な"価値"が生み出されるとする考え方のことである。

  3. ウ

    多種類の製品を生産・販売したり,複数の事業を行ったりしている企業が,戦略的観点から経営資源の配分が最も効率的・効果的となる製品・事業相互の組合せを決定するための経営分析手法のことである。

  4. エ

    目標を達成するために意思決定を行う組織や個人の,プロジェクトやベンチャービジネスなどにおける,強み,弱み,機会,脅威を評価するのに用いられる経営戦略手法のことである。

会話形式の解説

講師講師
この問題では、それぞれの手法が何に着目するのかを見分けます。BSC(バランスト・スコアカード)は、戦略を具体的な行動につなげるための経営管理手法です。
受験者受験者
戦略に関する手法は、どれも似て見えます。BSCならではの特徴は、どこにありますか。
講師講師
財務、顧客、業務プロセス、成長と学習という四つの視点から考えることです。業務プロセスとは、仕事の進め方のことです。各視点から目標や、達成状況を確かめる目安となる指標を定め、具体的な行動につなげます。
受験者受験者
四つの視点で目標を整理するだけでなく、実際に行動して、その結果を評価するところまで含むのですね。
講師講師
はい。BSCは計画から実行・評価までを支えます。四つの視点から戦略を具体化し、計画・管理する説明が当てはまるので、正解はアです。
受験者受験者
調達から製造、販売へとつながる説明も、業務プロセスに関係しそうです。BSCとはどう違いますか。
講師講師
その説明はバリューチェーンです。価値を生み出す業務活動の連鎖を捉える考え方で、調達や製造、販売などの活動が、顧客に提供する価値の形成にどう関わるかに着目します。BSCを見分ける鍵は、四つの視点から戦略を行動につなげることです。
受験者受験者
活動のつながりによる価値の形成を見るのですね。では、製品や事業の組合せを考える説明は、資源をどこに配分するかが中心ですか。
講師講師
はい。それはPPMという、製品・事業の組合せと経営資源の配分を検討する分析手法です。複数の製品や事業を持つ企業が、どこに資源を配分すると効率的・効果的かを考えます。
受験者受験者
強み・弱み・機会・脅威を評価する説明も、四つに分かれています。数だけで覚えると、BSCと取り違えそうです。
講師講師
その説明はSWOT分析です。強み・弱み・機会・脅威を整理し、目標達成に向けた戦略を検討します。四つという数が同じでも、BSCの財務・顧客・業務プロセス・成長と学習とは、整理する内容が違います。
受験者受験者
BSCを選ぶには、四つの視点の中身と、戦略を具体的な行動につなげる役割の両方を確認すればよいのですね。
講師講師
はい。「戦略」や「業務」という言葉だけで選ぶと混同しやすくなります。価値を生む活動の連鎖なのか、資源の配分なのか、強みなどの整理なのか、説明の中心に注目すると区別しやすくなります。

まとめ

BSC(バランスト・スコアカード)は、財務・顧客・業務プロセス・成長と学習の四つの視点から戦略を目標・指標・行動に具体化し、計画から実行・評価までを支える経営管理手法です。バリューチェーンは、業務活動の連鎖による価値の形成を捉えます。PPMは、製品・事業の組合せと経営資源の配分を検討する分析手法です。SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威を整理して戦略を検討する手法であり、BSCとは四つに分ける内容が異なります。

解答・解説

正解はアです

この問題のテーマ

BSC(バランスト・スコアカード)の特徴と、ほかの経営分析手法との違いを問う問題です。

解き方の考え方

BSCを見分ける鍵は、「四つの視点」と「戦略を具体的な行動につなげること」です。財務・顧客・業務プロセス・成長と学習の各視点から目標や指標を定め、実行状況を評価する説明を選びます。ほかの選択肢は、価値を生む活動、事業への資源配分、強みや弱みの整理という対象の違いで区別できます。

選択肢ごとの解説

  1. ○ア  企業や組織のビジョンと戦略を、四つの視点(“財務の視点”、“顧客の視点”、“業務プロセスの視点”、“成長と学習の視点”)から具体的な行動へと変換して計画・管理し、戦略の立案と実行・評価を支援するための経営管理手法である。
    アの四つの視点から戦略を具体化する説明が、BSCに該当します。ビジョンや戦略を目標・指標・行動に落とし込み、計画から実行・評価までを支える経営管理手法です。
  2. ×イ  製品やサービスを顧客に提供するという企業活動を,調達,開発,製造,販売,サービスといったそれぞれの業務が,一連の流れの中で順次,価値とコストを付加・蓄積していくものと捉え,この連鎖的活動によって顧客に向けた最終的な"価値"が生み出されるとする考え方のことである。
    イの業務の連鎖によって価値が生まれるという説明は、バリューチェーンです。調達や製造、販売などの活動が、顧客に提供する価値の形成にどう関わるかを捉えます。
  3. ×ウ  多種類の製品を生産・販売したり,複数の事業を行ったりしている企業が,戦略的観点から経営資源の配分が最も効率的・効果的となる製品・事業相互の組合せを決定するための経営分析手法のことである。
    ウの製品・事業の組合せと資源配分を検討する説明は、PPMに対応します。複数の製品や事業を持つ企業が、どこに経営資源を配分するかを考えるための分析手法です。
  4. ×エ  目標を達成するために意思決定を行う組織や個人の,プロジェクトやベンチャービジネスなどにおける,強み,弱み,機会,脅威を評価するのに用いられる経営戦略手法のことである。
    エの強み・弱み・機会・脅威を評価する説明は、SWOT分析です。これらの要素を整理し、目標達成に向けた戦略を検討するために用います。

POINT

  • BSCは、四つの視点から戦略を目標・指標・行動に具体化します。
  • バリューチェーンは、業務活動の連鎖による価値の形成を捉えます。
  • PPMは、製品・事業の組合せと経営資源の配分を検討します。
  • SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威を整理します。

※出典:令和2年度10月 ITパスポート試験 問6