人件費の予算超過は完成時の総額から考える計算問題
ITパスポート試験 令和3年度 問36 / プロジェクトマネジメント › プロジェクトマネジメント
過去問にチャレンジ
開発期間10か月,開発の人件費予算1,000万円のプロジェクトがある。5か月経過した時点で,人件費の実績は600万円であり,成果物は全体の40%が完成していた。このままの生産性で完成まで開発を続けると,人件費の予算超過はいくらになるか。
- ア
100万円
- イ
200万円
- ウ
250万円
- エ
500万円
会話形式の解説
講師今回は、プロジェクトの途中で、完成まで同じペースで進めたら人件費がいくらになるかを見積もる計算問題です。注目するのは、進み具合を「経過した期間」と「完成した割合」のどちらで測るかという点です。
受験者10か月のうち5か月たったので、半分の500万円を使っている予定だったと考えました。実績が600万円なので、超過は100万円かと思ったのですが、違いますか。
講師その100万円は、経過した期間を基準にした今の時点の差です。ただ、問題が聞いているのは、作業が終わるまでに予算をいくら超えるかです。それに、費用が増える速さは月数ではなく、どれだけ作り終えたかに合わせて考えます。
受験者作り終えた割合で考えると、600万円で全体の40%ができた、ということですね。
講師そうです。この生産性のまま100%まで作ると、総費用は「実績÷完成率」で求められます。計算してみてください。
受験者600万円÷0.4で1,500万円です。予算が1,000万円なので、超過は500万円になります。
講師正解です。検算として、1,500万円の40%は600万円で、問題の実績と一致します。答えが出たら、総額に完成率を掛けて実績に戻るかを確かめると安心です。
受験者200万円という選択肢もありました。40%分の予算は400万円なので、実績600万円との差が200万円だと思うのですが、これも途中の値でしょうか。
講師よく気づきました。200万円は今の時点でどれだけ予算を超えているかを表す額で、残りの60%を作る分の超過が入っていません。250万円のほうは、超過額だとすると総額が1,250万円になり、今の生産性で計算した1,500万円と合いません。
受験者つまり、期間ではなく完成率を基準にして、今の時点ではなく完成時の総額と予算を比べる、ということですね。
講師そのとおりです。誤りの選択肢には、計算の途中で出てくる値や、別の基準で計算した値が並んでいます。「完成までに」と聞かれている点を確かめてから計算しましょう。なお、この考え方は、出来高(完成した分の価値)をもとに進み具合と費用を管理するアーンドバリューマネジメント、略してEVMの基本に近いものです。
まとめ
途中までの実績費用と完成率から、完成時の人件費の総額と予算超過を求める問題です。生産性が変わらないと仮定すると、総費用は「実績÷完成率」で、600万円÷0.4=1,500万円となり、予算1,000万円を500万円超えます。経過期間を基準にした差(100万円)や、今の時点での超過(200万円)は、完成時の超過ではありません。総額に完成率を掛けて実績に戻るかを検算すると確実です。
解答・解説
正解はエです
この問題のテーマ
プロジェクトの途中で、出来上がった割合とそこまでにかかった人件費を比べ、同じ生産性のまま最後まで進めたら総額がいくらになり、予算をいくら超えるかを見積もる計算問題です。
解き方の考え方
費用が増える速さは、経過した月数ではなく「どれだけ作り終えたか」に合わせて考えます。600万円で全体の40%ができたので、総費用は「実績 ÷ 完成率」で求められます。600万円 ÷ 0.4 = 1,500万円です。予算と比べると 1,500万円 − 1,000万円 = 500万円となり、正解のエと同じ値になります。検算として、1,500万円の40%は1,500 × 0.4 = 600万円で、問題の実績と一致します。
選択肢ごとの解説
- ×ア 100万円アの100万円は、経過した期間を基準にした差です。10か月のうち5か月がたったので予算の半分の500万円を使う予定だったと考え、実績600万円から引くと100万円になります。ただし、この問題が聞いているのは、作業が終わるまでに予算をいくら超えるかです。
- ×イ 200万円イの200万円は、完成した40%分の予算400万円と、実績600万円との差です。これは今の時点でどれだけ予算を超えているかを表す額で、残りの60%を作る分の超過は入っていません。
- ×ウ 250万円ウの250万円が超過額だとすると、完成時の総額は1,250万円になります。しかし、今の生産性をそのまま使って計算すると総額は1,500万円になるので、この値とは合いません。
- ○エ 500万円エの500万円が正解です。40%の成果に600万円かかったので、100%では 600 ÷ 0.4 = 1,500万円が必要になります。予算1,000万円との差は500万円です。
補足
誤りの選択肢には、計算の途中で出てくる値や、別の基準で計算した値が並んでいます。今の時点での超過(イ)や、期間をもとにした差(ア)で止めないように、問題が「完成までに」と聞いている点を確かめてから計算しましょう。この考え方は、出来高をもとに進み具合と費用を管理するアーンドバリューマネジメント(EVM)の基本に近いものです。
POINT
- 生産性が変わらないと仮定するときは、完成時の総費用を「実績費用 ÷ 完成率」で見積もります。
- 進み具合の基準は経過した期間ではなく、成果物がどれだけ完成したかです。
- 今の時点での超過額と、完成したときの超過額を取り違えないようにします。
- 答えが出たら、総費用に完成率を掛けて実績に戻るかを確かめると安心です。
